「米国のCPIは2.5%、日本は2.8% なのになぜ?」「『保険だと思って住宅ローンは固定金利に早めの切り替えがいい』と私は思う」「「社会保障は財政学では富の再分配。特に日本の社会保障は」他

2024年09月25日

(ここに述べる意見/分析は日本維新の会の公式見解でも分析でもありません

私の個人的見解・分析であることをご理解ください)

1.「米国のCPIは2.5%、日本は2.8% なのになぜ?」

米国の8月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比2.5%だ。一方、日本のCPI(生鮮食料品を除く)は前年同月比2.8%だった。

なのに、なぜ米国の政策金利が4.75%~5.0%で日本のそれは0.25%程度の史上まれなる超低金利なのだ?何か理由があると考えるのが普通だ。

朝日新聞原編集委員の書かれたように、日本経済が金利上げに対する耐性を無くしてしまったのも理由の一つ。しかし最大の理由は利上げをすれば日銀のSDGsに問題が起きるから。日銀は政策金利を上げられなくなった。

 

2.「保『険だと思って住宅ローンは固定金利に早めの切り替えがいい』と私は思う。」

中央銀行が正常に働いているかぎり、中央銀行は政策金利を使用して市場金利をコントロールできる。しかし中央銀行が中央銀行の体をなさなくなればコントロール不能になる。だからこそ私は住宅ローンは、固定の方が高くても早く変動金利型に変更するべきだと言っている。高い分は保険料と考えるべし。日本経済の耐性がなくなっていることの一つ。

ちなみに「それでは円金利が上がるから円高と誤解」するなかれ。そのように事態は日銀が世界から信用を完璧に失っている状態。円の価値も失墜。円は紙くず化(=1ドル=1兆円)する契機だ。

 

3.「トラス政権を思い出す」

可能性は今のところ低いとは思うものの、高市氏が総理になり、彼女が総裁選で主張した「今、利上げはあほ」を総理として再度公言するようなことがあれば、市場の逆襲を受け44日の超短命政権で終わった英国テラス政権の二の舞になる可能性もある。一応目配りをしておくことが必要。マーケットは高市氏が考えるほどアホではない。市場の怖さを甘く見るととんでもないしっぺ返しを受ける。

 

4.「社会保障は財政学では富の再分配。特に日本の社会保障は」

9月20日に朝日新聞編集委員の原さんが書いた記事には今の日本・日銀の問題点が凝縮している。

「日本の社会保障は(藤巻注:バブル絶頂期の経済的繁栄が続くのが当たり前と考え) 「世界で最も豊かな国」としてのサービス水準が求められてきた。 90年度からの33年間でGDPは3割しか増えていないのに、年金や医療など社会保障給付費は3倍近くに膨らんでいる。十分な財政の裏付けがないのに予算は右肩上がりだ。 与野党とも増税のような有権者に嫌われる政策は避けがちだった。 その結果が1100兆円に上る国と地方の長期債務であり国債を日銀が買い支える状況だ。世界最悪の借金財政の責任は政治や財務省だけでなく国民にも問われなければならない 1億2000万人の人口に合わせた整備されたインフラを今後維持して行くだけでも大きな負担だ。

(略)

社会保障やインフラをどう保ち国民負担をどこまで許容するか。国民に不人気な政策や負担増を真剣に考えるべき時なのに、自民党総裁選や立憲民主党代表選で議論が尽くさされているとは思えない」

――>まさに本質をついている記事。社会保障は経済学的には「富の再分配」だ。特に日本の社会保障制度は、その程度がすさまじい(日本の社会保障制度が世界の常識だと思わないほうが良い)。国民が豊かになれないのに再分配のみ強化し「働かいても働かなくても結果は同じ」を目指ては医師も手おわれるだけだ。

「誰も働かず国力が衰えるのは社会主義の失敗として歴史が証明している。これでは「平等に貧しい世界」に一直線だ。JPモルガン時代の私の部下の外国人が「日本は世界最大の社会主義国家」と言いながら帰国していった分析は正しい。

「人道的でない」と思う方は世界の最貧国の一つ、ハイチに行って、「人権上、他国並みの社会保障制度を完備しろ」と主張してくればいい。「何を馬鹿なことを!」といわれるのがおちだろう。

金がなくては政府でさえ何もできない。再分配を多くしたかったら、自助努力に報いる制度や税制を作り、格差是正至上主義から脱却しなければならない。儲ける人がいてこその再分配だ。

https://www.asahi.com/articles/ASS9M3SJ4S9MUPQJ015M.html?iref=pc_ss_date_article

 

5.「金利への耐性を失った日本経済」

以下も朝日新聞原編集委員の9月21日の記事。タイトルは

「なぜ日銀の政策説明は「科学的」でないのか。 わかりにくさの根源は?」

「(藤巻注:日銀の金融政策の)この『わかりにくさ』の根源は ここまで物価高が続いているのに日銀がいまだに『金融緩和』を続けていることにあるのではないか。どの国の中央銀行も基本的には 物価が上昇すれば 金融引き締め(金利引き上げ)をするし、物価が下がれば金融緩和(金利引き下げ)をするそれが常識だ。

ところが日銀は物価高の下で逆に『超』や『異次元』の形容詞がつく緩和をずっと続けてきた。総務省が20日に発表した8月の消費者物価指数(生鮮食品を除く)は前年同月比で2.8%という高い上昇率だった。 日銀の2%インフレ目標を29カ月連続で上回ったことになる 」

「11年間にわたって続けられてき異次元緩和は『金利のない世界』を日常にし

た。 それで日本経済をすっかり甘やかした。おかげで国会財政や企業経営は金利への耐性をすっかりなくてしまった。いま、日銀がスローペースの利上げ路線を描くのは,耐性がどの程度であるか読めないこともある 」

―>まさにその通り。しかしそれ以上に、金利上昇に対しての日銀の耐性が最もなくなっている。大幅利上げすれば日銀にSDGs問題が発生する。円は紙くず化(1ドル=1兆円)ということ。

https://www.asahi.com/articles/ASS9N4DZ2S9NULFA02WM.html?iref=pc_ss_date_article

 

6.「はたして、世界最悪レベルにある日本の財政は持ちこたえることができるのか」

以下、23日(月)のYahoo ニュースでの紹介記事(現代ビジネス)の書き出し部、

「バリバリの金融実務家であった私が、わからないことがあれば一番頼りにし、最初に意見を求めたのが山本謙三・元日銀理事です。安倍元総理が、もし彼がブレインに選んでいたら、今の日本経済はバラ色だったに違いない」  元モルガン銀行・日本代表兼東京支店長で伝説のトレーダーと呼ばれる藤巻健史氏が心酔するのが元日銀理事の山本謙三氏。同氏は、11年にわたって行われた「異次元緩和」は激烈な副作用がある金融政策で、その「出口」には途方もない困難と痛みが待ち受けていると警鐘を鳴らす。 財政ファイナンスに酷似する日銀の国債買い入れによって財政規律は弛緩し、予算の膨張に歯止めがかからなくなった。異次元緩和の終了による金利上昇によって、今後、国債の利払い費の急増が予想される。はたして、世界最悪レベルにある日本の財政は持ちこたえることができるのか。 ※本記事は山本謙三『異次元緩和の罪と罰』から抜粋・編集したものです。

財政規律の厳しい国だった日本は、いまや世界最悪レベルの借金大国に! 1位はレバノン、2位日本。振り返れば、3位スーダン、4位ギリシヤ。内戦とは無縁の経済大国がなぜ?(山本 謙三)(現代ビジネス) – Yahoo!ニュース

 

7.「十勝の秋」

9月21日(土)から24日(火)は私が顧問をやっている株式会社「そら」運営の

北海道十勝のグランピング施設 フェーリエンドルフへ。最初の3日はプライベート、24日(火)は仕事。22日の十勝はNHKニュースで出ていた全国の最高気温予想の中で一番低い13度だった。釧路より1度低かった。おかげで一足早い秋を満喫。夜は温泉と暖炉で癒された。青空もすばらしい。

24日は一日お客様巡りをして19:50分十勝帯広空港発のJALで帰京。若いベンチャービジネス精神あふれる若者たちと働くのは楽しい。歳なので、つかれるけれど(苦笑)

十勝1 十勝5 十勝3 十勝4