(ここに述べる意見/分析は日本維新の会の公式見解でも分析でもありません。私の個人的見解・分析であることをご理解ください)
1,「ドルを買い遅れていた人にとっては絶好のドル買いチャンス」
本日は月末でありプライべ―トの契約マターもあり、くたびれた。なので、本日の決定会合、記者会見に関しての私の詳しいコメントは後日に回すが、簡単に言えば、
- 「既にドルを買っている人は、いつも通り酒食らって寝ていろ」
2「ドルを買いそこなっている人にとっては絶好のチャンス」
円が紙くずになるのだから160円でドルを買おうが150円でドルを買おうが大差はない。
2,「記者会見で報道各社が聞くべきだったこと:
記者会見での総裁のタカ派発言で会見後m円高が進んだとの記事が散見されたが、どこがタカ派発言?
記者ももうちょっと本質的な質問をしたらどうなの?と思ってしまう。国会が始まったら質問すべき点は山ほどある。いよいよ債務超過のリスクが高まってきたから、本日の記者会見で聞くべき最大の質問は以下の2つ。
- 追加の緩和政策の解除で日銀は債務超過にならないのか?
- 債務超過になっても中央銀行の信用が失墜しない自信があるのか?
3.「ほぼすべての武器を使ってしまった。これ以上のインフレ対応は、まさに債務超過の域に入る」
今後、インフレが加速しても日銀は今日の決定で、武器をほぼ使いきってしまった。豆鉄砲を打ってしまったから残っているのは竹やりくらいだ。
本日発表の「国債購入額を2年で半減」は空手形になるだろう。口で言うのは簡単でも実行段階では長期金利の暴騰を招くので実行不能になる可能性が大だ
さらにはこれ以上の減額(=さらなる量的緩和の方向転換)など到底無理だ。ばらまいたお金の回収手段は尽きた、ということ。
中央銀行の主たる収益(=通貨発行益)は今日の利上げでほぼゼロになった。更なる(短期)政策金利上げからは負の通貨発行益、損の垂れ流しが始まる。今日の利上げだけでは、たしかにその他の要因で債務超過は回避できているが、その他の要因がドル高など特殊要因が多い。こんなものに頼る中央銀行など、信用冴えるとは思えない。その辺は国会で解明していく。
もうインフレを防止するには過激な(FRB 等より異次元に過激な(対利息収入比)債務超過を覚悟しなくてはならない。それで日銀の信用が保てるか?という話だ。
4,「2年後でもお金はジャブジャブジャブジャブの状態」
本日の発表では「国債購入額半額」というからものすごい勢いでお金の拐取をしているように聞こえるが(それが目的だろう)、2年後でも日銀の国債保有額は7~8%くらいしか減らない。
中央銀行の国債保有額は、ほぼばらまいたお金の量と一致するから、2年たってもばらまいたお金はジャブジャブのままである。ジャブジャブジャブにばらまいたお金がジャブジャブになるだけの話。他国中央銀行はQT でお金の回収が終わりに近づいている一方、日本だけはジャブジャブの状態。
金利を更には時期上げられない上に2年後もお金ジャブジャブなのだから円安が止まるわけがない。
5、「国債買いオペ減額政策に関する分析は元日銀理事・山本謙三さんの論考がベスト」
国債買いオペ減額政策に関する分析は私の尊敬する元日銀理事・山本謙三さんお7月3日発行の論考が非常に参考になる。
「月平均3兆円のネット減額継続で、正常化の完了に13年かかる」と分析されている。――>その間、お金ジャブジャブ状態だということ。お金を拐取してインフレを制御できない。
さらに山本氏は「異次元緩和も、銀行券ルールを廃止したわけではなかった。現在はあくまで「一時適用停止中」である。異次元緩和の終了とともに、一時適用停止を解除するのは、異次元緩和を導入した際の趣旨にもかなうだろう。もし、それが非現実的というのならば、巨額の買い入れを続けてきた異次元緩和の妥当性が改めて問われなければならない」
「2年後で購入額半減、量的緩和からの脱却だ」といのはまりに能天気だ。
https://www.kyinitiative.jp/column_opinion/2024/07/01/post2598/