「東大の経済学者でも『日本円の紙くず化』は避けられない」「危機感を募らせる金融学者」「為替のトレンドの変更はタンカーの動きと同じ」「個人投資家は介入待ちのドル売りポジション」他

2023年11月14日

1.「東大の経済学者でも『日本円の紙くず化』は避けられない」

今年 4月25日にupされたプレジデント・オンラインの記事が【編集部セレクション】として再配信されることになったそうです。「東大の経済学者でも『日本円の紙くず化』は避けられない」と言うタイトルです。無料です。

文章の締めは「名古屋大学の齊藤教授は、『金融経済研究』3月号(日本金融学会の機関紙)の中で以下のように指摘している。「こうした瞬時的で非連続的な変化を考察することについては、『そんなことは絶対に起きてほしくない』という人々の心理的な性向から往々にして思考停止に陥りがちになる」

よくこのお言葉の意味を考えていただきたい。日本円は本当に安全資産と言えるのか、紙くずになるなんてありえないことなのだろうか――。思考停止に陥るべきではない。それが、自分の財産と、ご家族を守るための第一歩だと思っている」

https://president.jp/articles/-/75741

 

2,「危機感を募らせる金融学者」

4月25日にupされたプレジデント・オンラインの再掲記事に書いた通り、今年春の日本金融学会の機関紙には「日銀の出口に関する懸念論考」のオンパレードだった。ちなみにこの数年間でこの学会誌に取りあげられたMMT に関する論文はたった1つだったと記憶している。MMTなど端から論外だったのは他国と同じ。他国では全く消え去ったMMT が、今でも日本のネット社会で生き延びているのには、いやはや、である。

 

3,「為替のトレンドの変更はタンカーの動きと同じ」

為替のマーケットでは、(ごく短期であれば)美人投票的な要素に影響されることもなくはありませんが、世界のどんな権力者がわめこうと、産油国のような超金持ちがどんな為替取引をしようとSNS で陰謀論だとわめこうが、ファンダメンタルズで決まる方向性を変えるのは不可能です。プロの世界でドンパチやれば、すぐに痛いほど痛感させられます。日本経済は、40年間世界ダントツのビリ成長であり、その上、日銀がハイパーインフレ(=超超円安)を招くからとの理由で、世界中で禁じ手中の禁じ手といわれている異次元緩和(=財政ファイナンス)を世界とは段違いのレベルで行っているのですから円が弱くなるのは必然だと思います。タンカーのように方向転換には時間がかかりますが、一度動き出したら、そのトレンドを再度変えるのは、それまで以上に大変です。その根本であるファンダメンタルズを変えなければならないからです。それが40年マーケットにいた私の経験ですし、世界のビックプレーヤーの常識です。

 

4.「個人投資家は介入待ちのドル売りポジション」

以下のツイートがtwitterに載っていた・

ドル円のポジション比率、どこを見てもショートが60%以上。介入待ちの行列がすごい

以下のようにリツイートした。

「もしこれが本当なら介入は効かない。介入が効くのはバンバンにドル買い持ちが膨らんでいる時だけだから。介入した途端にドルショートの膨大な額の利確で逆にドル円をおしあげてしまう。財務省もわかっているから怖くてできない。最も介入自身米国の許可がおりていないと思う。為替介入は原則禁止でよほどの理由がないと認めれないから。インフレを抑えたい米国の国益に反するし。

またこんなにドルショートが溜まっているにもかかわらず、ドル円が上昇しているのはドル円上昇の基調がべらぼうに強い証拠」

 

5.「大丈夫かこの論拠?」

昨晩bloomberg 記事。なんだ、これ?小学生の夏休み自由研究の結論みたい。いまどきの小学校高学年だって、もっとまともな論考書くぞ。この分析の論拠が日銀を除く10主要中銀の30年間の緩和サイクルでは15ヶ月で平均3.2%下げだったからだって。大丈夫かU B S? 我々ディーラー(特にリスクテーカー)は、実績が無いと人格さえ認められない世界にいるのだが、たとえ実績が出ても、その理屈が合理的、ロジカルと言えるものでないと馬鹿にされる。それはアナリスト、ストラテジストの世界でも同じなのだと思う。

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-11-13/S42GMPT0G1KW01?srnd=cojp-v2-markets

 

5.「差金決済が分かっていない?」

本日以下のリツイートが私のtwitterに来た。

「この人差金決済わかっていない」

以下のように返信した。

「馬鹿にするなら経歴見てからにしましょうね。JPモルガン時代、私はJGB 先物、先物オプション、金利スワップ、為替スワップ、スワプション、日経225先物、日経オプション。為替先物、為替オプションでしか取引していない。差金決済の最たるもの。それで長年JP モルガンの世界の稼ぎ頭だったのですが」

応援メーッセージもいくつか来た。一つは潮田さんから。

「藤巻さんはソロスに引っ張られた人ですよ」

以下のように返信した。

「潮田(元毎日新聞論説委員長、元経済部長)さん、突然の援護砲ありがとうございました。

他のリツイートは

「その時代 藤巻レポートをシカゴでスミスバーニーの債券部からtelexで読んでました。円も強かったこともあり、世界中の金融マンが藤巻レポートに注目してました。私はちょいちょい出てくる息子さんの話題に望郷を癒してました」

ありがとうございます。