(ここに述べる意見/分析は私が所属する政党の公式見解でも分析でもありません。私の個人的見解・分析であることをご理解ください)
昨日朝刊1面トップ記事によると、日銀は「現在の短期の政策金利はマイナス0.1%。これを0.1ポイント以上、引き上げて短期金利を0〜0.1%に誘導する案が有力だ」とある。これは、マイナス金利政策解除に加えてゼロ金利政策をも解除するということ。
マイナス金利解除だけでは空砲であることが認識されてきたがゆえに、マイナス金利政策解除だけでは、期待に反して為替が円安方向に大きく振れる可能性を憂慮して一歩突っ込んだ政策変更をしようということのようだ。
しかし、これは日銀(並びに日本にとって)極めて危険な賭けでドル円の逆噴射(円暴落)の契機となる可能性も大きい。
昨日ものべたように「マイナス金利政策の解除」は空鉄砲に過ぎず、誘導ターゲットの市場金利は動かない、ゆえに日銀の財務も悪化しない
しかしプラス金利に足を踏み込むと、日銀当座預金への支払い金利が急増する。日銀はピンチとなる。なにせ0.1%上げるたびに5000億円の支払い金利増だ。日銀の年間受け取り金利収入と比べて欲しい。世界に類を見ないほどの規模の中央銀行の債務超過が発生してしまう。
世界は損の垂れ流しを現実問題となってきたと捉え、日銀の信用失墜(=円の紙くず化)とつながっていく可能性が大である。その自体を熟知しているだろう植田総裁がそのリスクを取れるのだろうか?
プラス金利への転換は日銀自死のカウントダウン開始と同じだ。いずれにしても早いか遅いかだけで日銀はすでに詰んでいる。インパール作成を貫徹、全滅してから再起を期すのか、損害は甚大でも全滅だけは避けて途中で進軍を辞めるかだけの違いである。
日本には既に中央銀行は存在しない。過激に聞こえるのは100も承知だが、量的緩和からの出口は「財政が健全(=通貨の信認が得られる)な新中央銀行の設立しかない。保険としてドルを買っておいた方が長年、私がいう理由である。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB12CUV0S4A310C2000000/