「前回同様、日銀政策決定会合で何も起こらないことが分かった後の円安高速レース開始か?」「マイナス金利政策が解除されても、住宅ローンレ-ト、企業への貸出しレート、FX 取引のスワップポイントは微動だにしない」「インフレ(=物価上昇)なのかデフレなのか、どっちなんだい?」他

2023年10月28日

1,「前回同様、日銀政策決定会合で何も起こらないことが分かった後の円安高速レース開始か?」

ドル/円が150円を越したら高速レースで円安が進むと思っていたが、今のところ、その予想は外れている。米国長期金利が下落したこともあるが、最大の理由は日銀政策決定会合での金融緩和解除を外国人は懸念しているからだろう。しかし前回の会合時同様、何もないことが分かり、がっかり円売りが起こると予想する。そこからが円安高速レースだ。

これだけ日本のインフレ率が上昇すれば日銀が緩和解除をするのが当たり前だと誰もが考える。しかし、それが出来ないことまでは、外国勢は理解していない。YCC の再修正は日本の金融システムとそれ以上に日銀自身を危機にさらすから出来っこない。長期金利上昇圧力を呼び込むだけの結果になる。考えられるのはマイナス金利の解除だが、これは言葉の遊びで、実質の金融緩和解除では全くない。住宅ローンレ-ト、企業への貸出しレート、FX 取引のスワップポイントは微動だにしない。先日の日経新聞で前田前日銀理事が「マイナス金利政策解除では変動型ローン金利は上昇しないだろう」と語っていたのは正しい。マイナス金利政策解除でも実質、何も変わらないことを知って、外国勢も、日銀が金融解除など未来永劫出来ないことを知る。円暴落である。

 

2,「マイナス金利政策が解除されても、住宅ローンレ-ト、企業への貸出しレート、FX 取引のスワップポイントは微動だにしない」

中央銀行の金融政策とは「銀行間取引のレート」を誘導することである。それによって、住宅ローンレ-ト、企業への貸出しレート、FX 取引のスワップポイントに影響が出る。多くの中央銀行は一晩賃借の銀行間レートを最重要視する。日本では現在、そのレート(O/N 無担保コールレートは昨日で▲0.013%。ほぼゼロ%だ(日銀ホームページ1面最下段参照)。マイナス金利政策が解除されると、▲0.013%O/N 無担保コールレートがゼロ%になるだけで、住宅ローンレ-ト、企業への貸出しレート、FX 取引のスワップポイントもなにも変わらない。金融緩和解除では全くない。外国人は、O/N 無担保コールレートが▲0.1%からゼロ%に上昇すると誤解している。「全く金融緩和解除になっていないじゃないか」と知って大慌てをするだろう。

 

3.「これでは日本の将来は危うい」

本日の日経新聞「大機小機」は極めて、まともな論考。いわく「デフレからインフレに点火しているのに、超金融緩和にこだわる。世界でも深刻な借金大国なのに、財政ばらまきに走る。これでは日本の将来は危うい」「(岸田首相は)市場の反乱が頭をかすめなかったのだろうか。選挙対策のつもりの経済対策が選挙どころではなくなる。昨秋、英国のトラス首相がわずか45日間で退陣に追い込まれたのは、大規模減税など放漫な経済対策を打ち上げ、ポンド安、金利上昇、株安のトリプル安に見舞われたからだった」

ただ「金融政策をまともに戻せ」との主張は政治/日銀主導では実現不能。植田日銀総裁こそ、一番、そう感じているだろう。しかし言うのは簡単だが出来ない。金融緩和の解除をしたら金融システムがつぶれ、それ以上に日銀自身が自死してしまうからだ。私は早く新中央銀行を設立し、新しい通貨の元で日本経済を立ち直らせるべきだと思うが、現在の円が無価値になり、ドルを保有していない人は瀕死の重傷を負うから誰も決断できない。今後当然のように起こる円の暴落という市場原理に任せるしかないだろう。

https://www.nikkei.com/article/DGKKZO75672620X21C23A0EN8000/

 

4,「インフレ(=物価上昇)なのかデフレなのか、どっちなんだい?」

昨日の岸田総裁の国会答弁を聞いていて、もう日本の経済政策は滅茶苦茶だ。そこまで追い詰められている。「物価高騰に苦しむ人たちのために所得減税をする」と言っていながら「デフレ脱却のために精神誠意努力する」とどなたかに答弁されていた。インフレ(=物価上昇)なのかデフレなのか、どっちなんだい?

 

5.「日本のGDP、4位転落 ドイツに抜かれる」

日本のドル換算での名目GDP(国内総生産)が2023年にドイツを下回って4位に転落する見通しだそうだ。日本はGDP 2位の地位を中国に抜かれると大騒ぎしたのが2010年、たった13年前だ。それなのに今の中国のGDPは日本のGDPの4.2倍。為替のせいなどではない。日本が世界断トツのビリ成長だったからだ。2010年から日本は1,1倍(自国通貨ベース)しか成長していないのに中国は2,9倍の成長しかしていないからだ。1982年からの40年間だと中国の224倍(自国通貨)に対し、日本は1.9倍しかしていないからだ。

今度抜かれるドイツも40年間で4.5倍、2010年からも1.5倍成長しているのだ。「分配を成長に」だとか言っている次元の話ではない。枝葉の問題ではない。なぜこの優秀な国民の国が世界ダントツのビリ成長だったかを考えるべき。それはいつも言うように日本が結果平等が金科玉条の世界1の社会主義国家だから。

https://www.nikkei.com/article/DGKKZO75561620V21C23A0MM8000/

 

6「ベンツ、ベンツL ベンツの時代も終わるのか?」

ある日の都内の駐車場。プロ野球・中日の昔の投手起用「権藤、権藤、雨、権藤」ではないが「ベンツ、ベンツ、L 、ベンツ」(注:Lはレクサス )風景を見るのも、そう長くもないかもしれない(ちなみに我が家はベンツではない。悪しからず)。

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7.「財政均衡の国・ドイツが日本のGDPを抜こうとしている」

「財政均衡」を憲法で謳っているドイツがGDPで日本を抜かそうとしている。ドイツの人口は8300万人だから一人当たりのGDPは約1.5倍。税収以上の歳出禁止の国が、税収以上の大量バラマキで世界最大借金国・日本をはるかに超える豊かさ。日本は財政出動が少ないと説く財政拡大論者、これをどう説明する?

 

8.「日産車に乗っている人は『外車に乗っている』人」

一昨日、以下のリツイートが私のついーたに来た。

「間違ってない。日本の企業がなくては世界は回らないのは変わらない。他にこんな国はない」

以下のように返事をした。

「日本の企業”ではない。”日本の名前”が付いた企業。いつも書くが、日本人ほど、会社の国籍にこだわる国民はいない。世界では企業はいろいろな国籍の人からなる株主のモノ。日本の名前の企業が儲かると儲かるのは(外国人を多く含んだ)株主。日本人は日本の名前の付いた企業から給料をもらうだけ。その企業が海外進出していれば、給料も所得税も法人税も外国へ。普通、子会社形態で海外進出しているから、日本国の儲けである税収は配当金に関する税金だけ。なお、配当自身は株主へ(多くは外国人)なお、日産は定義からして、日本名のついた外国企業。日産車に乗っている人は「外車に乗っている」人である」