「植田審議委員(当時)いわく『しかし我々としてもその出口となるストラテジーがない』」「今日の今日迄X DAYが起きない理由」「円高方向に期待できるのは米国の金利引き下げのみか?他

2023年12月22日

1.「植田審議委員(当時)いわく『しかし我々としてもその出口となるストラテジーがない』」

19日の金融政策決定会合で日銀は政策変更をしなかったが真実は「日銀債務超過」とのとんでもない事態が怖くて出来ないだけである。日銀財務は日に日に悪くなっており今後の日銀の政策変更の可能性はゼロ。マイナス金利政策だけは豆鉄砲で日銀の財務にも市場の貸出金利預金金利等に全く影響がないから出来るが、それをやってしまうと、マイナス金利政策は豆鉄砲だと世界が知ってしまう、それ以外何も武器がないことも知ってしまい円暴落の引き金となるから出来ない。

日銀政策員会・金融決定会合で植審議委員(当時)は「しかし我々としてもその出口となるストラテジーがない」と述べられた。2001年3月19日の政策決定会合の時の話。小規模に量的緩和を開始するときにこう思っていたのだから2014年に黒田日銀総裁(当時)が「超大規模の量的緩和」を始めた以上、もはや出口がないことを植田総裁は120%承知のはず。あとはどこまで日銀と円を延命させうるか、だけの話。

 

2.「『2兆円買収に踏み切る日本製鉄』サプライズの背後に剛腕・橋本社長」

12月19日Bloomberg記事。行動や実践を通して知識や精神を磨くと言う橋本社長の哲学は私と同じ。マーケットの知識や自身の相場感への自信は血反吐を3度吐いて身に着く。さすがだと思ったのは、交渉に当たる際、相手を罵倒する言葉をメモって交渉の場に臨んだということ。私にはその経験は無い。私はロンドンの病院での健太出産時には産科の専門英語をメモって出産に立ち会ったことはあるが(笑)。なお家内のほうは産科英語を全て暗記していたのには頭が下がる。

もっとも米国人同僚から1日30回ほど FU++Y O Uと言われ続けた事はある。金利スワップのビジネスをめぐって、彼のグループと私のグループで仕事の取り合いの喧嘩をしていた時だ。この喧嘩がNYにつたわり会長から「私的喧嘩と思っていたが仕事上の喧嘩だと理解した。今日仕事が終わってからビールを飲みながらよく話し合うようにとの指示が出て解決した。この時私は相手を罵倒する英語のメモを作らなかった。英語での喧嘩はどうしてもテンポで負ける。所々にテメェ、このやろうなど、日本語を挿入することによって対等の喧嘩ができた。なおこの時の喧嘩相手のニックが本店に戻り社長候補になった時「これでフジマキもクビだな」とニューヨークで囁かれたと、もれ聞こえてきたがとんでもない。ニックと私は喧嘩以降、親友になっていた。

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-12-19/S5VZZET1UM0W00

 

.「森永卓郎×土居丈朗;『財政均衡主義』はカルトか」

東洋経済の記事。財政学の第1人者の一人との評価のある土居教授に対し、ブゥドウ経済学で対抗する森永教授。同じ大学教授同士の議論かと思えるほど知性のギャップが大きすぎる。森永氏はネット界やTV ではではモテモテのようだが、財務省、日銀、財政学者、金融学者はもちろんのこと、実務界でもメガバンクの役員レベルで彼の言説を信じている人は誰一人いないと理解している、というより学者の先生からは馬鹿にされているし、ブゥドウ経済学を広める害毒だと思われていると思っている。同僚教授は恥ずかしくないのだろうか?

https://toyokeizai.net/articles/-/721495

 

4.岸田首相「社会に賃上げ実感を」 エコノミスト懇親会

いつも書いていることだが、全体のパイ(GDP)が大きくならなければ平均の賃金など上がるわけがない。全体のパイ(GDP)が大きくならなのに誰かの賃金が上がらなければ誰かの収入が減らなければ辻褄が合わない。それに日本人は終身雇用制(職の安定)の対価として低賃金とブラックな職場を受け入れざるを得ない。給料上げなければやめるぞ、とのプレッシャーを経営者に与えられない。社会主義国家じゃあるまいし、政府のやることは「賃金上げろ」と民間の尻をひっぱたくことではなく、労働市場の流動化を図ることとGDPを大きくする規制緩和。民間が出来ることは民間に。

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA1868X0Y3A211C2000000/

 

5「FOMCのコミュニケーション『かなり』問題」

12月20日bloomberg 記事。エラリアン氏の見解は私のとほぼ同じ。米国長期金利の低下と株価が市場最高値を更新続けるということは資産インフレによる資産効果が強烈に戻ってくることを意味する。1970年代後半の再来。長期金利は暴騰する。

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-12-19/S5X952DWLU6800?srnd=cojp-v2-markets

 

6.「今日の今日迄X DAYが起きない理由」

12月20日に以下のリツイートが私のXに来た。「危機の先延ばしがいつまでも続く訳が無いのは分かりますが、何故今日の今日迄X DAYが起きないのはどう分析されていますか?例えば明日来るか100年先か分からないとか、10年以内に来ない場合は藤巻さんの人智を超えてるとか。普通に考えて何年以内には来なければおかしいのでしょうか?」

以下のように返信した。

「日銀がまだ純資産(=債務超過ではない)だからピリオッド」

 

7.「ドルと円はドングリのせいくらべか?」

12月20日に以下のリツイートを私のXにいただいた。

「日銀はたまたま政策変更をしなかったわけじゃない。債務超過が迫っていて、したくでも出来ない。つまり金融緩和は今後終わることはない。よって円の暴落も止まらない。ドルもどんぐりのせいくらべ。法定通貨が下がり、ビットコインは上がり続ける」

以下のように返信した。

「そうですね。ドルも強くはないですが、相対的には円より格段にマシ」

 

8.「円高方向に期待できるのは米国の金利引き下げのみか?」

12月20日に以下のリツイートを私のXにいただいた。

藤巻さんは、今後日銀はマイナス金利解除、さらには金利の引き上げを実施しないとのお考えでしょうか?

そうなると円高方向に期待できるのは米国の金利引き下げのみ、、、?

以下のように返信した。

「マイナス金利政策解除はやるかもしれません。市場にも日銀財務にも何の影響がないからです。既に市場のON無担保コールレートはほぼゼロ%なので。しかしやればスカの政策しか残っていないことを世界に知らしめてしまいます。あとの政策は実施しないではなく実施できない。

なおこれからは日米金利差などというみみっちいことでは為替の方向は決まらない。ばらまき続けざるを得ない円と中央銀行が回収に入っている他通貨との希少価値の差で決まります。そしてその後は中央銀郁の財務の健全性の差で決まっていくでしょう。円は紙くず」

 

9.「日本が債務超過にならず、正常に発展していく方策はあるか?」

12月20日に以下のリツイートを私のXにいただいた。

「日本が債務超過にならず、正常に発展していく何か方策はないものなのでしょうか?」

以下のように返信した。

「日本ではなく、日銀が、ですが、もう無理でしょう。財政ファイナンス(=異次元の量的緩和=統合政府論の実践)を行えば、必ずやハイパーインフレになるとの歴史の教えを無視してきたからです。異次元緩和は「ジリ貧を脱しようとしてドカ貧が来るからダメ」と私は10年間言い続けてきたのです」

 

10.「ビットコインをどう思うか?」

12月20日に以下のリツイートを私のXにいただいた。

「藤巻さんもビットコイン推しだったのか?」

以下のように返信した。

「ボラティリティ―が大きいので自分の全財産を投入するようなことは避けるべきだと思いますが、ビットコインは避難通貨の一つとして本では長年お勧めしてきました。10年弱位前からbuy & holdです」。

 

11.「ドルを持っているか?」

12月21日に以下のリツイートが私のXにきた。

「紙くずなら他の通貨に全て変えればいいだけですけど、そんなことしてませんよね?説得力ゼロですね」

以下のように返信した。

「してますね。経済、金融情勢が分かっている多くの日銀や財務省OBは全部の金融資産とは言いませんが、かなりをドル資産で持っていると私は認識していますが。黒田前日銀総裁は知りませんが。

T 氏、M氏、M氏などを妄信していらっしゃる方がたはドルなど持ってはいないとは思いますが、財務省、日銀、財政学者、金融学者はもちろんのこと、実務界でもメガバンクの役職レベルの人で彼らの言説を信じている人は誰もいないと思いますから、皆さん、それなりにドルをお持ちだと私は思っています」。

 

12.「Xデイは何時来るか?」

12月2Ⅰ日に以下のリツイートを私のXにいただいた。

「Xデイは何年先ぐらいとお考えですか?」

以下のように返信した。

「かなり身近」

 

13.「インフレ再燃を予想」

「米インフレ、最後の1マイルに暗雲 『最も手ごわい3%台』」

12月21日日経新聞記事。豊島氏の考え方に同意。株価の市場最高値更新と長期金利の急落はさせる。お金じゃぶじゃぶ時のインフレ抑制は極めて難しい。日本はお金を回収するどころか未来永劫ばらまかざるをえない。円紙屑化。

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOFL2134O0R21C23A2000000/

 

14.「日本株を保持していていいか?」

昨晩以下のリツイートを私のXにいただいた。

「日本株は保持しててもよろしいのでしょうか?アルゼンチンの株価指数、通貨下落によりかなり上がっていると思われます」

以下のように返信した。

「まだ上昇する可能性は充分あると思います。ただ日本にXデイが近づいている以上、大暴落の可能性も否定できません。うまく利食いができる自信があれば保持して、更なるキャプテンゲイン狙いもいいと思いますが、リスクを取ることが生涯の仕事であった私は怖くて完全に手を引いています。バブル崩壊の時、私の周りのチーフトレーダーたちはマーケットからほとんど全ていなくなりました。すんでのところで逃げきり会社の金と自分の資産を守りきった私はこの経験にとらわれすぎているのは事実だと思いますが、あまり希望的観測で動いている今のマーケットには疑問を感じざるを得ません」

 

15、「財政破綻、日銀破綻と言い続けていればいつかは当たるのか?」

昨晩、以下のリツイートが私のXにきた。

「絶対に大地震が来ると何年も言い続ければいつか当たるのは当たり前」

以下のように返信した。

「中央銀行や財政の破綻に関しては、中央銀行や政府がまともな財政政策、金融政策を行っていれば、何年も破綻すると言い続けても当たらない」

 

16.「円がゴミならCDSつけてフルパワーで日本国債を買えばいい、か?」

昨晩、以下のリツイートが私のXにきた。

「円がゴミならCDSつけてフルパワーで日本国債を買えばいい。大儲けです」

以下のように返信した。

「CDSをつけて、日本国債をフルパワーで買えばいい?そんなことをすれば2重の損害で自己破産は必至。何度も言いますがCDSは財政破綻確率でハイパーインフレが来た場合は、お金は入ってこない。ハイパーインフレで国債は紙屑化」

 

17、「やや長い目で見れば、日銀は通貨発行益があるから財務は大丈夫か?」

昨晩、以下のリツイートが私のXにきた。

「日銀は債務超過になっても政策運営能力に支障を生じないって言い切ってるね。『やや長い目で見れば、通常、収益が確保できる仕組みとなっているほか、自身で支払決済手段を提供することができる』」

以下のように返信した。

「やや長い目で見れば、とありますが、日銀の債務超過はやや長い、ではなく、相当な長期にわたり、しかも年ごとに巨額になっていく可能性が極めて高いのが大問題」

 

17、「平時から大規模量的緩和をしていた中央銀行は他に無い」

昨晩以下のリツイートを私のXにいただいた。

「教えて欲しいのですが、コロナショック以後、世界中で大量の量的緩和をして債務の増加特にアメリカは世界最大になってます。来年以後、バブル崩壊するとしたらリーマンショック以上の危機になるとも考えられますが、そうなったとしてもドルの信任、ドルの覇権等は安泰なのでしょうか?円よりはマシかな」

以下のように返信した。

「F R Bを始め他国の量的緩和は、危機対応型の量的緩和。日本は平時からの強烈な異次元緩和。その結果、対GDPで日銀は他国中央銀行に比べ段違いのメタボ。経済規模に比べてお金を格段にばらまいているということ。どちらの通貨に希少価値があるかによって今後の為替は決まる」

 

18.「海外に物理的にお金を流さなくても大丈夫か?」

昨晩以下のリツイートを私のXにいただいた。

「国家予算の3割以上を国債で賄う日本はまだ大丈夫、な訳がない。円暴落よりも、いつ預金封鎖するか?です。円暴落への備えは色々できますが、預金封鎖には資産を海外へ逃がすしかない。財務省や政府のエラい方々の頭の中をなんとかのぞけないだろうか…:

以下のように返信した。

「ハイパーインフレになった後、その対策として預金封鎖は充分可能性があります。しかし日銀を廃し、新しい中央銀行を設立するとの選択肢もあります。後者の場合、海外にお金を流さなくても大丈夫です。(もちろん円で持っている場合はアウト。国内金融機関にドル資産を持っていれば、という意味です)」

 

19.「日銀は償却原価法だから評価損を心配する必要がないか?」

本日、以下のリツイートが私のXにきた。

「藤巻さんの持論は変わりませんねぇ。国債の評価は償却原価法。評価損を期間損益に計上しないので債務超過の問題は生じない。時価会計で見ても、国債は額面で償還するので評価損は一過性。債務超過はETFの評価益と合わせて考えるべき問題」

以下のように返信した。

「なにを言っているのやら?なん百回言っていますが日銀が償却原価法を採用していようが信用を評価するサイド(格付け機関、米銀審査部)は自身の評価法(時価会計)で相手を評価。貴兄が銀行から借金をする際、銀行は貴兄が採用する評価方法ではなく、銀行自身の評価方法で融資決定をするのと同じ。

20.「預金封鎖・没収は不要か?」

本日、以下のリツイートを私のXにいただいた。

「ハイパーインフレにしてしまえば、円預金と公的債務が相殺されることになり、預金封鎖・没収と同じ効果があります。よって財産権の侵害とか違憲とか言われる危険性のある預金封鎖・没収をする必要性は乏しく、このまま流れに沿って円を刷りまくってハイパーインフレを誘発するだけのように思えます」

以下のように返信した。

「そのとおりです。しかしながらハイパーインフレによって国民の財産を実質没収し、究極の財政再建をなし終えた(=超大増税と同じ)後は、ハイパーインフレの鎮静策が必要になります。預金封鎖・新券発行又は新中央銀行の設立はその手段です」。

 

21.「日にち当てゲームをしている暇など無い」

本日、以下のリツイートが私のXにきた。

「1ドル=400円との予言の日まであと5日…っ!」

以下のように返信した。

「(コピペ回答)極貧生活を送りたくないのなら対策を取る事は必須です。火がどんどん間近に迫ってきているのですから。年内に貰い火をしようがその後に貰い火をしようが、です。日にち当てゲームをしている暇など無いと思いますが、したいのなら仲間うちでどうぞ」

 

22、「餓死者を増やしていいのか?」

本日、以下のリツイートが私のXにきた。

「そんなこと(=預金封鎖)をしたら餓死者が大量に出るだろ。何言ってんの?この人たち…」

以下のように返信した。

「何言っているのは貴兄の方。餓死者が大量に出るのはハイパーインフレ時。預金封鎖/新券発行又は新中央銀行設立(円の紙くず化)はそのハイパーインフレを抑える手段。それをやらなければ餓死者はますます増える」。

 

23.「インフレ抑制のために国債売りオペをした途端、日銀に莫大な損失が発生」

本日、以下のリツイートを私のXにいただいた。

「ゴーイングコンサーンかつ満期保有前提の償却原価法と清算価値としての時価評価の議論は整然と分けないと藤巻先生のお考えに対する的外れな質問が続くのでしょうね」

以下のように返信した。

「ちなみに黒田日銀総裁は償却原価法を採用し続ける理由として『今まで国債を市中売却したことがないから』と国会での私の質問に答弁された。インフレを鎮静化するために資金回収が必要になり売りオペをしたとたん日銀は時価会計を取らざるを得ない。評価損が会計上の莫大な損となってしまう」

 

24.「利上げでハイパーインフレを抑えられるか?」

本日、以下のリツイートを私のXにいただいた。

「ハイパーインフレ鎮静策は、ドカンと金利を上げるという手もありかと」

以下のように返信した。

「ハイパーインフレは中央銀行の信用の失墜に寄り、その発行巣tる通貨の信用がなくなるがゆえに起こるがゆえに、利上げしたとしても収まりません。日銀の債務超過がさらに醜くくなるだけです」