「為替介入は出来るか?」「日銀は利上げをすべし、しかし出来ない」.「1979年のボルカーショックの再来があるかも」他

2024年04月11日

(ここに述べる意見/分析は私が所属する政党の公式見解でも分析でもありません。私の個人的見解・分析であることをご理解ください)

 

1.「何が今後のドル円を決めるか?」

今朝、1ドル=153.23 円までドルが上昇した。あいかわらず理繰りがはいるのはドル売り介入を警戒しているからだろう。為替介入以外、ドル安円高になる理由は見当たらない。日銀の事情を勉強していない、又はわかっていない海外アナリスト(日本のアナリスト)も日米金利差がいずれ縮小するからとの理由で円高への転向を主張しているようだが、今や為替のトレンドはそんな、みみっちい話では決まらない。お金を回収している欧米中央銀行と、バラマキ続けなければならない日銀(理由は先日の財政金融委員会での私と植田総裁との質疑You tuneをご参照)の差で決まる。

お金のバラマキの差が幹であり、日微金利差は枝葉の問題。

 

2,「日銀は利上げをすべし、しかし出来ない」

日銀の事情を勉強していない、又はわかっていない海外アナリスト(日本のアナリスト)も日銀が利上げをして日米金利差が縮小すると考えているようだ。

今の経済情勢なら、当然のことながら日銀の利上げは必要だ。消費者物価指数が継続的に2%を超え、資産インフレが懸念され始め、原油の高騰が心配され、円安でインフレ加速が心配されるときに、政策金利(?)が0.1%とCPI よりはるかに低い超超緩和的な金利レベルを維持してよいはずがない。そんなことは植田総裁もわかっている。しかし出来ない。日銀財務が壊滅的になり、日銀と円の信用が失墜い、円が紙くずになってしまうからだ。その事情は先日の財政金融委員会での私と植田総裁との質疑You tuneをご参照.

 

3.「日銀は利上げをすべし、しかし出来ない」

(一時的であるにしても)円高が多少進む理由は為替介入くらいしかない。しかし為替介入は、資本主義国家としてはルール違反だ。資本主義国家の一因で居続けたいと思うなら、年間の介入総額は2022年並みの10兆円くらいが限界で、それ以上の介入は出来ないと思っている。次の決算委員会では私の想定が正しいかどうかを鈴木財務大臣にお聞きするつもりだ。もし私の想定(=10兆円したらお仕舞。それ以上は出来ない)が正しいのなら為替介入の威力など全く無い(玉切れが真近と分かっている砲撃などちっとも怖くない)

なお、ようやく準備が整ってきたので、来週からは、リポートは私を通じて党員になってくださった方向けを主体としますが、決算委員会での私の質問に知事は決まったら、SNS でもご報告させていただきます)

 

.「1979年のボルカーショックの再来があるかも」

米国では資産価格の高騰が続いているので、インフレなど簡単に収まるわけがないという私の従来の主張は今のところ当たっていると自負している。

ところで昨日発表の「3月FRB政策決定会合の議事録」を読むと、技術的理由ではあるが、ランオフ(=FRB の保有債券満期の際に継続しないで償還する=FRB バランスシートが縮小する)のスピードを半分に減速するとのこと。

資産高騰による資産効果に加えて、(日本と比べればはるかにかわいいものの)じゃぶじゃぶになっているお金の回収を遅らせるのなら、ますます米国インフレなど収まるはずはない。

1979年、お金をバラマキ過ぎてインフレを抑えられず、政策目標を金利水準から、ばらまいたお金の回収量に変更したボルカーのサタデイナイトスペシャル(=ボルカーショック)の再燃があるのかも、と思う。あの時は誘導目標ではなくなった金利は暴騰し、長期金利20%、FED FUNDレートは24%まで上昇した。現在、FEDは(日本と比べればはるかにかわいいものの)あの時よりもよほどにお金をばらまいている。

米金融界の論客ダイモンJPモルガン会長が、株主に宛てた4月8日付の年次書簡の中で金利が「8%あるいはそれ以上」にまで上がる可能性があると警告したは、そんなことも頭にあったのかも。

 

5.「FRB次の動き、利上げとなる可能性を真剣に考えるべき-サマーズ氏」

元米国財務省間でハーバード大学学長も務めた経済学者サマーズ氏は「『6月利下げは米金融当局が2021年夏に犯した過ちに匹敵するほど危険で重大な誤りと思われる』と発言。『現時点で利下げは必要ない』と続けた」そうだ。

私は従来通り、氏の意見に賛成。

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-04-10/SBQH9IDWLU6800?srnd=cojp-v2