「日銀の国債買いオペ減額の目的は軽いものではない」「日銀が史上最大級の金融緩和政策を継続している理由」

2024年07月17日

(ここに述べる意見/分析は日本維新の会の公式見解でも分析でもありません。私の個人的見解・分析であることをご理解ください)

 

1.「日銀の国債買いオペ減額の目的は軽いものではない」

国債減額の目的はそんな軽いものではない。本日の日経新聞のマーケット欄の「国債市場、消えぬ日銀支配」曰く「長期国債の保有残高は600兆円に近い水準に膨張。その結果強まった市場支配を改め、長期金利がより自由なかたちで形成される状態を実現していくことが国債購入を減額する狙いとされる」――>国債減額の目的はそんな軽いものではない。空鉄砲か豆鉄砲しか打てないだろう7月31日の日銀政策決定会議の注目度を矮小化させたい日銀への援護射撃記事に思えてしまうが、世間に誤解を与えるような書きぶりはよろしくない。

「国債購入の減額の目的」は財政ファイナンス(=政府の歳出を中央銀行がお金を刷ることによって賄う)からの脱却だ。日銀は、国債を購入してお金をばらまいている(=国債購入の代わり金を日銀当座預金を増加させることで決済)。バラマいたお金を少しでも減額しようとするのが「国債購入減額の目的」である。満期償還額より減額を大きくしないとばらまいたお金の回収が出来ない。世の中、お金がじゃぶじゃぶという状態がいつまでも続いてしまう。インフレを抑え込むにはこのお金を回収しなければならない。その能力を日銀が有するか(=日銀が中央銀行の体(てい)を今だなしているか?)否かの日本に取って超重要な問題なのだ。

https://www.nikkei.com/article/DGKKZO82113160W4A710C2EN8000/

 

.「日銀が史上最大級の金融緩和政策を継続している理由」

どうも日経新聞はドル/円の動向が日米金利差によると思い込んでいるようで、本日も、『円相場、米利下げ回数が焦点 介入効果には限界も』という記事にスペースを大きく割いている。――>円安進行の理由が本当に日米金利差なら日銀は短期金利を上げ国債買いオペを大幅減額くし金融緩和をやめればいい。

このインフレ率、株や不動産価格の上昇を見れば少なくとも史上最大級の金融緩和政策(金利はほぼゼロ、その上、かってはやったことがないお金ジャブジャブ政策を強化中)を継続する状態ではない。中立より少し強めの金融緩和ならまだ分かるが、史上最大級の金融緩和政策をいまでも継続している理由は全くない。史上最大級の金融緩和政策を辞められないのは、辞めると大きな問題があるせいなのは、普通に考えればわかると思うのだが。

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB1633T0W4A710C2000000/