1,「ドル安円高へとトレンドを変えるのは至難の業」
昨晩、知人のヘッジファンの米国人と話をしたが、彼もドル売り介入の効果はごく短期的だろうと言っていた。日本の財務内容の深刻さを考えると、ドル高円安のトレンドを変更するのは無理だろうというのだ。一番印象的だったのは外国人が勝負をする際に「日本財政のひどさが」が考慮要因に入ってきだした点。ただ日銀の財務の悪さには考えが至っていないようだった。日本の長期金利が1%に迫ってきて日銀の債務超過が彼らの話題になってくるととんでもない円売りにつながろう。日銀の債務超過は全ての円マーケットの方向を決定づける。
2,「ドル高の味方強まる」
昨晩のブルムバーク記事。いわく「円は対ドルで1990年以来の安値に下げる可能性があると、ゴールドマン・サックスのストラテジストは指摘」「株式・債券市場は不透明感で揺れているが、ドルを巡ってはある種のコンセンサスが形成されつつある。米金融当局が高金利を維持する軌道を進む限り、ドルは少なくとも年内はさらに上昇する可能性が高いというものだ」
こんなときのドル売り介入など、子供が海水浴で海岸に作る砂の防波堤と同じ。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-10-05/S227B6T0G1KW01?srnd=cojp-v2
3.「米財政に信認低下リスク」
本日の日経新聞1面記事。いわく「マネーの変調は、米連邦準備理事会(FRB)が新型コロナウイルス危機下の金融緩和であふれたマネーの回収を進めていることが大きい」―>米国はマネーの回収を進めているが、日銀はバラマキ続ける。長期金利が1%に近づけば、防衛のために、国債買い入れを強化する(=お金のバラマキ)。この差は為替には強烈に効く・金利差も大きな円安要因だが、こちらの要因の方がより強烈な円安要因だ。毎日ばらまかれる円を、わざわざ今ますます貴重になるドルを払ってまで買うアホはいないから。
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO75063050W3A001C2MM8000/
4.「日本では問題が大きすぎてQT (量的回収)まで到着しない」
先に挙げた日経新聞「米財政に信認低下リスク」の記事には以下の記述がある。「問題は市場の調整能力を超えた構造変化が金利上昇に隠されている場合だ。代表例は米財政の悪化リスクだろう。政府債務の膨張が続き、国債の増発懸念に財政信認リスクもかすかに混じる」「FRBは国債を大量に買い、市場が抱える「将来の不透明感」を力ずくで抑え込んできた。プレミアム部分はマイナスが続いてきたが、ここに来てプラスに転じた。FRBが国債保有を減らす量的引き締め(QT)を進めるなか、市場が抱える将来不安が姿を現し始めたともいえる」
確かに米国にとって大きな問題だ。しかし、日本には、この問題は何十倍もの大きな問題だ。日本では問題が大きすぎてQT (量的回収)まで到着しない。日銀は、もう中央銀行としての体をなしていない。日本では既に中央銀行は消滅したと私がいう理由だ。
5.「米金利、強まる5%観測 米著名投資家が見解」
本日の日経新聞。私も指摘してきたつもりだが、米国では著名投資家の長期金利上昇予測が目立っている。もし彼等の予測が当たるのならドル/円は上昇するだろうが、それ以上に重要なことは、日本の長期金利も引きずられざるを得ず、円長期金利1%接近。日銀の債務超過、日本の金融システムリスク具現化の危険度が格段に高まるという点。どうして皆、そんなにのんきなのかと私は疑問に思わざるを得ない。私だったらドル買いという保険を掛けるけどな~。
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO75058950V01C23A0ENG000/
6.「痴呆の検査」
本日は、8時40分から近所の医院で定期健康診断。本日は痴呆の検査。まず最初に「本日は何月何日ですか?」と聞かれて答えられませんでした。ドル/円、米国債10年物金利、NYダウ、日経平均、円10年スワップ金利等を聞いてくれれば、ばっちり答えられたんだけどな~。でも、次の質問の「今日は何曜日ですか?」には「金曜日」と即答出来ました。だって、今晩は米国の雇用統計の発表があるんだもの。(注:米国の雇用統計は、毎月、その月の第1金曜日に発表になります)
7.「物忘れのすさまじさ」
私は若い時から記憶力が著しく悪い。受験の時はそれで苦労した。しかしそれが逆にリスクテークには幸いした。この仕事、負けたことをいつまでも覚えていたら、間違いなくノイローゼになり、トラウマで大きな勝負が出来なくなってしまう。また、私は時代小説が大好きだが、藤沢周平や池波正太郎の本など何回読んでも新鮮だ。10回くらいは初めて読む感じ、したがって1冊で10回楽しめる、安上がり。
ただ最近、高校生の頃大好きだった山本周五郎の本を何十年ぶりに読んでいる。しかしどの話にも既視感がある。「この本読んだことある。顛末はこうだった」とわかるのだ。最近の話はすぐ忘れるのに昔、読んだ話はよく覚えている。やはり痴呆の始まりなのかしらん?(苦笑い)
8.「はい、精進いたします」
昨晩、以下のリツイートが私のtwitterに来た。
「情けない…日銀の損は国民の損とか妄言吐いてたユーゾーくん( @YuzoKano )と同レベルだぞ…というか、元外資上がりでマーケットには詳しいけどマクロ経済学も会計も理解してないという意味ではまるっきり同じか…」
以下のように回答した。
「会計学を理解していない?私は一橋大学で岡本清名誉教授のゼミで管理会計を学び、アメリカのビジネススクール(クロッグスクール)でファイナンスを専攻し、岡本ゼミで一緒に学んだ広本一橋大名誉教授(公認会計士、監査審査会委員長も務めた)に依頼され、会計学の学者20〜30名の前で日米会計の差とか、日本の会計に関して、私が感じる問題点等を2回にわたって講義させていただいた経験もありますがきっと貴殿から見るとまだまだ未熟なんでしょうね。精進いたします」
なお、これに関しては「,ロ級のプロだぞ。経済学者+ディラーしかも日本屈指のディラーだぞ。血のしょんべんを何回も流したプロ。マクロ経済学から研ぎ澄ましたミクロ経済学まで、相手になる人はまずいない。日銀運営やアベノミクスを完全に完破して、ありとあらゆる情報をツイッターに無料で提供してくださるライオンだ」とのアシストりyツイートまでいただきました。ありがとうございました。
9.「誰かの資産は誰かの負債」
昨晩、以下のリツイートが私のtwitterに来た。
日本は世界一の資産があるのではないのでしょうか?
以下のように回答した。
民間にはね。だからハイパーインフレで政府(借金王)が民間(債権者)の金を実質没収するのです。M MT論者の言うように「誰かの資産は誰かの負債」。 ハイパーインフレによって、実質、政府の負債が減って国民の資産も減ります。究極の財政再建。国民は地獄。
10.「公的資金が注入されるから、日銀は破綻はしないのか?」
昨晩、以下のリツイートが私のtwitterに来た。
「公的資金が注入されるから、(日銀は)破綻はしない」
以下のように回答した。
「政府は毎年大赤字ですから投入する資金はありません。 大増税をするか、国債増発で日銀に買ってもらって資金を作るしかありません。こういうのをポンジーゲームと言います。「日銀・日本はそこまで悪いのかと、世界中が驚いて、そのニュースが出た途端に大規模な日本売りが開始されるでしょう。The End」