(ここに述べる意見/分析は私が所属する政党の公式見解でも分析でもありません。私の個人的見解・分析であることをご理解ください)
1.「株価が史上最高値圏にある米国は金融緩和など出来ない」
昨晩、以下のリツイートを私のX にいただいた。.
「株価が史上最高値で狂乱経済との事ですが、中身はAI関連の株が上がってるだけで、他のセクターは最高値更新してません。相当ギャップがあります。資産効果の恩恵を受けるのはごく一部の人で、これが原因で果たして本当にインフレ再燃するのか疑問です。個人的にFRBはもう利上げ終了だと思ってます」
以下のように回答した。
「私の書いた文章の意味を誤解していませんか?株価が史上最高値であることが狂乱経済と言っているのではありません。株で儲かっている人が多いという事実が狂乱経済を招くと言っているのです。史上最高値ではインデクスを買っている人はもちろん、個別株を勝っている人も多くが儲かっているという事実が重要なのです。この資産効果により、人々が消費を増やし、株価を更に引き上げたのが日本のバブルです。当時の日産の最高級車シーマが馬鹿売れし、シーマ現象という言葉がはやりました。東京中に建設資材を積んだトラックが走り回り、連日の接待で社交費は使い放題、接待の後でタクシーが捕まらず新入社員はタクシー確保要員に接待に駆り出され、ディスコは深夜まで大賑わい。ただCPIは0.5%と今より低かった(=年30円から40円の円高というデフレ効果が狂乱経済というインフレ要因を総裁したのです)。CPI のみを見て資産価格の高騰を見過ごして(資産価格の上昇は帰属家賃を除いてCPIの計算に入りません)日銀は引き締めが遅れたと澄田日銀総裁(当時)は反省談話を出しているのです。資産価格が高騰しているときに金融緩和など出来るわけがないのです。もしやればその後、とんでもない狂乱経済になってしまい、後片付けでその後の何十年間が失われる、というのが日本のバブルの教訓です。
2.「原油価格は当面注目が必要」
昨晩のBloomberg記事。先日触れたように世界のインフレをウォッチする際には当面、原油価格(WTI)の動きから目を離す事ができなくなる。インフレ率上昇との事実よりもインフレに対する武器としてマイナス金利解除という豆鉄砲しか保有していない日銀が大問題化、円の紙屑化の契機になるかも。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-01-28/S7ZAUXT0G1KW00?srnd=cojp-v2-markets
3.「Bloombergに『資産効果』の金融政策に与える影響の記事」
昨晩、以下のリツイートを私のX にいただいた。
「藤巻先生が日頃からおっしゃる「資産効果」がBloombergの記事に登場」
以下のように返信した。
「そうですね。1985年か90年に強烈な資産効果で狂乱経済を招き、引き締めが遅れたせいで、鎮静化のために時間とエネルギーを強烈に費やした経験(失われた30年)があるにもかかわらず、どうして日本の識者やマスコミが気がつかず、外国のマスコミや研究者が先にこれに触れるんでしょうね。日本人は本当に経験に学ばない。株価が史上最高値圏にあるときに、F R Bが金融緩和に転じたらどうしようもない狂乱経済とインフレを招く事を、米中央銀行は日本のバブルの研究で十分に理解しているだろう。日本のバブル期のように自国通貨が凄まじい通貨高になっていない現在の米国では、資産効果でインフレが加速してしまうだろう。金利下げより金利引き上げの方が可能性が高いと私は思う」
4,「池田信夫氏の統合政府論批判」
昨晩、池田信夫氏が高橋洋一氏の「統合政府論」(統合政府で考えると財政派大丈夫論)を以下のように完璧にこき下ろしていた:
「まだ言ってるのか。瞬殺されたのは高橋のほうだよ。会計を知ってる人なら、このアンバランスシートがナンセンスだということが一瞬でわかるだろう。親会社(政府)の借金を子会社(日銀)が肩代わりしても、連結(統合政府)の借金は同じ。高橋は日銀当座預金が借金だということを知らない。これはきょう銀行が「引き出す」といったらあす払わないといけない超短期債務なのだ」
以下のようにリツイートしておいた。
「私も大学、ビジネススク―ル時代、会計が専門だから、すぐわかる。常日頃、インチキだと言っている。政府と日銀を統合するなら、日銀負債の日銀当座預金はどこに行っちゃったの?連結バランスシート論を実践したのが財政ファイナンス(米国ではマネタイゼーションと言うが統合政府で国債を中央銀行当座預金(マネー)に変更することだからマネーかという)。歴史的にハイパーインフレを引き起こしてきたのは金融論、財政論では常識」