「サマーズも心配する『ドル安になれば起きてしまうインフレ再燃』」

2024年05月04日

(ここに述べる意見/分析は私が所属する政党の公式見解でも分析でもありません。私の個人的見解・分析で

あることをご理解ください)

 昨日も書いた通り、2日で8.5兆円の介入を行ったので一昨年(2022年)の介入実績に近づいてきた。そこまで介入をしてしまったとなると、今後1年間に残された介入許容額は国際ルール上は3.5円程度に過ぎなくなってしまったと私は思っている。国際ルールに従わず西側諸国と決別するのなら話は別だが、今後1年間それ以上の介入は出来ない。

米国に比べ断然弱い経済(日米金利差はその一つの減少に過ぎない)に加え、日銀の財務が極めて脆弱なことを考えると(現在は、まだ何とか純資産だから何とか信用は失墜していないが、日々状態が一貫して悪化していることを考えると、とんでもない債務超過に陥る日もそう遠くはないと思っている)

なお、元米財務長官であり元ハーバード大学学長でもある経済学者のサマーズ氏は 昨晩のブルムバーグニュースで「『今のドルは極端に強い』とし、『実際のところ、ドルは単に強いだけではない。ドルは強さを増している』と発言。『それが米経済にディスインフレのバイアスを与えている』と説明した」「一方でこの影響が弱まる可能性もあるとし、米連邦公開市場委員会(FOMC)にとってはインフレ率を目標の2%に下げる上で課題が増えることになると注意を促した」とある。

彼はドル安になれば、インフレが加速すると心配しているのだ。インフレ再燃はバイデン政権にとっては大統領選で大敗する致命的理由となろう。そんなときに、日本だけ特別扱いで国際ルール(私この額が10兆円プラスだと思っている)違反を認めるとは到底思えない。すでに1年間の介入限度額を使い切りつつある日本で、介入によるドル安円高を期待するのはあまりに無理筋。

弱い米国雇用統計でも、統計発表直前のドル円レートに既に戻ってしまった事実からしても今後の円高圧力は微々たるものだと思う。ファンダメンタルズから考えれば当たり前だが。

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-05-03/SCX51AT0AFB400?