1.「NYダウは史上最高値に極めて近い状態」
NY ダウは昨晩の終値が36,577ドル。2022年1月5日の36,952ドルの史上最高値に迫ってきた。2022年は1月3日が昨晩とほぼ変わらずの36,595ドルだったが、4日に36,934ドル、5日36,952ドルと急騰していったのだから昨晩の終値も史上最高値に極めて近い状態と言っていいだろう。
米国人は日本人に比し株の保有が圧倒的に多い。したがって株価の史上最高値の意味することは非常に大きい。(もちろんそうでもない個別株もあるが)一般的に言えば、国民全員が儲かっているということ。この資産効果(儲かった気分になって消費を増やす)はべらぼうに強烈で景気を持ち上げる。日本のバブル期の狂乱経済がそれを証明する。
日本のバブル期は金余りで起きた。ただ毎年30円から40円の円高という強烈なデフレ要因があったからCPI の上昇は0.5%程度と極めて低かった。米国では強烈なドル高は起きていない。かつ日本のバブル時より格段の金余りだ。お金を回収し終わる(=FRB の米国債の売却)まで景気は強く、インフレンなど簡単に収まらない。
2.「異次元緩和は財政破綻の回避策だった」
「異次元緩和政策の転換期が来た」との記事やコメントを見るが、異次元緩和の出口などない。「異次元緩和がなぜ始まったのか」を理解していないから頓珍漢な分析となる。「異次元緩和はデフレ脱却のため」という政府・日銀の説明を鵜呑みにするから間違える。異次元緩和は財政破綻の回避策に過ぎなかった。
3.「異次元緩和を辞めれば財政破綻リスク時代に逆戻り」
異次元緩和を始めた頃は毎年30~40兆円の赤字を賄う新発債の発行が必要だった。その上に満期が来た国債を償還する資金を入札で借り入れる必要があった。毎年赤字で税収では満期国債を償還できなかったからだ。自転車操業で入札時未達のリスクが極大化していた。未達が起こればデフォルト(=財政破綻)。その回避策として、日銀に大量を国債を買わせてデフォルトを回避した。
先送り策(=異次元緩和)出始めた異次元緩和を辞めたら、デフォルトリスク時代に逆戻りだ。ましてや、先送りしている黒田日銀時代に国の財政はさらに悪化している。異次元緩和を辞めれば財政破綻危機の再来だ。更に危機先送り策のせいで日銀の巨大債務超過を招くリスクも加わった。マーケットが期待する、マスコミが騒いでいる出口など全くのである、円は暴落するのみ。
4,「異次元緩和が財政破綻リスク回避策だったことを証する一例」
私は「異次現緩和」には大反対だった。「伝統的金融政策に固着せよ」が私の主張だった。どうしても量的緩和)をしたいのならせめて日本国債の替わりに米国債を買ってお金をばらまけと主張した。出口が容易だからだが、その主張も無視された。米国債の購入では日本国のデフォルト回避にはならないからだ。
5「中央銀行の持続可能性」
一昨日、日銀の出口は「国債購入の減少」から「テーパリングを達成し(国債保有額をもはや増やさない)、その後にランオフ(償還に伴う保有証券の減少)でお金を回収するプロセスを踏む必要があると書いたが、日銀は第1歩を踏み出すどころか逆に「国債購入を増やしている」と書いたら、私のX に以下のリツイートをいただいた。
「その次のステージが「中央銀行の持続可能性」。
以下のように回答した。
「その通りです。次のステージに進もうとすると(=テーパリングをしようとすると)日銀が巨大債務超過で自死してしまうので進めません。他の中央銀行と比し、異次元に財政ファイナンス(=政府の歳出を新たに紙幣を刷ることによって賄う)をしてしまった咎です」
6,「変動利付債保有に変えれば日銀財務は大丈夫か?」
今朝、以下のリツイートを私のX にいただいた。
「ボンドコンバージョン(変動利付債)にすれば財務は傷まないと聞きましたが、異論ありますか?」
以下のように返信した。
「異論ありません。確かに日銀の財務は傷まず日銀は生き残りますが、財政がアウトです。とんでもない金利を支払わねばならなくなるからです」
7.「時価会計の意味」
今朝、以下のリツイートを私のX にいただいた。
「ちょっとよくわからないのですが、日銀は国債満期保有するつもりでしょうから、途中の金利上下など関係ないのではないですかね。 気にかかるのが、地方債や社債などの金利変化ですが、国債の変動に吊られるものですか? ここら辺がよくわからない」
以下のように返信した。
「貴兄がもしお金を誰かに貸していて返済時が来た時、先方が「借りたお金で債券買ったけど今売ると売却損が出て全額返せない。でも満期になれば元本全額戻ってくるのだからそれまで貴兄への借金返済待っててね」と言われて簡単に「うん」と言いますか?そんな相手を貴兄は信用し続けますか?という問題」
8.「参議院会長の浅田均先生と富沢元自衛隊陸上幕僚長との久しぶりの会食」
一昨日の月曜日は夕方1時から日本維新の会参議院会長の浅田均先生と富沢元自衛隊陸上幕僚長との久しぶりの会食@横浜。中国の問題、北朝鮮問題、ウクライナ問題等について実務家/専門家のご意見を拝聴出来るし有意義で楽しい会合だ。富沢大将とは東洋学園大学の理事会/評議委員会で知り合った。我が親戚(藤巻家からやはり親戚の横澤家に養子に入った)の横澤彰夫元沖縄総司令(空将)の防衛大学時代の1年先輩だったこともあり親しくさせていただいている。同い年の浅田先生は、維新の頭脳と言われている方で、その冷静な分析力と理解力にはいつも感心させられる。政治家独特のギラギラしたいやらしさが全くないのが魅力。
(写真は左から浅田先生、私、富沢大将)
9.「坂東弥十郎さん、新悟君親子のパーティー」
浅田均先生と富沢元隊陸上幕僚長との会食がぶつかってしまったので、欠席したが、月曜日夜は、私が後援会長を務める坂東彌十郎さん、新悟君親子のパーティー(後援会兼新悟君誕生会)@椿山荘。家内が会長代行役で挨拶をさせていただいた。家内は我が家の外務大臣でスピーチも私より数段上手いから、かえって私の欠席でよかったのかも(笑)
彌十郎さんは、昨年のNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」の北条時政役でブレイクし後援会長としても、うれしい限り。数日前に、新春の経済講演会用パンフレットに載せる私の肩書どうしますか?」と聞かれた際、おもわず「坂東彌十郎、新悟後援会長でお願いします」と答えそうになった。 一番とおりが良さそうだし(笑)