(本日第2弾)本日は朝、第1弾をアップしています。そちらもお読みいただけると幸いです。
1.「米国CPI の発表は今晩ではなく明晩」
本日朝の第1弾で「米国CPI の発表を今晩」と書いてしまいました。失礼いたしました。米国CPIの発表は明晩でした。もし第1弾で触れたブルームバーグ・オピニオンのコラムニスト・モハメド・エラリアン氏の意見が世論から賛同を受けているのなら米国勢はCPI 発表前の今晩、円のロングポジションを閉じてくる(=円売りドル買い)可能性がある。どの程度信じているかによるけれども。しかしそれも円のX デイが多少早くなるか遅くなるかの差。
2.「日銀が長期金利を抑え込む理由」
先ほど、以下のリツイートを私のtwitterにいただいた。
「日銀の金融政策は特異ですね。藤巻さんの仰るように、日銀が長期金利を抑え込まざるを得ないか否かはわかりませんが、世界中の潮流に反して、超低金利を維持する意味は全く不明です」。
以下のように回答した。
「参院議員時代財政金融委員会で『なぜ長期金利を抑えつけねばならないのか?長期金利を押さえつけて利益を受けるのは政府以外にあるか?昔は住宅ローンを固定で借りる人が多かったが今は変動金利で借りる人が7~8割(注:長期の契約でも変動型は短期金利に連動同。企業への変動型長期貸しも同じ)と質問したことがあります。「社債!」とのヤジが飛びました(小・中9年間クラスメートの宮沢洋一自民党税調会長からでした。さすがにわかっている)。たしかに社債はそうですが、国がダントツに利益を受けます。私は2,013年から14年には財政破綻をすると予想していましたが、オーソドックスな金融論で禁じ手中の禁じ手と言われる財政ファイナンス(=中央銀行による国債の爆買い=統合政府の実施)は、その財政破綻という危機を先送りするものだったと今でも信じています。その危機先送りのツケがいよいよ現れてきたのが今の日銀の惨状です。したがって長期金利を抑え続ける(=YCCを放棄しない)理由は財政破綻を避けるため。そして危機先送りの最中に国債を買い込んだ弱小金融機関そして日銀自身が債務超過に陥るのを防ぐためです。又、爆買いを辞めれば2段階の格下げで日本国債がジャンク債に落ちってしまうのを防ぐためでもあります』
3「円安まだ終わりではない」
JPモルガンの市場調査本部長の佐々木氏は9月7日のBloombergに対し「円は来年になっても最も弱い通貨であり続ける公算が大きい」と指摘。「この状況からどうやって抜け出せるのか分からない」とも述べた」佐々木氏は元日銀マン。内部にいた人間ほど日銀財務が悲惨なことがよくわかる。私がモルガン銀行(JP モルガンチェース銀行)の在日代表兼東京支店長だった時、日銀の為替課長を経験された菅野さんに調査部長として転職いただいた。余談だが菅野さんは高校時代のテニス部の1年先輩。東大体育会テニス部では今の私のテニス仲間である元経産省事務次官の松永さんとペアーを組んでいた。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-09-06/S0L5CNT0G1KW01?srnd=cojp-v2-markets
4「金利上昇で政府財政にピンチが迫る(東京新聞)」
9月5日に東京新聞いわく「最近のわずかな金利上昇で政府の借金(国債)の利払い費が伸びたのが一因になっており、今後、財政が圧迫されて政策の幅が狭まる懸念は拭えない」植田日銀が物価上昇しても金利を上げられない理由の一つ。日銀が動けない以上円は安くなるしかない。
https://www.tokyo-np.co.jp/article/275029
5.「メガバンクの倒産はありそうか?」
先ほど、以下のリツイートを私のtwitterにいただいた。
「倒産とはメガバンクではあり得ないですよね?」
以下のように回答した。
「メガはこの10年間で保有国債を日銀に売り飛ばしており保有国債のデュレーションを短くしているので大丈夫だと思います。危険なのは保有国債をいまだ大量保有している中小金融機関と日銀です。ただ中央銀行は社会にとって不可欠なインフラですから新しい中央銀行が出来ます(=新しい通貨に変わる)」
6.「日銀当座預金にお金を預けても利子はつかないのか?」
先日以下のリツイートが私のtwitterに来た。
「当座預金は本来無利息、白川総裁時代に金融機関へのお小遣いとして0.1%の利息は付いたがそもそも無視する項目」
以下のように回答した。
「FRB(米国中央銀行)は、どういう方法で政策金利を上げていますか?今のFRB 当座預金の金利はいくらですか?ゼロですか?ECB(欧州中央銀行)のECB 当座預金はどうですか?ゼロですか?何%ですか?英国中央銀行は?知ったかぶりをするものではない。ああ、はずかしい」
7.「国債のほぼ半分を日銀が保有しているのだから政府内でカネが移動してるだけなのか?」
先日以下のリツイートが私のtwitterに来た。
「よくわからないんですけど、国債のほぼ半分は日銀が保有してるので、金利を支払っても結局は政府内でカネが移動してるだけなのでは?それとも、日銀は受け取った金利をずっと貯め込んでいるのでしょうか?」
以下のように回答した。
「何十回と書いていますが貴兄が子供に貸しているお金の金利分は貴兄の家族内ではチャラですが貴兄がその貸金を銀行から借りている場合能天気でいられますか? 日銀が国債を民間から買うとその代わり金として日銀当座預金を増やします。金利上昇期にはその日銀当座預金に金利を支払わねばなりませんが」
8「それってあなたの感想ですよね」はフラジャイルナルシシズム(脆弱型自己愛)」
先日以下のリツイートが私のtwitterに来た。
「物資の需給は関係ありません・・・それってあなたの感想ですよね。単一要因で決まるなんてことはありません。ドイツのルール地方の問題なんて当たり前の事実なのに、それを丸っと無視する理由が分かりません。ですから聞いてます、需要不足でハイパーインフレになった国はあるんですか?」
以下のように回答した。
「『それってあなたの感想ですよね』などと言わずにもうっちょっと謙虚にお勉強しましょうね。以下、日経新聞8月29日の日経新聞夕刊いわく『「はい論破」「それってあなたの感想ですよね」などと言って、相手を言い負かそうとする子が増えているという(中略)背景にあるのは「フラジャイルナルシシズム(脆弱型自己愛)」。自分のことが大好きだが、一方で自信がなく、周囲に対して強く出て認められたいという一種の承認欲求だ」
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO73969570Z20C23A8KNTP00/
9.「民間純資産が大きければハイパーインフレは起こらないのか>」
昨日、以下のリツイートが私のtwitterに来た。
「どの歴史が証明しているのでしょう?過去のケース(ハイパーインフレ)では、中央銀行の政策や公的負債の問題だけでなく、民間純資産が貧弱なケースで起きることが多いとの理解です。状況が厳しいことは同意ですが、年率2桁%程度はともかくハイパーまではいかない可能性が高いように思えます」
以下のように回答した。
「何でも人に聞かないで、まともな人が書いたまともな本を1冊でも読めばよくわかるはずです。「ハイパーインフレの悪夢」)アダム・ファーガソン著 などいい本です又は昨年、英国中央銀行が出した以下の論文も参考になります。Special Topic: How Frequently Do Sovereigns Default on Local Currency Debt? (http://bankofengland.co.uk)