(本日第2弾)「ソロスが英国中央銀行を破ったことを思い出させる今のドル/円市場」「『マイナス金利政策の解除』では実質、何も変わらない」「米長期金利上昇」他

2023年10月19日

 

(本日第2弾)本日は朝第1弾をアップしています。そちらもお読みいただければ幸いです。

1.「ソロスが英国中央銀行を破ったことを思い出させる今のドル/円市場」

今のドル/円の状況はソロスが英中央銀行に勝利した1992年と極めて似ている、ソロスと同じことをするヘッジがいつ表れてもおかしくない、私がJPモルガンにいたら、きっとそうする。1992年英国は通貨統合に参加するための条件1ポンド=2.95マルクを死守しようと必死だった、しかし英国は景気が悪く金利を引き上げられない、一方ドイツは東西統合でインフレが激しく金利を下げられない。 ,そこでBOEは介入で£を2.95マルク以上にkeepしょうと試みた。しかしソロスファンドは「ファンダメンタルズに反した介入ではポンドが上がってもたかが知れている、一方、ファンダメンタルズに沿ったポジションは、介入をつき破れば大儲け。「リスクは小さく儲かれば大儲け」と踏んだソロス・ファンドは巨額のポンド売りを仕掛け英国中央銀行に勝利した。インフレ制御のために金利は下げられない米国は、当時のドイツと同じ。金利を引き上げれば、日銀も日本の金融システムも終わりの日銀は金利を引き上げられない。その状況は当時の英国と同じ。そうなれば円はファンダメンタルズで暴落せざるを得ない。この環境では第2のソロスが表れるのは必然と思える。そうなれば円は150円を一気に抜けて大暴落。紙くず化に一直線。

 

2.「米長期金利上昇」

米国10年金利が現在4,97%といよいよ5%に迫ってきた。お金をバラマキ過ぎで、まだ回収途上の現在、金利はまだまだ上昇すると思っている。邦銀の中には米国債から逃げそこなったところも多いだろう、特にリスク管理の出来ていない弱小金融機関では捕まっているところも多いと推測する。下手をすると経営の危機だ。円をドルに換えて投資なら為替で利益が上がっているからまだよいが、通常、邦銀はドルを短期調達して長期債を買っているから始末が悪い。逆ザヤに耐えきれなくなるところも出てこよう。多くの邦銀が損切りで売却すれば米長期金利はさらに上昇する。又日本の長期金利が上昇し、1%近づけばいよいよ、日銀と日本の金融システムが危なくなる。円暴落の危機。

 

3.「マイナス金利政策とは」

本日の銀行間のオーバーナイト無担保コールレートは▲0,01%ですが、この金利こそが、(住宅ローン金利などを含む)実体経済に影響を与える短期金利です。この金利をマイナスにしようとするのが「マイナス金利政策」で、500兆円弱の日銀当座預金のうちの30兆円弱に▲0.1%の金利(=日銀当座預金に残高を置くと日銀に0,1%の金利を払わねばならない)を付けているのです。

ある一定上の残高を日銀当座預金に積むと▲0,1%のペナルティーが発生するのですから、それならよりマイナス幅の小さい▲0,01%の金利で他行に貸すと、本日なら0,01%の金利払いで済みます。一方、日銀当座預金残高の少ない銀行は▲0,01%でお金を借りて(0,01%の金利を貰って)、ゼロ%の日銀当座預金にお金を置き0,01%という微々たる利益を狙うのです。

それによって(住宅ローンなどを含む)実経済に影響を与える無担保コールレートをマイナス(本日はたったの▲0.01%)のマイナス金利となる。それが「マイナス金利政策」です。

 

4「『マイナス金利政策の解除』では実質、何も変わらない」

昨日、以下のリツイートを私のTwitterにいただいた。

「元日本銀行審議委員の桜井真氏は、日本の実体経済が改善を続け、物価上昇の持続性も高まりつつある中、日銀は年内にもマイナス金利政策を解除する可能性があるの変化に対応した適切な緩和政策に戻す必要がある」とし、マイナス0.1%の短期政策金利をゼロ%に引き上げることを具体策として挙げた」

以下のように回答した。

「何度も書きますが、『マイナス金利政策の解除』は実質的に何の意味もありません。スカの政策変更です。昨日、前田元日銀理事が「マイナス金利解除」では変動型住宅ローン金利は上がらない、と述べている通りです。本日の銀行間のオーバーナイトコールレートは▲0,01%ですが、これが0.0%へと0.01%上昇するだけなのですから。住宅ローンなどを含む)実経済に影響を与える無担保コールレートには全くと言っていいほど影響を与えないということです。これでは住宅ローンが上がるわけはありません。無担保コールレートこそが世界の金融界でいう短期金利(住宅ローンに影響する)です。すなわち、実経済にも為替のも全く影響がないのが「マイナス金利政策の解除」なのです。だから日銀はやろうと思えば簡単に出来ますが、スカと分かって為替のマーケットが、がっかりするのが怖いのでしょう。

 

5.「私は南尾実績もない超ド素人?」

本日、以下のリツイートが私のTwitterに来た

「何の実績もない超ド素人が もうええって」

以下のように返信した。

以下私のJP Morgan 勤務時代、 NY本店のエコノミストが幹部に送ったメール(時効だからもういいでしょう)。

Just finished a 1.5 hour meet with  X  略)、I told him the Fujimaki/JPMorgan target 160-180. He jumped up in joy, rushed to the phone to buy $1 billion right there.

X氏は世界に君臨していた当時世界最大のヘッジファンドのオーナーで世界中のトレーダーに畏怖されていた人。へ~、そんな人も何の実績もない超ド素人の意見を聞くんですね、驚き。

 

6.「フジマキはドル買いフルベットしておるか?」

本日、以下のリツイートが私のTwitterに来た

「それなら藤巻先生はドル買いフルベットですね😊」

以下のように返信した。

「昔から、そう。当たり前のこと聞かない!現役の時から私は、自分の(=会社の)ポジションを公開する(=自分のポジションと違う予想はしない)と世界中のヘッジファンドのオーナー、投資家の間では有名でしたけど(日本では有名ではなかったけど)」

 

7.「へ~、私は逆指標なのか?」

本日、以下のリツイートが私のTwitterに来た

「お、逆指標さんが吠えてるな。 ドル円天井フラグか。 来年普通に120円台と予想」

以下のように返信した。

「Good luck!!! 自己破産しないようにね」

 

8.「米金利はまだまだ上げる」

一昨日、以下のリツイートが私のTwitterに来た。

「アメリカの国債価格の下落についてはどうお考えですか?1981年の頃よりも下落してると聞きますが。これ以上下落するとアメリカ国内の金融系の会社が潰れそうなので国債金利の上昇は無いようにも見えますが」

以下のように返信した。

「1980年の米国10年金利は20%をそんあました。今は4.75% です。金利が上がれば値段は下がります。私はまだまだ金利は上昇すると思っています。なお米銀(少なくとも大手は)のリスク管理は、そんなヤワなものではありません」

 

9.「日銀は当期純利益を引当金に回すべきか?」

一昨日、以下のリツイートを私のTwitterにいただいた。

「河村小百合氏によるとドイツ中銀は3年前から当期利益をゼロにして引当金に回してるとのこと。

https://jsri.or.jp/publish/review/pdf/6306/02.pdf

(p18を参照)

日銀は余裕があるから毎年国庫納付金を入れてますね。私が日銀総裁なら異次元緩和と同時に国庫納付金は引き当てに全部回すと思うけど・・」

以下のように返信した。

「Agreeです。ただ日銀の当期純利益は毎年約1~2兆円。これから生じるであろう日銀の債務超過の額や毎年の損の垂れ流し額を考えると、大海の一滴ですが」