1.「英国病転じて日本病」
ロンドン支店に赴任した時、典型的社会主義国家に墜ちいっていた老大国・英国が、サッチャーの出現・改革(資本主義・競争社会)で日ごとに力強く変わるのを目の当たりにして「すごいな、政治家一人でこんなにも変わるんだ」と感激したことを思い出す。今、「格差是正」が金科玉条のこの国が、グングン没落しているのを見ていると悲しくなる。社会主義が資本主義に負けるのは歴史が証明している。「格差是正」至上主義で国が貧しくなれば社会に弱者を保護する余裕もなくなる。
2.「日本の健康保険は持続可能か?」
一昨日の日経1面記事、日本の社会主義体制ががたがたと制度疲労を起こして崩れている。社会主義が極まり、弱者を守る余裕が社会に無くなってくる。「格差是正至上主義で英国病に陥った昔の英国そのもの。
米国で「オバマケア」に強烈な反対があったのは財政に過度な負担がかかるから。
ちなみに今の米国でも健康保険は、火災保険と同じ。個人の収入で保険料など変わらない。手厚い保険に入りたければ高い保険料を払う。年収によって保険料
に差はない。
手厚い健康保険に加入したければ高い保険料を払う。個人の選択。収入が低い保険にも入れなければ、政府援助で最低限の保険には入れるが、受けられる医療も最低限。それがオバマケア。日本と同じような仕組みの健康保険制度が導入されたわけではない。
私が留学したころは、健康保険などに入らなくてよかったが(=社費留学だったので、いざとなれば会社が面倒を見てくれた)、最近の米国への留学生はある程度以上の保険に入る(=したがって保険料はそれなりに高い)保険に入れるだけの資力証明を出さないとビザが降りない。留学生だから無収入のはずでも手厚い保険の保険料は高所得者と同じ額。 米国を見ていると、日本の健康保険が持続可能なわけがないよな~と思ってしまう。
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO74469400U3A910C2EA2000/
3.「日本の年金保険は持続可能か?」
本来保険とはなにか事故(?)が起きた時にもらえるもので、(事故にあい)もらえる人も少ないはずだ(火災保険を考えればすぐわかる)。保険料も年収など関係なく事故発生率で決まる。自動車の任意保険も火災保険もそうである、年収で保険料が変わるなど聞いたことがない。
ところが、長生き社会の今、日本の年金は、ほぼ全員がもらっている。保険料は年収によって異なる、粉なものを保険と言う方がおかしい。ちなみに米国は401Kが主体で、自分で掛けた分(会社からの補助はあるにしても)を自分でもらう。
日本の社会保障の仕組みが世界共通ではない。格差是正万能主義で国が弱体化している日本では、この仕組みは持たない。結果平等主義では弱者を守る余裕が社会になくなるからだ。
4.「『年金がつぶれる』か『財政がつぶれる』か?」
年金では賃金上昇率より運用利回りが大きければ大きいほど(=スプレッドが大きければ大きいほど)健全と言われている。賃金上昇率は大雑把に言えばGDP の伸びに比例し、運用利回りは長期金利に比例する(=長期金利が高いというときは景気も良く株価も上昇する)からだ。要はg(GDP成長率)<r(長期金利)だと年金が持続可能となる。
一方財政の方は、基礎的財政収支が黒字になった後(黒字になるかどうかも怪しいか)、g>rならば財政は再建していくと考えられている。税収はgに大雑把比例するから、g>rならば税収増が支払い金利増より大きく余裕資金を借金返済に充てられるからだ。g>rが財政持続の条件である。
要は、g>rなら年金が持続不能になり、g<rなら財政が持続不能になる。いずれにしろ、理論的にはどちらかが持続不能。
5「ディマンドプルかコストプッシュかで話変わるのか?」
昨日、以下のリツイートが私のtwitterに来た。
「そもそも新古典派経済学系が「主流派」である以上、多数派であることは誰も否定していませんよ。 ただし、多数派であることと現実問題として正しいかどうかは明確に分けて考える必要があるでしょう。 そもそも藤巻先生の仰る「インフレ」も、ディマンドプルかコストプッシュかで話変わってきますよ」
以下のように回答した。
「誰がコストプッシュインフレとディマンドプルインフレの対応方法が違うと言い出したのかは知りませんが(黒田前総裁が一度おっしゃった後、間違ったと理解したせいか)再度発言していませんが(間違っていたらごめんなさい)、経済学部1年目の一学期にならうD S曲線では、D曲線が右シフトするディマンドプルインフレだろうが、 S曲線を左シフトするコストプッシュインフレだろうが、金利をあげて需要を減退させるしか物価をさげる方法は無いと思いますが、D S曲線からの分析のどこが違うか新学派の方の分析をお聞きしたいものです」。
6,「供給不足を解消するには財政出動が必要か?」
昨日、以下のリツイートを私のtwitterに来いただいた。
「コストプッシュインフレは、物の供給不足で発生するので、財政政策で人や設備に投資し、供給力を上げることでS曲線を右にシフトさせ、価格を下げ、インフレを抑制しますってことが言いたいのでは?通貨価値の低下によるコストプッシュインフレでは、この方法ではインフレを解消できず悪化する」
以下のように回答した。
「確かにそうかもしれませんね。しかしそれは長期的な話だと思います。長期的な視点で供給不足を解消するには投資が必要なのは言うまでもありません。しかし投資を促すのは何も財政出動に限りません。規制緩和や、成功しても成功しなくても同じ結果平等ではない社会の創生が有効でしょう。政府の財政出動では、GA F Aなどが生まれるわけがありません」
7,.「インフレで苦しんでいる今の世界でMMT などいったら総スカン」
昨日、以下のリツイートが私のtwitterに来た。
「何もMMTに寄らずとも「表券主義」や「租税貨幣論」においては何度も説明し尽くされた話です。(単にそれらを体系的にまとめあげたものがMMTというだけの話です) 「有効需要」や「政府の介入」を無視する新古典派系の経済学からは、なぜか意図的に黙殺されますが」
以下のように回答した。
「ならば世界中は、ほぼ全員が新古典派系経済学徒なんだ。今、MMT など日本のネット左翼以外どこにも存在していませんから。MMTなど跡形もなく消え失せています。インフレが加速している今、MMT など言い出したら「お前のせいだ」と総スカン食いますから」
8.「ゴールポストを動かしたか?」
一昨日、以下のリツイートが私のtwitterに来た。
「あれ、、、 債務超過ラインは前0.55%くらいだったような、、、 もしかしてゴールポスト動かしましたか? 」
以下のように回答した。
「動かしているつもりはありません。数字の違いは、保有国債の評価損が内部留保をこしてしまうレートと、日銀が債務超過になってしまうレートの差ではありませんか?その差は保有株式ET Fの評価益の額。今その額がどんどん大きくなっているので、今日現在とは多少のブレがあるとは思いますが」
9「私は素人に厳しすぎるか?」
一昨日、以下のリツイートが私のtwitterに来た。
「もう、藤巻さんたら、、、素人さんに言い過ぎですよ😂😂😂
わたしもトーシローですけどね」
以下のように回答した。
「すみません。しかしながら、今の日本&日銀の惨状はど素人のくせにそして全く基礎的な経済財政金融を勉強していない人々がスクリーニングのないSNSで耳に心地良いことを言って(政府参与にもなり)政治家を騙したことによって起きている現象だと思っているので、素人の知ったかぶは許せないのです」。
10.「多数が言っているから正しいか?」
一昨日、の以下のリツイートが私のtwitterに来た。
「その辺は個人の判断になるのでもういいですが、どちらにしても藤巻さん以外に円安600円とかハイパーインフレとか言ってる人は他に見ません
リスク回避としてドルを持つのを勧めるのはいいとしても、過剰にあおるのはどうかと思いますよ」
以下のように回答した。
「バブル崩壊の時、プロの債券のチーフトレーダーで危ないから逃げると言っていた人、私以外誰もいなかったなー。そしバブル崩壊以降、昔のチーフトレーダーは私以外、誰もいなくなった。JGB が2%台だった1990年代の初め「1%を割れる」と言っていた人は誰もいなかったな~。そして1年後、日経新聞の記者が私の支店長室に来て「1年前、藤巻さんにインタビューして、藤巻さんが1%割れるとおっしゃるので、この人、頭おかしいと思って記事にしませんでしたね。藤巻さんだけが正しかったですね。ごめんなさい」とおっしゃっていましたが。多数が言っているから正しいとは限らない。基礎を学んでもいないのに自信満々に言わない。基礎的なことを学ばず、ブードー経済学を公言するのは最悪。先ほどから何度もくだらないことを繰り返していらっしゃるが、貴兄はまともな学問の勉強不足、謙虚さもない」
11.「新中央銀行の理想的布陣」
一昨日ツ、以下のリツイートを私のtwitter にいただいた。
「藤巻先生に日銀総裁になってもらえれば、毎回の記者会見がチョー楽しみになる!」
以下のように返事した。
「ありがとうございます。ただ新しい中央銀行は、総裁は勝元財務次官か渡邉元財務官。副総裁は、雨宮前副総裁と山本謙三元理事がいいかな、と個人的にはおもっています。雨宮さんは量的緩和の戦犯に一人なのですが、あの才能はすてがたい。私は歳なので気力不足。」
12.「昨日は三井信託千葉支店のOB、OG会」
昨日はテニスに行こうと思ったが、前日の雨でコートクローズ。残念! 午後からは三井信託千葉支店のOB、OG会@千葉駅前。気さくな仲間で楽しかった。ただ歳とっているので泥酔した後の帰りの電車がつらい。泥酔したにもかかわらず本日は朝からテニス。ただし1試合。