(ここに述べる意見/分析は私が所属する政党の公式見解でも分析でもありません。私の個人的見解・分析であることをご理解ください)
1.「衝撃的な米国雇用統計」
1985年から90年にかけての日本のバブル期の狂乱経済と同様、現在の米国経済好調の原因は資産効果(不動産、株価のような資産が値上がりし、それらを保有している人たちが金持ちになったつもりになって消費を増やす)だと思っているが、その結果が昨晩の強かった労働指標だと思っている。 こういう状態では、インフレなど減速しない。資産効果を減じインフレを鎮静化するためには、ばらまかれたお金の強烈な回収(Q T)が不可欠。 株価が上昇し、失業率も低い現状では、米国民の最大の不満、不安はインフレが再加速してしまうこと。選挙に勝つためには、インフレを制圧することが最重要。その武器は利上げ、Q Tとともに強い自国通貨(ドル)高政策。 為替介入には、米国の承認が必要なのはマーケットの共通認識であるが、この事態では米国は日本の為替介入を承認しないだろう。そもそも一昨年の為替介入は、今回だけだよということで許されたのだと私は思っている。 152円をこえれば、ドル高円安の加速は急であると思ってもいる。それは日銀がますます追い込まれることを意味する。財政規律を無視し、財政ファイナンスで危機を先送りしてきたツケ。
2.「パウエル氏は金利を引き下げ、バイデン大統領の再選を助けようとしている(トランプ氏発言)」
雇用統計はめっちゃ強かったが、トランプ氏の発言もめちゃすごい。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-02-02/S8880HT0AFB400
3。「中央銀行は『通貨の信用を守るために価格の変動幅が大きく債務超過になるリスクを生じさせる株や長期国債を購入してはいけない』
昨日、生保OB の方から以下のリツイートが私のX に来た。
「藤巻氏が面白いなと思うのは彼は長期債は償還まで保有せず売却を前提としていること。当方は某生命保険会社OBだが長期債券を償還まで保有するのは当たり前だった。投資銀行育ちとは感覚が違う。資金調達に不自由がなければ長期債を償還まで持つことに何の問題もない。日銀は資金調達に不自由しないのだ」
以下のように回答した。
「全くの理解不足。日銀が長期債を売らなくてはならなくなるのは、資金繰り問題からではない。長期債を売らないと市中にばらまいたお金の回収ができないからだ。ばらまいたお金を回収しなければインフレをコントロールできない。生保と日銀では国債を買う理由が全く異なる、というか、それ以上に中央銀行は『通貨の信用を守るために価格の変動幅が大きく債務超過になるリスクを生じさせる株や長期国債を購入してはいけない』のは伝統的金融論の常識」