1.「米金融界のオピニオンリーダー・ダイモンJP モルガンCEOの警告」
1か月くらい前だったか米国金融界のオピニオンリーダ・JPモルガン・ダイモン氏が、「金利が7%になってもおかしくない」と述べていたが昨日の日経新聞夕刊によると、同社の四半期決算の発表時に公表した声明でも同じ内容を訴えたようだ。ダイモン氏いわく「米国の労働需給は引き締まった状態が続いており、かつ米政府の負債水準は極めて高い」「インフレ率が高止まりし、金利がここから一段と上昇する可能性は高まっている」、これだけお金をばらまいているのだからインフレなど簡単に収まらないという私の予想と同じ。私自身、現役の時はヘッジファンドのオーナーと議論した内容しかディーリングの際、参考にしなかった。自分で勝負をしていないアナリストやエコノミストの意見など聞いたこともない。今でも同じ。ヘッジファンドのオーナー達は自分の分析・予想で自分の財産がジェットコースターのように動くから、脳汁を絞り出すほど考えている。今でも同じ。トップダウンの意思決定をする米銀に於いて,ダイモン氏のような米銀トップの考えは、自身の会社の業績を大きく左右する。ひいてはご自身の職位、報酬に大きな影響を与える、という意味でヘッジファンドのオーナー並みに重要だ。今では、大物ヘッジファンドのオーナーと議論する機会が無くなった私にとって、マスコミを通じて、とはいえ、ダイモン氏の意見・分析は貴重である。
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO75280250U3A011C2ENI000/
2.「マイナス金利政策解除などスカ」
世界の中央銀行がコントロールしようとする短期金利とは、日本の無担保ON コールレートにするオーバーナイトの銀行間市場である。(米国ではFFレート)
日本で今大騒ぎしている「マイナス金利政策」の解除であるが、これが解除されると、どのくらいの短期金利が上昇するのか?
10月11日の無担保ON コールレートの平均は▲0.03%、12日は▲0.029%、13日は▲0.019%だ。マイナス金利政策が解除されるとこのレートがゼロ%に収束されるだろう。要は「マイナス金利政策」が解除されると短期金利は約0.02%上昇するだけなのだ。通常、中央銀行が利上げすると聞くと世界の市場参加者は0.25%もしくは0.5%を想定する。しかしながら日銀の「マイナス金利政策解除」では、たったの0.02%程度しか上昇しない。これでは為替にも経済にも全く影響しっこない。スカ。そのスカ以外、日銀はインフレに対応する武器を何も持っていない。やれば自爆行為になってしまうからだ。
3.「日銀が短期金利を0.25%、0.5%高く誘導できるのか?」
スカでしかない「マイナス金利政策終了」の後、日銀は他の中央銀行のように、インフレ抑制のために短期金利を0.25%、0.5%高く誘導できるのか?9月末の日銀当座預金残高は 547兆円だから法定準備金(確か12兆円+だったと思う)を除く部分に0.25%の金利を付けるとひきあげると 535兆円×0.25%=1.4兆円。0.25%で、通常の年の利益分はほぼ全額吹っ飛ぶ。株で、収益を上げなければ(株で収益を上げるなど中央銀行としてとんでもない話だと思うが)赤字決算だ。0.25%の引き上げでこのありさまだから米国のように5.25%~5.5%まで引き上げたら目も当てられない。もう中央銀行としての体をなしていないと私がいう理由の一つ。
4.「虎の会での議論内容」
昨日、本欄にG9の会で「金融界のかっての重鎮たちから『フジアマキ君のロジックはよくわかる。しかし日本は欧米諸国にとって重要な国。だから彼らがX デイにまでは至らせない』とおっしゃることに激しく反論した」と書いたが、その反論内容は以下の通り(G9の会では話さなかったことも追加しています)。
「日銀の財務内容は、欧米諸国が助けられるレベルをはるかに超えている。欧米は日本・日銀を助けることはせず、危機が自国に伝播させないことに注力するだろう。ギリシャ危機を欧州諸国は債権放棄などで助けたが、それは自国銀行が大量にギリシャ国債を買っており、ギリシャがこけると自国の金融システムがおかしくなるから。一方、欧米の金融機関は、日本国債などそれほど買っていない(買っているのは外貨準備としての外国政府だろう)。その意味では日本の危機は世界には伝播しにくい。又、日銀をとっかえさえすれば、日本国民のコスト(=日本国民は地獄を見る)で日本は復活する。長年、税収以上に社会保障などのメリットを享受してきたのだから自国民がコストを払うのは自業自得。欧米国民の負担(税金)で援助する対象にはなりがたい。万が一助けるにしても、大増税と社会保障費の大削減という過激な条件がつくと思われる。だからドルを買って自衛することが不可欠」
5.「坂東 彌十郎さん、新悟君の歌舞伎」
先週月曜日は、デザイナーの佐藤さん(ウインブルドンテニスのロゴマークを作った人)夫婦と10月歌舞伎の夜の部に。私が後援会長をしている坂東 彌十郎さんが主役を務める水戸黄門がお目当てだ。鎌倉殿の13人でブレイクした彼のひょうきんさを交えた演技はさすが。準主役の長男新悟君の準主役もいい。事前には知らされていなかったが隣の席に座っていたのが元住友生命専務の古河さん夫婦。古河さんのご長男と私の次男は中高の同窓生。新悟君は彼らの中高の後輩という関係でお互いに彌十郎、新悟君を応援をしている。歌舞伎の後は佐藤さん夫婦と帝国ホテルのバーで一杯。
6,「講演会」
先週火曜日夜は昔、維新の時に仲間で、今は自民党の参議院議員・中田先生(元横浜市長)から依頼されて講演会@参議院会館。そのあと懇親会@赤坂。楽しく飲んだ。
7,「フェリーエンドレフー@帯広」
先週木曜、金曜は帯広へ。元野村証券勤務で今、地方再生に熱意を持つ米田さんが中心になって推し進めているリゾート・フェリーエンドレフへ。素晴らしかった。
今はやりのグランピングが中心の施設だが、十勝・帯広空港から車で15分の距離で広い森の中でのグランピングをエンジョイ出来るのは素晴らしい。各コテージに高級なBBQ設備が付いているから、BBQ好きにはたまらないだろう。(テントに宿泊という選択肢もある)。
欧米では週末にBBQ で家族団らんが、非常にポピュラーかつ高尚な趣味だから欧米生活経験者や日本にいる欧米人には大変魅力的な施設だろう。私も存在を知らなかったリゾートだったから、まだ広報活動が不十分なのだろうが、施設を使うサイドからすれば、まだ人気が出る前が予約も簡単だしコストパフォーマンスも良くお得、東京人の感覚から言えば、軽井沢の一戸建ての別荘を借りて、広い森の中でBBQを楽しむ、という感じか。