「IMFアジア太平洋局副局長のド正論」「住宅論変動型の金利はマイナス金利解除ではあがらない」「住宅ローンは変動金利か固定金利か?」「若田部副総裁のインチキ極まりない答弁」他

2023年10月16日

1.「IMFアジア太平洋局副局長のド正論」

あ~あ、ド正論をIMF にまで言われてしまった。当たり前だけど、これが世界の常識的な見方ですな。介入を待っている人が多いから、実際に介入すれば、とんでもない逆襲パンチ(=超円安)をくらうだろう。

BloombergによるとIMFアジア太平洋局パンス副局長は「円安は主に金利差が要因であり、経済のファンダメンタルズを反映している。(略)介入の必要性を裏付けるような主要基準である市場の機能不全や、金融安定へのリスク、制御不能になったインフレ期待をIMFは認識していない」と述べたそうだ.

ところで、ハンス副局長は「日本当局は「この状況について私が知らないことを知っているかもしれない」と述べたそうだが、私は「このまま円安が進むと何にも出来ない日銀が機能不全に陥っていることを世界中にしらしめ日銀と円が終わってしまう」と言うことだと思う。

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-10-14/S2J5CMT0AFB401?srnd=cojp-v2

 

2,「住宅論変動型の金利はマイナス金利解除ではあがらない」

本日の日経新聞の「複眼独眼」。「住宅ローンは固定がいいか変動がいいか?」の特殊だが、記事自身に興味は無かったのだが、前田前日銀理事の発言のタイトルが「来年後半、ゼロ金利解除も」というタイトルだったので前田前理事のコメントだけ読んでみた。一番、重要なところは「マイナス金利解除では多くの銀行で変動型の住宅ローンの基準金利は上がりそうにないが、ゼロ金利解除では上がるだろう」との部分。この数日間、私が「マイナス金利政策解除」では為替も経済も実質的に何も変わらないと言っていることと同じだ。「マイナス金利政策解除」は大ニュースのように聞こえても印象操作だけでスカの政策変更なのだ。なにせ短期金利は、たった0.02%程度しか上昇しないのだから。変動型の住宅ローンなど上がるわけがない。

一方、まで前理事のおっしゃるように「ゼロ金利解除」では、他国同様無担保コールレートを0.25%か0.5%上げることにある。だから変動型住宅ローンの金利も上がることになる。しかし「ゼロ金利解除」は前田全理事のおっしゃるほど簡単ではない。日銀自身の損の垂れ流し(簿価ベースで)が巨大になるからだ。

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCD0687O0W3A001C2000000/

 

3,「住宅ローンは変動金利か固定金利か?」

前にも書いたが、私自身は最近借りたローンも固定型である。今までも変動金利でローンを借りたことなどない。確かに日銀は短期金利も長期金利も引き上げないだろう。引き上げれば自死してしまうからだ。変動金利で住宅ローンを借りている人(他国と違い、現在の日本は変動型が多い)も生活苦に陥ちいってしまうからだ。しかしそれではインフレが加速する。インフレが加速すれば政策金利は上がらなくても市場金利は上昇してしまう。日銀が長短金利のコントロール不能になってしまう大変な事態だ。中央銀行の体をなしていない。こんな事態を迎えるのは明治15年の日銀創設以来初めてだ。財政バラマキと、財政ファイナンス(=異次元緩和=統合政府論の実践)の大きなツケである。変動金利から長期金利への変換は理論的には少額の事務手数料で可能のはずだ。私は固定型への早め早めの変換をお勧めしている。

 

4.「若田部副総裁のインチキ極まりない答弁」

昨日 以下のリツイートを私のTwitterにいただいた。

「藤巻さんだけが危機感ムンムンだったってことでしたね。💦今になって痛切に刺さる動画です」

https://www.youtube.com/watch?v=yn48ctsWzLg

以下のように回答した。

「ありがとうございます。国会議員時代に行った若田部副総裁との質疑。マスコミも全く取り上げてくれませんでしたが日銀財務が危機的状況になったことを多くの人が理解してくれるようになった今、見ていただければ副総裁の答弁にドン引き、恐怖感が募ると思います。こんなpoorな理屈で「日銀は大丈夫だ」といわざるをえないのか、と」。

 

5「若田部日銀副総裁の答弁は欺瞞そのもの」

動画にある私が国会でした若和部副総裁にした質問・答弁の要約。藤巻「出口で日銀当座預金への付利金利を引きあげていくと支払い金利が増え、日銀は損の垂れ流しで債務超過になりませんか?日銀は大丈夫ですか?」

若田部副総裁「支払い金利が増えても、保有国債の方も金利が上昇し、受け取り利息が増えるから日銀は大丈夫です」

藤巻「昔と違い保有国債の大部分は10年債を中心とした長期固定金利債です。

固定金利債とは満期が来るまで受取利息額は変わりません。日銀の損益シミュレーションを出してください」

若田部副総裁「時の経済事態によっていろいろ変数が変わるのでお答えしかねます」

藤巻「来年満期が来る保有国債は何兆円ですか?」

若田部副総裁「54兆円です」

藤巻「と言うことは新しい金利になる保有国債は500兆円(当時は 400兆円弱だったか)のうちたったの54兆円だけで、満期が来ない保有国債は固定金利ですからら今年と同じ受取利息です。経済がどう変わっていようと受取利息の変化などわずかなものです。シミュレーションは簡単なのでは?」

若田部副総裁「経済状態がどうなるか、わからないのでお答えできません。いずれにしろ、日銀当座預金の金利を引き上げると保有国債の受取利息も増えるので、日銀は大丈夫です」

こんな答弁で「日銀は大丈夫」と誰が信じるのだろうか?マスコミが鋭く突いたら、一発で日銀はアウト。もしくは英訳されてヘッジファンドのオーナーでも読んだら同じ結果。隠すことによって財務内容改善の時間稼ぎが出来るのならまだ許せるが、破綻を先送りにさえ事態を悪化させているだけ。時間稼ぎをしても、もうあの時点でどうにもならないことは学者ならわかっていただろうに、学者として、日銀副総裁としての矜持はどこに?情けなや。

https://www.youtube.com/watch?v=yn48ctsWzLg

 

「日本にとって最悪のシナリオ」

本日の日経新聞マーケット欄。ここで上げているシナリの一つは、ハマスとイスラエルの衝突の翌日に私がSAS に懸念として書いた内容と同じ。このシナリオが現実になったら、脆弱財務の中央銀行を持った日本は終わり、早くドルを買って最低限の生活が出来るよう準備をしておくことが重要だ。こういう行動のこと保険を掛けるという。

日経新聞に載ったコメントの一つは「ドルと原油の『同時高』は日本や欧州のような資源輸入国ほど苦しくなる。特に欧州は昨年の利上げの遅れがさらなるインフレを招いたトラウマがある。もし次の原油高が起きて再利上げへ傾けば、弱い消費に冷や水をかける要因になる」

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB13CRU0T11C23A0000000/

 

7.「自国通貨建国債しか発行していなければ財政破綻は起こらないのか?」

一昨日、以下のリツイートが私のTwitterに来た。

「ポルトガルはユーロを使用しているので自国通貨建国債が発行できません。なのでこんな事を言うのでしょう。日本は自国通貨建国債が発行できます❤️」

以下のように回答した。

「この英国中央銀行発行の論文読んだ後でも同じこと言えるのか?貴兄の反論を待っ。さらに第2次世界大戦中に発行された軍事国債は全て旧円建てだが、戦後のハイパーインフレで紙くず化。購入していた国民は地獄を見た。それでも国家がいくら国債を発行しても問題なしと貴兄はいえるのか?」

https://bankofengland.co.uk/-/media/boe/files/statistics/research-datasets/how-frequently-do-sovereigns-default-on-local-currency-debt.pdf?la=en&hash=62205B4AB0B476C576442F70C03F61E1915EA9C1

 

8「どうせ紙くずになるなら円ください」

一昨日、以下のリツイートが私のTwitterに来た。

「藤巻さんの紙くずになりそうな日本円、もらってあげますよ」

以下のように回答した。

「何度も言っているが、冗談じゃない。今はドルに換えられる円をなぜ今、貴兄みたいに『金くれ、金くれ』と自助努力をしない人に渡せるか?自分で働き、稼ぐことを考えなさい!紙くずになった後ならいくらでも円を差し上げます」。

 

9.「超過とは資産サイドと負債サイドを比べた結果」

一昨日、以下のリツイートが私のTwitterに来た。

「無関心なのではありません。どのような事業も債務だけを見て評価はしませんね!債務にバランスするように資産を見なければ診断はできません!つまりあなたの目論見は債務に脚光を浴びせることで日本の国家としての危機感を煽ろうとの意図が丸見えであることだけをお伝えしておきます」

以下のように回答した

「何をトンチンカンなことを言っているのやら。私は今、日銀が債務超過になりそう、なったら大変と言っているが債務超過とは債務サイドだけなく、資産サイドと負債サイドを比べないと出てこない数字。中央銀行が債務超過でその機能を失えば円が紙くず化するなど日本経済のとんでもない危機」

 

10.「国賊とは?」

昨日、以下のリツイートが私のTwitterに来た。

「お前は売国奴か?」

以下のように回答した。

「台風が日本にやってくるから危ないところにいる方は逃げてくださいと予報する気象予報士は売国奴か?見たくないが正しい予想をする人間を売国奴という輩は、第二次世界大戦末期に国民を竹槍で敵に突っ込ませ死なせた人と同じ。貴兄こそ売国奴と言われてもおかしくないと私は思いますが」

 

  1. 「ファンダメンタルズを変えられるか?」

一昨日、以下のリツイートが私のTwitterに来た。

「ご自身の意見が正しいということでしたら、もっと意見を広める活動したらどうでしょうか。そしたらすぐに円を紙くず化にできるのではないでしょうか?伝説のトレーダーが言うことは皆さん信じるのでないでしょうか?日銀を公正価値評価するよう促したら良いのではないでしょうか?」

以下のように回答した。

「無理。米大統領だろうがFRB議長だろうが言葉だけでファンダメンタルズに反したトレンド変更など出来るものではない。日銀総裁もインフレ率を2%と言ってちっとも達成できなかった。 マーケットを馬鹿にするでない。言葉でファンダメンタルに沿った動きを変え得るなど馬鹿も休み休み言え」

 

12.「日本は緊縮財政国家か?」

一昨日、以下のリツイートが私のTwitterに来た。

「緊縮財政とは、過熱した景気とインフレを鎮静化するため財政支出を削減し、金融引締めと併せた景気抑制策のこと」

以下のように回答した。

「それ、日本の外で言わないでくださいね。世界中で日本人が笑いものになってしまうから」

 

13。「日本は過去30年積極財政を続けてきた。「ハイパーインフレの原因」

昨日、以下のリツイートが私のTwitterに来た。単に自国通貨建国債を発行してもハイパーインフレにはならないと言うのは言葉足らずでした。日本国の供給能力を考慮しながら国債を発行すればハイパーインフレにはなりません。繰り返しになりますが、今の日本は需要不足です。早急に国債発行で財政出動をして需要を創出する必要があります

以下のように回答した。

「なん十回と言っているがデフレ・インフレはモノやサービスの需給で決まるがハイパーインフレの原因は別。中央銀行の信用で決まる。中央銀行の信用が崩れれば誰もその発行する紙幣でモノを売ってくれなくなる。いくらモノが溢れていても誰もその通貨でモノを売ってくれない。それがハイパーインフレ」。