「『円』が統制を失えば『破局』がくる(田辺・元日銀局長)」「地銀の保有国債評価損は馬鹿にできない」「財政危機の欧州VS中央銀行と通貨の危機の日本」

2023年11月20日

1.「『円』が統制を失えば『破局』がくる(田辺・元日銀局長)」

昨日の東京新聞記事。「『円』が統制を失えば『破局』がくる」 田辺・元日銀局長がハイパーインフレの恐ろしさを語っている。まさにおっしゃる通り。かつては、このようなことは絶対発言しなかった日銀OBも本音を喋らざるを得なくなってきているわけですね。

https://www.tokyo-np.co.jp/article/290903

 

2.「地銀の保有国債評価損は馬鹿にできない」

11月15日に以下の立位^とを私のTwiotterにいただいた。

「これは重要な記事。藤巻さんは金利1%で(地銀の保有国債評価損が)3.2兆円と試算したが、本記事は金利が0.76%だった9月末時点のもので、2.8兆円とのこと。1%では4兆円前後の含み損になってしまう。藤巻さんが出した数字は大袈裟ではなくむしろ控えめな試算だったことが示された」

以下の返信をした。

「確かに、この日経新聞の記事は極めて重要ですね。長期金利が1%まで上昇すると、国債保有を大胆に減らしたメガバンクはオーケーでも,地銀以下の金融機関には債務超過になるところが出てきそうですね。日銀がYCC解除できない1つの理由です。最も最大の理由は日銀自身が債務超過になってしまうから」

このリツイート、返信はブログに書くのを失念していたが、昨日までに13万のアクセスがあった。注目した人が多い証拠だ。

 

3.「財政危機の欧州VS中央銀行と通貨の危機の日本」

今朝の日経新聞記事。「国民生活の正常化は進んだが、膨張した財政支出の出口戦略は正念場だ。(略)金利上昇という形で警告を発する市場機能が手ぐすねを引いて待ち構えている」。欧州はこの記事の指摘通りだが、財政実態は日本の方が格段に悪い。それが表面化していないのは日銀が欧州とは比較にならないほどの、国債爆買いをして危機回避をしているから。結果、日銀にしわ寄せがきて、日本は中央銀行の危機、すなわち発行する通貨の危機となっている。

https://www.nikkei.com/article/DGKKZO76252300Z11C23A1ENG000/