(ここに述べる意見/分析は日本維新の会の公式見解でも分析でもありません。私の個人的見解・分析であることをご理解ください)
1.「市場の視線を一身に浴びる植田日銀総裁、衆参両院であす閉会中審査」
Bloombergニュースにあるように明日の衆議院、参議院の閉会中審査は
かなり市場の注目を集めているようです。
私は14時13分から14時35分の22分間、質問に立ちます。本当は3時間くらい聞きたいのですが、時間が足りないので、何を優先的に聞くか今、苦慮しています。(質問通告は既に提出済みですが、今夕、または明朝SNS にも上げます)
新聞だと総裁の答弁しか出ませんので本当の感触は得られません。質問に対して逃げずに答えているのか?苦しくて質問とは全く異なる内容の答弁をして(それが新聞に載っている)のか?答弁の際、(学者としての矜持に反する答弁をしているがゆえに)声がふるえていないか?おどおどしていないか?など実際に見ないと本音と建前の区別もつかないと思います。是非、参議院インターネット中継をご覧になって正しい情報をつかんでください。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-08-21/SILB3TT0G1KW00?srnd=cojp-v2
2.「参議院インターネット中継」
明日の参議院インターネット審議中継を見るには、以下のページにアクセスしてください。Live でも録画でも見られます。
https://www.webtv.sangiin.go.jp/webtv/index.php
私は14時13分から14時35分の22分間です。数分は前後する可能性があります。
3.「お詫びと修正;日銀保有債券、株式の評価損益」
すみません。再読していたら数字の間違いに気が付きました。正しくは、長期金利が0.1%上昇することに2.9兆円評価損が拡大、日経平均が1000円下落するごとに1.6兆円、評価益が減少でした。すなわち「長期金利が0.1%上昇し、日経平均が1000円下落する」ごとに日銀の純資産は、4.5兆円ずつ減ることになります。中央銀行は、紙幣の信用失墜を防止するために、価格が大きく変動する資産を買ってはいけないと言うのが、正当派金融論の基本のキです。こんなに資産の評価額が上下する中央銀行など危なくて仕方ありません。すなわち日銀は通貨の信任がものすごくスイングする中央銀行ということです。リーマンショック級のショックが起こればイチコロです。ショックがあっても、最後の拠り所として立ち向かうはずの中央銀行がショックに巻き込まれて、1番危なくなるなど聞いたことがありません。もっともショックに巻き込まれなくても、ジリジリと財務は悪化して限界を超えると思われます」
4.「上場企業の不動産含み益が、最高の29兆円。日銀の保有国債の評価損の拡大も金利1%上昇頃に29兆円」
上場企業の不動産含み益が、最高の29兆円になったそうだ。ものすごい金額!29兆円と聞いて思い出すのが参議院予算委員会での日銀答弁。私が金利が1%上昇したら日銀の保有国債評価損はどのくらい増えるか?と聞いたら、29兆円とのこと。お〜ものすごい金額!日本経済の要となる日本の中央銀行が株式市場や国債市場の上下運動で翻弄される。そんな恥ずかしい中央銀行かっててみたことない。中央銀行のSDGsが心配。中央銀行たるもの通貨の信用を守るために価格が大きく上下する資産を買ってはいけないと言うのは、正当派金融論の基本のキだったはず。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOTG10F1E0Q4A710C2000000/
5.「日銀は不動産を保有しているか?」
昨日、以下のリツイートを私のX にいただいた。
「日本銀行は一般銀行を、遥かに凌ぐ国債、株式を大量に保有。故にラグジャム・ラジャンが警告してきたように中央銀行として金利操作の自由を奪われた。日銀は流石に不動産までは保有していない様だが、原資となる資金は十分すぎるほど市場に提供してきた」。
以下のように回答した。
「まさにおっしゃる通りです。ただ不動産の現物は買っていませんが、量的緩和の一環で不動産リートは買っていましたね(今は購入していませんが保有は継続です)。動くものはなんでも買うという、なにそれ?という存在です。中央銀行というより『うわばみ』みたい。それがゆえにマーケットが気になって植田総裁は夜も寝られないのではないでしょうか?円が崩壊してしまうかどうかが、株や国債、不動産市場いかんになっちゃったのですから。
ちなみに、昔は日銀の社宅はぜいたくだ、と世間から批判を受け、支店長宅など、保有不動産を売らされたこともありましたが、売ったり買ったり、日銀は大変なところですな~。世界に稀有な中央銀行」
6.「政府や日銀の不動産はうまく処分できるか?」
昨日、以下のリツイートを私のX にいただいた。
「政府や日銀の不動産は、超一等地にあるので、DXを進めれば処分できるんじゃないでしょうか?」
以下のように回答した。
「処分はできると思いますが、いくらで売れるか?損をしないで売れる?だと思います。不動産の場合はそう中は世界で1つという意味で株式市場とは違いますが、株であれば、例えばある株をウォーレンバフェットが売り出したと知った時、貴兄はその株を買い向かいますか?私なら本当にその株が買いたいのなら暴落してから考えます。もしその株を持っていれば、なるべく人より早く売ります。どうしても欲しければ暴落してから買い戻せばいいからです。もし持っていなければ先物売りや空売りをします。それがマーケットです。株式市場であれ、国債市場であれ、市場のモンスターになった日銀が売りに入れば、もしくは購入額を減らすと聞けば、暴落もしくは大幅な下落がある事は、マーケットの経験者は知っていると思います」
7.「今、日銀が保有株や不動産を売るとどうなるか?」
一昨日、以下のリツイートを私のX にいただいた
「岸田植田内田バズーカの前に、ETFとREITを売却すべきでしたね」
以下のように回答した。
「でも、今となっては、それをやると株価が大暴落し、日本最大の株主である日銀のSDGs (持続性)問題となります。REITも日銀は大口所有者です」
8.「アメリカのインフレはこのまま落ち着くか?」
本日、以下のリツイートを私のX にいただいた。
「藤巻先生いつも参考になる見解ありがとうございます。 質問ですが、アメリカのインフレはこのまま予定通り落ち着くと思いますか?なんか怪しい気がしてご意見を伺いたいと思いました……」
以下のように回答した。
「今の米国は日本のバブル期と同じ状態(まだピークには達しているとは思いませんが)で資産効果により消費の力強さは簡単には収まらないでしょう(ご自身が株や不動産を持っていてその株価や不動産価格がグングン上がっていれば未実現利益であっても贅沢をすると思いませんか?)。金利を下げれば、更に資産価格が上昇するので一層景気は力強くなります。それを抑えるのはばらまかれた過剰流動性の回収ですが、過剰流動性の世界への最大の供給減である日銀が、自身の債務超過を恐れて流動性回収が出来ないのですから、米国バブルは更に進むでしょう。毎年30円から40円も円高が続き、資産価格の上昇によるインフレを相殺していた日本のバブル期とは違い、ドルの上昇が力強くないですから、米国の(資産インフレから発生する)インフレはそう簡単には収まらず、ボルカーショックの再来があると私は見ています。(注・不動産価格は帰属家賃としてその上昇の3分の1程度がインフレ率の計算に影響するだけで株価の上昇はインフレ率の計算には入りません)」
9.「計書経済国家の市場と資本主義国家の市場の違い」
本日、以下のリツイートが私のX に来た。
「理にかなった理由を事前に発表しておけば、マーケットの混乱は最小限に抑えられるのでは?そもそも政府の資産は損得勘定は抜きにして考えるのも重要だと思いますし、長期的にはプラスの可能性が高いのでは?損得だけならさっさと手持ちのドルを売却すればいいのに」
以下のように回答した。
「日本は計画経済的なマーケットではありますが、世界の投資家は資本主義社会で生きています。「自分たちの利益最大化だけを考えて売買行動をとれば見えざる手で最適な資源配分が出来る」というのが資本主義の考え方です。計画経済の管理者がいくら理にかなったと思われることをしゃべっても、マーケット参加者はその言葉では動きません。マーケットは計画経済的には動かないのです。それ以上に、日銀の出口に於いて、もはや世界の投資家が納得する理にかなった理由など全く存在しないでしょう。市場原理の働かない日銀が市場を牛耳ってしまい、それが持続不能(=景気が良くなってきた)になったから市場介入を辞めれば、どんな理由があっても膿が噴き出すと考えるのが自然だからです」、
10.「大本営発表を国民に知らしめることが国会議員の役目か?」
昨日、以下のリツイートが私のX に来た。
「もういい加減にこのネタはやめたらどうですか。円急落は、他のすべての通貨と同じくテイルリスクとしてはありますが、参加者のメインシナリオでは一切ありません。一部の数値のみ強調して、無知な国民を欺くのは、国会議員がやることではないですよ」
以下のように回答した。
「貴兄は大本営発表を国民に知らしめることが国会議員のやることだと思っているのですか?ちなみに私が、もし国会議員を継続するために選挙に受かりたいのなら、今言っていることなど言わないですよ。国民の大部分は知りたくない,聞きたくないことですから、間違いなく落選しますので。私は、来年の次の選挙には出ないからこそ、本音を堂々と言えるのですが。
なお、他のすべての中央銀行と同じくとおっしゃいますが、他の中央銀行に比べて日銀の財務がけた違いに悪いことを無視して、他国と同様、円の信用失墜はテールリスクなどとよく言えるものだと感心いたします。怖くて怖くてしょうがない、怖い話は聞きたくないのはよくわかりますが、現実に目を背けると、とんでもなく惨めな思いをするということだけは心におとめください」