「どっちなんだよ、総裁の物価認識」「『マイナス金利政策』とは」「日銀当座預金のごく一部に適用されているマイナス金利を解除したところで言葉の遊び」

2023年09月21日

1.「どっちなんだよ、総裁の物価認識」

朝7時の岸田総裁の国連からの記者会見をぼーと聞いていたら「6月になってやっとデフレがら多少のインフレ気味になったが定着するかかはわからない」「今は急激な物価上昇との問題を抱えている」―>え、今後は「インフレになるかわからない」のか「急激な物価上昇が心配なの」か、どっちなの?

「急激な物価上昇が心配」と断言したら、日銀に金融緩和政策解除に圧力をかけることになる。しかし日銀は緩和解除したら自死だからシミのような緩和しか出来ない。総裁の言語明瞭、意味不明発言に日本の危機が表れている。

 

2.「『マイナス金利政策』とは」

「マイナス金利解除か?」とマスコミが騒いでいるが、日銀のマイナス金利政策とは「金融機関が保有する日本銀行当座預金の一部に▲0.1%のマイナス金利を適用する」こと(である。この全戸国銀行協会の記事には「一部」と書いてあるが、正確に記すと「ごく一部に」である。他国の中央銀行は、銀行間取引レートに影響を与えるべく、中央銀行当座預金の“大部分”の金利を引き上げるのだが、日銀のマイナス金利解除とは3層改装の「日銀当座預金」のうちのごく一部にマイナス金利を付利していること。ここのマイナス金利を解除しても、銀行間レートへの影響など微々たるものだ。日銀が「蟻を像」に見せるための「言葉遊び」のお先棒をマスコミが我担いでいる、もしくは不勉強なら、日本のマスコミの質は極めて低いことになる。

https://www.zenginkyo.or.jp/article/keywords/8898/#:~:text=%E7%89%A9%E4%BE%A1%E3%81%AE%E5%AE%89%E5%AE%9A%E3%82%92%E7%9B%AE%E6%A8%99,%E9%81%A9%E7%94%A8%E3%81%99%E3%82%8B%E3%80%81%E3%81%A8%E3%81%84%E3%81%86%E3%81%93%E3%81%A8%E3%81%A7%E3%81%99%E3%80%82

 

3「日銀当座預金のごく一部に適用されているマイナス金利を解除したところで言葉の遊び」

日銀が明確に公表している通り、日銀の短期金利政策は「日本銀行当座預金のうち政策金利残高に-0.1%のマイナス金利を適用する」である。他国の中央銀行のように中央銀行当座預金の大部分に対しての付利金利の話ではない。日銀当座預金のうちの極一部のマイナス金利を解除しても銀行間レートに影響などほぼ出ない。これは導入時「マイナス金利」という言葉を使って、さらなる「金融緩和」を演出した時と同じ(方向は逆だが)

https://www.boj.or.jp/mopo/mpmdeci/state_2021/k210121a.htm

 

4.日銀の政策金利

日銀の政策金利に関しては以下の「日銀のホームページ」を見ればよくわかる。「日本銀行当座預金は3階層に分割され、それぞれの階層ごとにプラス金利、ゼロ金利、マイナス金利が適用されることになりました」―>このマイナス金利が適用されているのを政策金利と称している。日銀当座預金残高491兆円のうち206兆円にプラス金利、255兆円にゼロ金利が適用され、政策金利とはたったの29兆円(2023年1月16日~2月15日の平均残高)、他国のように、ほぼ全額の超過準備預金mp付利金利を上げなければ銀行間金利など上昇しない。

日銀が書いているように「もし、『政策金利残高』が全体として増加すれば、その分、マイナス金利で運用し得る余剰資金が増加し、短期金融市場の金利に低下圧力がかかります。逆に、『政策金利残高』が全体として減少すれば、その分、金利に上昇圧力がかかります」ということ。―>政府の財政破綻を回避しるため、日銀は国債買いオペを継続せざるを得ない。と言うことは、政策金利残高が増えざるを得ない。そうなると日銀のいうようにマイナス0.1%を適用していると短期金融市場の金利に低下圧力がかかってしまう。「マイナス金利政策解除」はさらなる金利低下を防止する意味くらいはある。マイナス金利政策を解除すれば昨日の平均オーバーナイトコールレート(銀行間取引)の-0.056%が0.0%まで上昇する可能性はある。しかしそれだけ。「マイナス金利政策解除」だけではそれ以上に銀行間コールレートは理屈上、上がらない。

https://www.boj.or.jp/about/education/oshiete/seisaku/b37.htm