1.「私は現在、株を保有していない」
マーケットのど真ん中で戦っていた時からなのだが、私は、自分で勝負をしていない時は、それ程、そのマーケットを深く考えてはいない。だから現役時代、私はグロ―バルマクロのヘッジファンドオーナーとの議論以外、ほとんど他人の分析を信じなかったし、聞こうとも思わなかった。血反吐を最低3度吐いたことのある人が自分で大きな勝負をしているときは脳汁が絞り出るほど考える。グロ―バルマクロのヘッジファンドオーナーたちはそういう人たちだ。
私は現在、株を日米ともに持っていない。今は財産を守る時期であり、儲ける時期だとは思わないからだ。したがってSNSでは株や金についてはあまり触れていない。次の書き込みは、そういう前置きをした上での株式市場の私の見通し、だ、
2,「株価の予想」
株価の将来、特に日本株の今後について2つ、考慮しなくてはいけないポイントがある。それにより近未来の予想は異なる。
- 日銀が過剰流動性の回収(=国債買いオペの減額)を、本当に実行するのか?
今までの日本株の上昇は、日銀による過剰流動性の供給が最大要因だったと思う。7月の政策決定会合で、その過剰流動性を回収する(=国債買いオペの減額)との計画を発表したわけだが、もしそれが本当に実行に移されるなら、大幅下落が想定される。早く逃げたほうがいい。私の長いマーケット経験からして過剰流動性の回収が株の大暴落の契機となったケースは多い、逆にいえば、過剰流動性の回収をしても株価が下落しなかったケースを私は知らない。
しかしながら、7月の日銀政策決定会合後の株価暴落を見て、日銀は相当にビビ
ったと思う。過剰流動性を回収する(=国債買いオペの減額)計画の実行を先延しにする可能性がある。その場合は円安が加速され、株価は上昇を継続する可能性がある。
- ニュースに出てこないので、はっきりしないが、8月は、株下落継続を恐れた政
府の指示により年金が株の買い支えに入った可能性がある。
もし、それが本当なら年金の買い支え資金が枯渇してときが、株暴落の契機となりうる。年金は日銀のように新しく紙幣を刷って株の買い支えが出来るわけではないからだ。おのずと限度がある。
現在の日本株保有額は厚生大臣の決めた指針の総資産の25%に迫っているはずだ。±8%まで逸脱が許されているとしても、逸脱した後、株価の下落が大きく損失を出せばその責任追及が半端ではなくなると思うからだ。
日銀の異次元緩和からの政策変更が理由なら日本株の下落は必至だ。国民の年金を守るつもりなら日本株の替わりに外国株を買うのが当然だったとの非難を受けるだろう。
また、過去のPKO(プライス・キーピング。オペレーション)の経験から年金の買
い支え能力には疑問が残る。
ようは、年金が8月に株を買い支えたのか否かに関してのニュースは今後の株価を推測するうえで極めて重要なニュースである。
3,「野放図な財政 いつまで」
日経新聞がやっと危機に向き合った記事を1面を割いて書いてきた。私が長年警告してきた内容であるが是非一読をお勧めしたい。ポイントをつかんでいる。
この記事が「自民総裁選2024 リーダーの試練」というシリーズの中で書かれたということは政治部記者が書いたのだろうか?それとも委託を受けた経済部記者が書いたのだろうか?秀逸である。本来、この問題は経済・金融部局が相当前からその担当面で大きく追及してくるべきだったと思うのだが。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA260TM0W4A820C2000000/
4,「涼を求めて釧路」
余りの灼熱地獄の東京に辟易して、今週、火、水と「量を求める」だけの目的(+温泉)で釧路に行ってきた。東京より10度涼しく体力回復につながった。しかし霧は都心部では幻想的でロマンチックでも、毎日これが続いては、現地に住む人は気の毒だ(注:たまたま行ったときがそういう気候で、普段はそうではないのかもしれない)昔、転勤で済んでいたロンドンの冬を思い出した。出社時が真っ暗で、帰宅時も真っ暗だった。イギリス人が陽気ではない理由かと思ったものだ。もっともその分、夏のロンドンは陽が長く素晴らしかったが、