「これほど財政が悪いのに政治家は皆バラマキばかり、何考えているのだ?」.「ばらまけばインフレになることを知っているドイツ人と分かっていない日本人」

2024年10月13日

(ここに述べる意見/分析は日本維新の会の公式見解でも分析でもありません

私の個人的見解・分析であることをご理解ください)

 

1.「これほど財政が悪いのに政治家は皆バラマキばかり、何考えているのだ?」

一昨日の金曜日、一橋大卒のマーケット出身者の会合があった。30年間近く数か月に一度マーケットを中心に種々雑多な話題を議論しながら酒を飲んでいる。

私が一番若く、皆70歳半ば年代で、マーケットから離れてしまってはいるが、昔は各金融機関で資金為替部や資金運用部の部長や役員を務めたマーケットの中心人物でありオピニオンリーダーだった面々だ。

皆、個性の強い人物だから、意見が集約することは無いが、昨日の会では「これほど財政が悪いのに政治家は皆バラマキばかり、何考えているのだ?」だった。

G9の会

(↓の写真は藤巻(JP モルガン)から時計まわりに、中島(興銀)、石橋(山一)、平田(東海)、水野(三和)、渡邊(三菱)、岸本(モルガン・スタンレー))

G9の会②

2.「政治が修正できないのなら『市場が暴力で解決』する」

マーケットの中心人物でありオピニオンリーダーだった面々の「これほど財政が悪いのに政治家は皆バラマキばかり、何考えているのだ?」は常日頃私が警告をしていることではあるが、激動期のマーケットを経験した市場のプロほど、この感覚は強いようだ。市場のブゥードゥ経済学/金融論を唱えるド素人エセ経済評論家たちにはわからないのだろうが。

政治が修正できないのなら「市場の暴力」ということで解決に向かうことになるだろう。

 

3.「ばらまけばインフレになることを知っているドイツ人と分かっていない日本人」

ここで思い出すのは如水会会報(一橋大学OB会誌2018年新年号)に載った故石弘光一橋大元学長・政府税調元会長のインタビュイー記事だ。最初に先生ご自身が末期癌にかかっていることをお話しされ、それでも「くよくよ後ろ向きに考えない」などのお話をされている。頭が下がる。その後に。もう怖いものは無かったのだろう。本音をずばりと話されていらっしゃる。

「日本の政治家は、歳出カットでは選挙に立ち向かえないけど、ドイツはできるんですよ。くだらない歳出は、財政赤字が増えてインフレになると思うからね。外国に行って調査すると、その辺りがすごく違うと思うね」

「国民に痛みを強いる、あるいは負担を強要するような政策は、ことごとくはねのけられてきましたね。それはポリュリズムですよ。口当たりのいい政策ばかりを挙げたてて、人気取りと財政のばらまきでここまできた。それが、国と地方合わせてGDPの2倍以上の1千兆円超えに上る借金となったのです。つまり、増税を先延ばししているだけですよ。政治家の性といえば性だけど、外国の政治家はもっとしっかりとしていますよ。だからこそ、日本のように巨額な借金を抱えない。そこが大きな違いじゃないかと思います」

―>石先生がこう発言されたのは2017年、ますます財政は悪化し(=借金が増え)、その借金を日銀が肩代わりした結果、日銀の財務は、今や極悪な状態で、そこを抜け出る方法を誰も見出していない。事態が悪化しているのに、まだ、起きていない、まだ起きていない、と言っているだけ。まだは、もうなり。

 

4.「膿が溜まり、とんでもないショックが起きる計画経済」

「市場が充分に機能している所では市場が微調整をしてくれ、とんでもないショックは起こりにくいが、日本のように為替、株、国債市場に、政府・日銀が異次元規模で介入している国(まさに計画経済国家/社会主義国家)では膿が溜まり、とんでもないショックが起きる。それが中央銀行の信用失墜と発行通貨の紙くず化(=1ドル=1兆円の世界)の結果として起こるハイパーインフレだと思っている。

 

5,「米国は金利引き下げは望ましいのか?」

以下、10月8日にアップした私のX

「昨晩のBloomberg記事によるとスタンレー・ドラッケンミラー氏は『国内総生産(GDP)はトレンドを上回り、企業利益は力強く、株価は史上最高値、信用は非常にタイト、金は最高値を更新している。抑制はどこにあるのか』と問いかけたそうだ。

まさにその通り、私は「株価は史上最高値」をもっとも注目している。日本のバブルのように資産インフレは狂乱経済を引き起こす。そんなときに金利を引き下げたら、インフレ率は暴騰で1980年のボルカーショックの再来だ(長期金利20%、短期政策金利24%)。

スタンレー・ドラッケンミラー氏は英国中央銀行に勝ったとして有名なソロスファンドの2大ファンドマネージャーの一人。ソロス氏は、ソロスファンドの広告塔であり、彼のお金ではあるが、英国中央銀行と実際に戦って勝利したのはドラッケンミラー氏とニックロディティ氏の二人。

最近の低金利時代しか知らないマーケットパーソンは現状の米金利が異常に高く見えるようだが、激動のマーケットを経験した我々世代は世の中の(金利低下願望に基づく)市場予想を信じない。

ドラッケンミラー氏とニックロディティ氏とはソロス時代、ひじょうに仲よくしてもらい、激しい意見交換もしたが、2人はトレーシングスタイルこそ真逆だが、極めて優秀で金融知識も抜群、天才的だった。

ドラッケンミラー氏は私に某中近東の超巨大ファンドの運用をしないかと聞いてくれたが、自分の資産の8割を投入し、ファンドと運命共同体になることが条件だった。そこで成功すれば、私は日本有終の超大金持ちだったのだろうが、その時点でそれなりに成功していた私は、又、家族6畳一間で寝る生活には戻りたくないと怖くなり断った。若い時なら違いなく受けていただろう話だ。しかしながら、自分の人生をかけられないのなら、私はもうトレーダーの資格が無いと思い、この話を受けない時点でプロのトレーダーとしての仕事を辞める決断がついた。万が一、この話を受けていたら、その後数年私の相場予想が外れていたからして私は個人破産していただろう。振り返ってみれば、その時はまだ相場師としての正常な判断能力だけは持ち合わせていたと今では思っている(苦笑)

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-10-04/SKU4C4DWRGG000?srnd=cojp-v2

 

 6.「『行列のできる法律相談所』の丸山弁護士から私のXにリツイート」

上記のX の記事に関して「行列のできる法律相談所」の丸山弁護士からリツイートをいただいた。た・

「いつきいてもふじまきさんの話はリアルで面白い。まぁ6畳一間に戻って再び立ち上がる。ロッキーのような話なら、もっと興味深いが頭の良いバランス間隔もある彼はそんなことしなかったんだな。それにしても日本一の大金持ちにならなかったおかげで、私もこうして話をすることができるんだ」

以下のように返信した。

「丸山先生、お久しぶりです。ぜひいちど飲みたいですね。もう数年前でしょうか、家内が議員会館に来た時、廊下で丸山先生にお会いしました。当時、先生は参議院文科委員会委員長でいらっしゃいました。先生は家内に向かって「藤巻くんの質問は面白いんですよ。藤巻くんの時だけは目が覚めるよ」とおっしゃってくださいました。毎年七夕の短冊に(欲しいもの。それは家内からの尊敬)と書いている私は非常に嬉しかったことを覚えています。家内がその後、少しでも私のことを尊敬してくれるようになるかもしれないと期待したからです。もっとも今から考えると「質問が面白い」発言は私を褒めているわけでは無く、何にも知らないね、の意味だったのかもしれないですね(笑)何せ私は金融オタクにすぎませんから」

 

7,「10月8日の私のX」

以下、10月10日にアップした私のX.

「本日は朝10時から夕方6時半まで石破総理の所信表明演説に対する与野党の質問@参議院。私自身は財政金融問題こそ今,日本が直面する最大のそして喫緊の問題であると思っている。しかし他党はある意味、脳天気でほとんどこれに関して聞かない。わが党は維新の頭脳と言われる浅田均参議院会長が財政金融問題を1つの重大ポイントとして、14時ごろから石破総理に質問する。NHKテレビ中継あり。石破総理の答弁は将来の経済を左右する可能性もあり財界人は必見。短期的にマーケットを動かすことになる可能性ある質問もあり、市場関係者も注目するべきだと思う。一般国民にとっても経済は自分たちの生活に大きな影響を与えるがゆえに極めて重要。ぜひご覧いただければと思う。経済がぐちゃぐちゃになれば政権なども保たない」

 

8,「為替は国力を反映するが、前提は中央銀行の信用の維持」

為替は国力を反映するが、その前提は中央銀行が信用を維持できていれば、である。政治もいろいろな問題を解決しなければならないが、その問題を解決できる前提は経済が安定していればこそ、である。経済がぐしゃぐしゃになれば、国民は即、政権を見かぎる。近年の財政規律を無視したばら撒き、禁じ手中の禁じ手と世界中で言われていた財政ファイナンスの大胆な実施の結果、日本経済、特に日銀や円は崖っぶちに追いやられている。その意味で次の政権は過去に溜め込んだ膿のせいで短命に終わるだろうと私は思っている。

 

9.「景気過熱懸念」(Bloomberg 記事) 」

以下、10月7日の私のXの記事

「何度も言うが資産効果(資産価格の上昇により儲かった機敏になり人々が消費を増やす)を馬鹿にしない方が良い。日本の1985年から90年のバブル時代に実証すみ。当時CPIは0,3 %とか0.5% to今よりはるかに低かったのに資産価格の急騰で経済は急騰した。米国も同じだろう」

https://bloomberg.co.jp/news/articles/2024-10-06/SKYAIPT0AFB400?srnd=cojp-v2

 

10・「超円安は 藤巻の悪夢」

10月12日に以下のリツイートが私のX に来た。

「超円安は 藤巻のゆめ」

以下のように回答した。

「そう、夢は夢でも悪夢ですね。ただ準備していない人に比べれば、寝汗のかき方は少ないでしょうけどね」