「資本規制を怖がる年」「マンハッタンの住宅価格、約1年ぶりに上昇」「米ハト派転換に賭けた債券トレーダーに再考の兆し、ポジション変化」他

2024年01月04日

1.「マンハッタンの住宅価格、約1年ぶりに上昇」

昨晩のBloomberg記事。株価と不動産価格が上昇しているのならば狂乱経済をもたらした1985年から90年の日本の資産バブル期と同じ。強烈なインフレ要因がまだ存在する。とんでもなくばらまかれたお金(ただし日銀に比べれば、かわいいもの)を回収しないことには、インフレは収まらない。

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-01-03/S6OLRNDWLU6800

 

2.「米ハト派転換に賭けた債券トレーダーに再考の兆し、ポジション変化」

昨晩のBloomberg記事。そりゃそうだろう。12月に米長期金利が1%下がった途端に米株価も不動産価格も史上最高値を更新した。金余りによる資産価格上昇が強乱経済を招くのは日本の85年から90年のバブルで証明済み。当時の日本は円が毎年30円から40円上昇していたから、その強烈なデフレ効果で資産効果というインフレ要因を相殺していたが、現在のアメリカのドルは多少の上昇傾向はあるものの安定。デフレ要因が存在しない。かつ日本のバブル時よりも強烈にお金がばらまかれている。アメリカの景気やインフルが簡単に収まるはずがない事は日本のバブルで証明済み。日米金利差は再度開いていく。最も今後のドル円の方向を決めるのは、日米金利差ではなく回収されていくドルとばらまかれ続ける円の希少価値の差。さらにはF R Bと日銀の財務内容の差(インフレを抑える能力を依然持つFR Bとインフレ対応能力を失い既に中央銀行としての機能を失った日銀)。円は、ほんのささやかなきっかけで一晩にして紙屑化するリスクを認識すべし。

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-01-03/S6P1QPDWRGG000?srnd=cojp-v2-markets

 

3.「資本規制を怖がる年」

12月27日に、日銀OB で現在日本有数のシンクタンクの日本総研の主任研究員・河村小百合氏のインタビュー番組をご紹介したが、河村氏は「円安防止のために金利を上げられない以上資本規制が導入されるのではないか?それは日本経済が北朝鮮のような状態になることを意味する」とおっしゃっている。刺激が強すぎると思ったのか最近は口にされていないが、元日銀の頭脳と言われた早川氏も資本規制の可能性についての文章を以前、発表されていた。資本規制が敷かれるとしたら、その時点でドルを持っていない人の生活はその後相当に厳しくなる。ましてやドル売り円買いの為替取引をしていた日本人は、買い戻すドルが手に入らず。即破産の恐怖である。資本規制は突如に1晩でしかれるだろう。その辺を充分に頭に入れておかないといけない年になると思っている。

https://youtu.be/M90thNLfAfI

 

4.「なぜ日銀は出口が無いのが分かっていて、延々と国債を買い続けたか?」

昨日、以下のリツイートを私のX にいただいた。

「日銀当座預金残高を減らすには保有国債を民間に売却するしか無いと分かってるのに何故延々と0.24%まで国債を買い続けたのか?単に長期金利の引き下げを維持したかっただけなのか…?マネーサプライは200兆円位で十分だった。日本の金融機関の国内貸出残高は600兆円にしか過ぎない。何故…?」

以下のように回答した。

「日銀が買い続けないと財政破綻をしてしまうからです。2013年異次元緩和(=財政ファイナンス=政府の歳出を中央銀行が紙幣を刷ることによって賄う)を始めたのは「デフレ脱却のため」という美名(?)のもと、実際は財政破綻を回避、先送りするためでした。政府は毎年30~40兆円の赤字国債に加えて100兆円以上来る満期国債の償還のための資金を入札で集める必要がありました。民間が受け取った満期国債の資金分を再投資した上に誰かがその年の赤字国債30~40兆円を買い増してくれなければ満期国債の元本を償還できずデフォルトでした。まさに自転車操業だったのです。それ以降既に10年以上経過しました。今や、自転車走行もいいところ。日銀の国債購入によってのみ何とか自転車は走行可能です。日銀が買ってくれなくなったら、自転車はぱたんと倒れてしまいます。財政破綻です。そして危機先送り策のせいで日銀が国債購入をやめれば長期金利高騰で日銀自身も債務超過になり自死です。にっちもさっちもいかない(=出口がない)とんでもない状況です。私が円が紙くず化すると言っている理由です。それは何時突然起こってもおかしくないと思っています」。