「もし日銀がマイナス金利政策を放棄したら円暴落の可能性も」「もしマイナス金利政策を放棄しないのなら為替介入は無し」

2023年09月19日

1.「もし日銀がマイナス金利政策を放棄したら円暴落の可能性も」

世界の主要中央銀行が決める政策金利とは、オーバーナイトコールレート、すなわち銀行間取引の1日のレートであり、それが常識。FRB の誘導金利5.0%~5.25%もそれである。しかし日銀の短期政策金利だけは異なり、民間銀行が日銀に預けている日銀当座預金への付利金利である。それも500兆円弱のうちのたった30兆円への適用レート(マイナス金利政策とはこの30兆円にマイナス金利を適用すること)。もし日銀が「マイナス金利政策解除」をしたら当然コールレートの切り上げだろうと思う外国勢は大騒ぎするが、翌日になってコールレートがシミ程度にしか上がらないのを見て「何だよ、これ?日銀の政策変更なんて全く効果ないではないか?」と日銀無能の烙印を押すだろう。もう日銀は金利を上げられないのを世界に公言してしまう。「マイナス政策解除」のニュースは円暴落のきっかけになるかもしれない。

 

2.「もしマイナス金利政策を放棄しないのなら為替介入は無し」

もし「マイナス金利政策を解除しない」のであれば「今後、為替介入なし」と市場は判断するだろう。為替介入を米国は原則許さない。原油価格が高騰し、インフレを抑えねばならない米国にとってドル安は困る。米国の承諾が出来ないとは歴代の財務官が公言している。金融緩和を加速させながらの介入など米国は認めないだろう。米国がそれでも介入を認めるのなら、それは「日銀と円がよほどに危険であること」を米国が認識している証拠。その意味で22日の日銀政策家定会合はある意味、注目。