(ここに述べる意見/分析は日本維新の会の公式見解でも分析でもありません。私の個人的見解・分析であることをご理解ください)
1.「国債買いオペ減額を日銀が決めると長期金利はどこまで上がるか?」
国債買いオペ減額を日銀が決めても、長期金利はほとんど上昇しないとの見方が世の大半であるが、それは血反吐を吐きながらマーケットで戦ったことに無い人達の願望論にすぎない。
すでに保有している保有国債の評価損が急拡大しつつあるときに新規購入が出来るサラリーマントレーダーなどいやしない。円の長期金利は爆謄すると思う。
それを見て、慌てる日銀は、再度、「国債買いオペ増額」という醜態をさらすだろう。それは世界に日銀がインフレ対策を何も取れない、金融緩和からの出口がない、ことを世界中に強烈に印象付け、日銀のレームダック化の始まりとなる可能性が強い。円の紙くず化だ。
なお、私のことを為替のトレーダーだったと思っている方が多いようだが違う。Prop(銀行自身の自己ポジショントレーダー・リスクテーカーだった)
私がモルガン銀行(現JPモルガン・チェース銀行)で東京支店長に昇格した時(注:モルガン銀行は当時世界1と言われていた)ブリッヂニュース(通信社)は
「Morgan has made its star bond trader branch manager in Tokyo. (モルガンは、スター債券プレーヤーを東京支店長にした)と世界に発信した。
血へドを最低3度は吐きながらマーケットを生き抜いてきた男の分析であることだけは認識して欲しい。実際に債券をトレードしたこともないド素人のコメントではない。
2.「うがった見方」
財務省の人事が発表になった。他の財務省幹部の発令は7月5日なのに財務官の交代だけは7月31日付けである。
7月31日は7月金融政策決定会合の2姫、政策決定の発表日だ。
そこで、うがった見方を100%否定することも出来ないように思う。
7月31日の日銀政策決定会合では、市場の(特に外国人の)期待に反して、日銀は空鉄砲か豆鉄砲しか打てない。
威力ある大砲を打てば長期金利が急騰し日銀の債務超過や国債入札の未達問題も起こるだろうからだ。
そうなれば円急落だ。それが財務省も十分わかっているから為替介入に備え、経験者の神田財務官を残した。
以上がうがった見方。ただ今年、すでに10兆円近くのドル売り介入行った以上、インフレリスクのある米国がドルの押し下げ介入を許すとも思えない。万が一やったとしても介入も豆鉄砲並みになる可能性大。
3.「植田総裁の評価」
7月に日銀が大きく動けば、日本の債務超過をはじめ、日本は危機を迎える。円は(数日後には)大暴落だろう。動かなければ、これまた大幅円安が進行すると思う。
そして植田前総裁は「無能」の烙印を押されてしまうかもしれない。
「黒田さんは“無謀”だったが、植田総裁は“無能”」との評価になるのは植田総裁にとっては不本意だろう。植田総裁が総裁に就任した段階で日銀はすでに詰んでおり、いくら有能であっても何もできなかっただろう。
植田総裁の痛恨のミスは「日銀OBや,務省OBにとって垂涎の的のはずの総裁職を誰も受けなかった」のはなぜか?の分析が出来なかったこと。そしてマーケットの怖さを知らなかったのだろう。
植田総裁が引き受けなければ、政治家も世間も、日銀財務がいかに危険な状態かを認識して、少しでも早く問題解決に着手していたと残念に思う。(もっとも、その時点でも、時すでに遅し、で悲惨な状態にはなっていたと思うが、今よりはましだろう)
4.「植田日銀総裁が講師」
先週、JPモルガン時代の部下から聞いたのだが(私は全く覚えていなかったが)JP モルガンは東大教授時代の植田日銀総裁に新人教育での「経済学」の講師をお願いしていたとのこと。1980年代後半の話。週1回、6か月間ほど15人ほどの新人のために授業をしてくださった。
JPモルガンは新人教育にお金をかけていた。このような国内の教育の他にフロント人材全員を半年間のNYでの研修に出していた。そこで世界中の仲間よと交友を深める意味もあった。又、世界的に有名な経済学の教授を呼んでの講義が世界各地でミーティングに絡めてしばしば行われた(モルガン職員用)。