「金曜の財政金融委員会で昨日の政策変更もどきについて植田総裁に質問」. 「日銀がさらなる利上げが出来ない理由」「日銀は利上げをするべきか?」他

2024年03月20日

(ここに述べる意見/分析は私が所属する政党の公式見解でも分析でもありません。私の個人的見解・分析であることをご理解ください)

1.「金曜の財政金融委員会で昨日の政策変更もどきについて植田総裁に質問」

昨日の政策変更もどきについて、今週金曜日の参議院財政金融委員会で「政策変更もどき」について聞く。時間、質問内容は明日夕方or 夜、SNS でお報せします。

 

2. 「徳俵に押し込まれていた日銀が効果のない上手投げ無駄打ちし、片足が浮いてしまった状態」

日銀は昨日、「幻想」「世の中の誤解」という豆鉄砲さえ無駄打ちし、ついにインフレに対する武器をほぼ失ってしまった。

政策金利のマイナス金利解除では誘導目標の市場金利にはほぼ全く影響がないから、世の金融事情は、なーんにも変わらない。日銀財務にも影響がない。だから昨日の政策変更が出来た。それを見越して円安が進んでいる。

しかし、ゼロ金利からプラス金利への政策変更は話が違う。政策金利を0.1%上げるたびに、日銀は年間5000億円の支払い金利が増えるからだ。日銀の自死につながる。だからこれ以上の利上げは出来ない。

 

3. 「日銀がさらなる利上げが出来ない理由」

日銀の昨年度の経常利益は2.1兆兆円であるが、中央銀行が保有してはいけないと伝統的金融論で教える「株」からの利益等が大きく、 中央銀行の真の利益の源泉とされる通貨発行益(受取利息―支払利息)は1.1兆円に過ぎない。それなのに今後は政策金利を0.1%上げるたびに、年間5000億円の支払い金利増が生じる。債務超過が怖い日銀がこれ以上の利上げが出来ない理由である。

ちなみに米国FRBの受け取り利息は年間26兆円だ。日銀とは大人と子供の差。だから5.25%から5.5%への利上げが出来た。それでも損の垂れ流しが始まった。しかし少し金利を下げれば年間26兆円の収益で損はすぐ補填できる。債務超過は一時的であろう。1.1兆円の収入しかない日銀にはそれは不可能。

 

4.「日銀は利上げをするべきか?」

昨晩のAMEBAでも聞かれ答えたが、日銀は利上げをするべきだ。しかし「するべき」だ、と「出来る」とは全く違う。利上げをすれば日銀自身が終わってしまうから出来ない。私が、インフレに対処できない日銀は既に中央銀行ではない、政府の紙幣印刷所に過ぎない、日本にはもはや中央銀行が存在しない、といっている理由。

インフレ率が2%であるならば政策金利は最低2%が正当である。名目金利=実質金利+インフレ率が学問の教え。ましてや株や株が高騰している。このまま高騰が続ぇば、資産効果で狂乱経済が来てしまう。それはものすごいインフレを引き起こす(バブル時は年で30円から40円の円高が進行しインフレ圧力を相殺していたので資産インフレが悪性インフレに結び付かなった)

だから大胆な利上げが必要だ。でも出来ない。日銀が自死してしまうからだ。それが日本の大問題。

 

5.「なにが 『金融正常化への一歩』だ?」

日経新聞1面トップの大見出しは、「金融正常化への一歩」なに、このタイトル?

「異次元緩和」とは世の中にお金をばらまくこと」でありYCCとかマイナス金利政策とはその途中に出てきた戦術的な問題にすぎない。その枝葉の政策でも、昨日の決定は実質的にはなんの変更にもなっていないスカ。「異次元緩和」が正常化を開始するとは、ばらまいたお金を回収すること。最低限ランオフ(満期国債を借り換えないで償還させる)を初めてからだ。昨日の決定後にも日銀は、「量的緩和を更に強化させる」と言っている(=ランオフをせずに必要とあれば国債買いオペをする)

 

6.「原油価格の上昇にも目を向けていないとまずい」

日米金融政策決定会合に目が向いているが、原油価格の上昇にも目を向けていないとまずい。昨日のNY市場では多少下落したとはいえ終値で1バレル82.52ドル。