「朝日新聞編集委員 原真人さんの論考」「長期金利が0.1%上昇するごとに2.9兆円の国債評価損増。それで日銀は動けるのか?」他

2024年07月21日

(ここに述べる意見/分析は日本維新の会の公式見解でも分析でもありません。私の個人的見解・分析であることをご理解ください)

 

1.「朝日新聞編集委員 原真人さんの論考。是非ご一読を。」

「『デフレ完全脱却』目標 『円一弱』招いたトンチンカン」との朝日新聞編集委員 原真人さんの論考、是非ご一読を。

締めの文章は「『デフレ脱却』はもともと第二次安倍政権が長期政権を築くのに利用したマジックワードだった。その大義名分があれば景気が悪くなくても大規模な経済政策をいつでも打てたし、消費税を何度も延期できた。人気取り策を連発するにはかなり便利なキャッチフレーズだった。だが安易に使いすぎて日本経済を地盤沈下させ、通貨価値の失墜を招いた。今月末、日銀の金融政策決定会合が予定されている。今の日銀は本当に『私たちの日銀』なの。かそれが試される」―>その通り。この指摘の他の理由として、私は異次元緩和は、財政破綻の(日本人得意の)先送り策に過ぎなかった(=異次元緩和を開始しなければその1,2年後には政府はデフォルトを起こしていた)と思っている。国債の満期分元本、利息が払えなくなっていた。幸田真音さんのベストセラー「日本国債」の世界である・

https://www.asahi.com/articles/ASS7M12W4S7MULFA016M.html?iref=pc_ss_date_article

 

2.「長期金利が0.1%上昇するごとに2.9兆円の国債評価損増、短期金利0.1%上げるごとに年間5000億円お支払い増。それで日銀は動けるのか?」

19日発表の消費者物価指数は6月、生鮮食品を除くベースで前年同月比2.6%上昇。2カ月連続で伸び率を拡大し、27カ月連続で2%を上回った。 いよいよ日銀は追いつめられている。

ゼロ%に近い金利で、かつお金をじゃぶじゃぶにばらまき続ける「歴史的な超超超超金融緩和」を継続する経済状態とはあまりに程遠い。外国人が利上げを予想するのは当たり前だ。

しかし5月31日の日銀政策決定会合は極めて重要だ。

日銀自らとマスコミがあまりに緩和解除の期待を高めすぎてしまった。

しかし日銀は空鉄砲か豆鉄砲しか打てないだろう。それだと利上げや大幅買いオペを期待していた市場は強烈な円売りにはしるだろう。

一方、破れかぶれになった日銀が利上げや大幅買いオペを刷れば日本はドボン、だ。円も国債も株も大暴落である。なにせ金融緩和解除の日銀への負荷は異常に大きい。全てバラマキ財政と財政ファイナンスのせいだ。

0.1%長期金利が上昇するごとにすでに19兆円近くある国債評価損は2.9兆円ずつ膨らむ。短期金利を0.1%上げれば年間5000億円の支出増だ。年間1.7兆円程のNet金利収入しかないから すぐに損の垂れ流しが始まる。

 

3.「先週木曜発売の週刊文春内でのコメント」

先週木曜発売の週刊文春の「老後資金は3500万円必要だ」の記事中にコメントを載せていただいている(p117)、

「元モルガン銀行東京支店長で伝説のディーラーと呼ばれた参院議員の藤巻健史氏は、こう指摘する。『円の価値が急落し始めた今、年金も日本円で受け取り、資産も日本円だけで保有しているのは、非常にリスクが高い。(中略)保有するべきなのは、世界で最も信頼できる米国の通貨であるドル資産。(中略)』リスク回避のためには分散投資が大事だとされるが、藤巻氏によれば最もやってはいけないことがある。『金利が高いとか資源が豊富にあるという理由で新興国の通貨を買うことです。一番怖いのは流動性が枯渇した時で、売りたいときに売れないリスクがある。(略)分散投資を考えるならば、ドル建ての金融商品の中で分散させるべきでしょう』」

 

4.「『財務省』と『財務相談員』」

先日、三井信託千葉支店時代の大西先輩(慶応大学落語研究会卒)と話をしていたら「フジマキは黒田日銀元総裁と国会で議論してたんだって?向こうは東大出て財務省だぞ。フジマキは東大に入れなかったうえに卒業して「三井信託銀行千葉支店の財務相談員(外回りの金集め)だぞ。同じ“財務”でも”財務省”と”財務相談員“、偉い違いだぞ。格が違ったんじゃないの、大丈夫だった?」と言われた。

そういえば、かなり昔千葉支店の近くでOB ,OG会をやった際、大西先輩は「三井住友銀行千葉支店」を指指して「こちらがフジマキが入れたほう」。そして隣の駿台予備校を指さして「こちらがフジマキが入れなかったたほう」と皆に説明してくれた。

私は現役の時(東大入試が東大紛争で中止になった)に、一橋大学を一次試験で落ち。駿台予備校を受けた。一番上のクラス「前文」には入れず一番下のクラス「特文」にしか入れなかったのだ。

その時点で、これでは一浪しても東大は無理だと自覚し「一橋学院」予備校に入り、翌年、一橋大を受験した。

なおこの年、竹中平蔵氏は一橋大学に現役で入学し、私は現役で「一橋学院」に進学(?)し、大きな差がついた。

 

5「顧問をしている十勝のフェーリエンドルフに」

先週の水曜日(17日)、木曜日(18日)は私が顧問をしている十勝のフェーリエンドルフへ。

十勝は、今、小麦が収穫直前で、黄金色に輝いている。風になびく小麦の穂が美しい。空からみると小麦畑の黄金色とじゃがいも畑の緑色のトートンカラーが夢の国をさそうよう。豊かさを感じる。

フェーリエンドルフにはグランピング用のテント、バンガローの他、高級な一棟貸しもあり、目的に合った宿泊が出来る。家族や仲間でのバーベキューが最高!だろう。十勝/帯広空港から車で20分で大自然のまっただ中なのもいい。

https://feriendorf.jp/

十勝3

十勝2

十勝1

 十勝9

 十勝7 tokachi 12 十勝10 

6.「ハードルがあがった7月31日の日銀政策決定会合」

出張中だったのでXのみにしか投稿できなかったが、18日、以下をXに投稿した。

「トランプ発言,河野発言,神田発言で円高が進んだようだが、これらの発言で7月31日の日銀政策会合での日銀の大幅な国債買いオペ減額、短期金利上げを市場は大いに期待してしまった。日銀ピンチ。日銀が市場の期待に答えられないと円は急落。破れかぶりになり市場の期待通りの大胆な施策決定を行えば長期金利暴騰で日本はドボン」

 

7.「ドル安は強力なインフレ要因」

出張中だったのでXのみにしか投稿できなかったが、18日、以下をXに投稿した。

今のトランプ氏なら米国の製造業、労働者への選挙目的でドル安政策を言うだろう。しかし大統領になったら話は別。ドル安は強烈なインフレ要因。米国民が最も嫌う政策。 またトランプ2.0では減税等の財政出動で財政赤字拡大、米長金利上昇となり、ドル高要因となるが、それを相殺するだけの円安是正策などない。

 

8.「トランプ氏が何といおうが日銀の債務超過を防ぐ手段を彼は持っていない」

出張中だったのでXのみにしか投稿できなかったが、18日、以下をXに投稿した。

最も重要な点は、トランプ氏がいくら円安が問題だと主張したとしても、トランプ氏が円暴落の原因である日銀の債務超過による信用失墜(=円の紙屑化)を防いでくれる手段など持ち合わせていないこと。

 

9.「FRBは大統領選前に利下げすべきでない(トランプ氏)」

「トランプ氏は、多くの国において、インフレは最終的に国を滅ぼすとした上で」

→インフレが完璧に収まるまで、インフレを再燃させるドル安をトランプ氏が認めるわけがない。資産インフレと言う経済狂乱要因に対抗する強烈な対抗手段は自国通貨高。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240717/k10014513941000.html

 

10,「日本は世界ダントツの借金に世界ダントツにメタボの中央銀行を持つ」

十勝に行っている間に以下のリツイートが私のXにきた。.

「藤巻健史殿 トランプ氏が大統領になってからはいよいよ 「相場は相場に聞け」だと 考えます。少しずつ藤巻殿だけのロジックでは利益が低下して来ると私は考えました。 藤巻殿のロジックは間違えてはいません。しかし事態は日米だけの問題ではなく 世界的な債務と物価高の問題ですからね」

以下のように回答した。

「いつも言うように、借金額(対GDP 比)と中央銀行のメタボぶり(対GDP比)が世界ダントツで横綱級の日本と幼稚園児横綱の他国とを比べて横綱が大丈夫だから幼稚園児横綱も大丈夫と言っているのと等しい。(たとえば一升の酒を飲めるかについて)」

 

11.「中央銀行が債務超過になっても何の問題も生じないーWhy?」

十勝に行っている間に以下のリツイートが私のXにきた。.

「そもそも中央銀行が債務超過になっても何の問題も生じないのだから、外銀が日銀当預口座を閉鎖することはありえない」

以下のように回答した。

「南海トラフ地震が起きても何の問題も生じませんから、耐震強化をする人なんて信じられない、と同じ程度の発想しかできない人」

 

12.「円上昇で焦ったのか?」

十勝に行っている時(円が155円台前半に上昇しているときに)に以下のリツイートが私のXにきた

「ドル円落ちてちょっと焦ってて草」

以下のように回答した。

「ドルの買い増し機会を逃さないように焦っています。今出張中なので」

 

13,「日銀は十分な速さで緩和状態から脱却しているのか?」

十勝に行く直前、以下のリツイートが私のXにきた。

「日銀はじわじわと引き締めに動いてますよ」

以下のように回答した。

「経済実態からみれば史上最大規模の超超超緩和状態からちょっとの緩和状態に競馬馬がはしるがごとく修正しなければ引き締め遅れで悪性インフレになってしまうのに、日銀の債務超過を怖がってなめくじのようにしか前進していない」