(ここに述べる意見/分析は日本維新の会の公式見解でも分析でもありません
私の個人的見解・分析であることをご理解ください)
1,「出口から円滑に脱出出来て初めて評価が出来る(白川前日銀総裁)」
以下、2013年3月19日(火)の白川前日銀総裁の退任記者会見
ここで白川前総裁曰く「従って、わが国を含め欧米諸 国が現在展開している非伝統的な政策の評価も、いわゆる「出口」から円滑に脱出できて初めて、全プロセスを通じた金融政策の評価が可能となる、そうした性格のものだと思っています」(p3~p4)
黒田日銀がここまで株式を買い、国債を爆買い占めてしまった以上、もはや日銀に出口はない。誰も出口を見出していない。中央銀行のとっかえしか策は残っていない(=円の紙クス化=1ドル=1兆円)と私は思っている。日米金利差などと言っている場合ではない。
https://www.boj.or.jp/about/press/kaiken_2013/kk1303d.pdf
2「出口からの脱出の難易度ははるかに上昇しているのに」
同じく2013年3月19日(火)の白川前日銀総裁の退任記者会見での記者の質問。
「2 点目は、現在の緩和政策は、出口まで行って 1 つのシステムの終了 と思います。ただその時に、今の財政状況をみると、相当な困難に直面すると 思いますが、政府に求めるべきものは何かについてお聞かせ下さい」(p16)
出口からの脱出に関しては、当時と今とでは小学生と大学生くらいに難易度が違う。はるかに簡単な状況で、この記者は質問している。
今の記者会見では出口の難易度がはるかに高くなっているのに、記者はほとんど誰一人として(朝日の原編集委員を除いて)質問しない。マスコミがこれでこの国大丈夫なのか?
https://www.boj.or.jp/about/press/kaiken_2013/kk1303d.pdf
3「中央銀行業務を知っている人が、総裁・副総裁に存在することが不可欠」
同じく2013年3月19日(火)の白川前日銀総裁の退任記者会見でのコメント(p20)
「いざという場合に機動的に、迅速に対応できることは、中央銀行の最も大事な機能だと思っています。そうした銀行実務を含めて中央銀行業務を知っている人が、総裁・副総裁に存在することが不可欠だと思います。日本銀行のプロパーかどうかは別にして、中央銀行の業務を知っているかどうかが不可欠だと思っています」
―>私が現役の時、山本謙三さんこそが日銀総裁に最もふさわしいと思っていた理由。
それなのに金融に関して、世間は、中央銀行の業務どころか金融論も経済論も全く知らない外野のド素人の言うことを聞く。これでこの国は大丈夫なのか?
https://www.boj.or.jp/about/press/kaiken_2013/kk1303d.pdf
4.「言うは易く、行うは難し」
本日は元日銀理事山本謙三さんの初めての本の出版日。
山本さん本にいわく「通貨の信認を守る中央銀行が相場下落の危険がある満期のないリスク性資産を購入することは。長く禁じ手とされてきた(中略)異次元緩和を終え、金融正常化を進める過程では、国債やETFなどの巨額買い入れを停止し、積み上がった国債やリスク性資産を減らして行くのが基本となる。しかし言うは易く、行うは難し」
「(13年度から22年度までの10年間の)間、日銀の保有国債残高は約456兆円増加した。新規国債発行額の実に95%に相当する。つまり、日本銀行は、10年間に積み上がった巨額の財政赤字を、ほぼ丸ごと飲み込んだ形になる」
「将来のインフレの目を膨らませないためには日銀は毅然と立ち向かわなければならないが異次元緩和で財政赤字をほぼ丸のみしてきた日銀に対峙するだけの力が残っているのだろうか(中略)財政一つとってみても、異次元緩和の出口には隘路(あいろ)が待ち構えている」