(ここに述べる意見/分析は日本維新の会の公式見解でも分析でもありません
私の個人的見解・分析であることをご理解ください)
1.「トラスショック(円安、株安、国債安の日本売り)は『即・起こる』か『いずれ起こるか』の差に過ぎない」
連立与党が過半数割れとなれば、円相場と日本株が一段と下落する可能性と昨晩のbloombergは書くが、れいわや国民民主の躍進もあり、どこが勝とうとトラスショック(円安、株安、国債安の日本売り)が『即、起こる』か『いずれ起こるか』の違いにすぎないだろう。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-10-24/SLU2YYT0G1KW00?srnd=cojp-v2
2.「ドイツ人はばらまけば必ずインフレになると知っているから、ばらまく政治家は選挙で落選するが、日本ではばらまかないと当選しない」
元一橋大学学長の財政学者、石教授がお亡くなりになる直前におっしゃった「ドイツ人はばらまけはインフレになることがわかっているから、ばら撒く政治家は落選するが日本ではばらまかないと当選しない」との趣旨のご発言を証明する総選挙になりそうだ。その結果、日本でもトラスショック(株、円、国債売り=日本売り)が遅かれ早かれ起こる可能性がおおありだ。財政規律の無視の度合い、財政ファイナンスの規模、右も左もばらまき政党だということを勘案すると、英国のトラスショックの何倍ものエネルギーでショックが起こり得る。来週初めからはfasten seat belt pleaseだ。どういう政権、連立政権になるかはわからないが、いずれにせよ、かなりの短命だと思っている。
3,「株は下がった時が買いか」
今朝、以下のリツイートが私のX に来た。
「株は下がった時が買いのチャンス、 市場がちゃんと判断してくれる」
以下のように返信した。
「そう思っていた人が大部分だったのに38,915円をつけた1979年12月から7000円台まで株価はダダ下がりした」
そして追伸
「Okutsuさんに指摘していただきました。すみません、1979年ではなく1989年でした。真夜中トイレに行ったあとベッドで寝ぼけまなこで書いていたもので間違いました。資産価格の暴落が日本の失われた30年という時代を作りだしました。バブルが怖いのは、その後の後遺症が長引くからです」
4「ばらまきます、ばらまきます、ばらまきます、の総選挙では、どこの政党が勝とうがマーケットはクラッシュ」
今朝、以下のリツイートを私のX にいただいた。
「藤巻さんのおっしゃる通り、連立与党が過半数を割り込むと、政治的な不安定さが強まり、Bloombergも指摘しているように円相場や日本株の一段の下落につながる可能性が高まります」
以下のように返信した。
「いや、私の申し上げたい事は、ばらまきます、ばらまきます、ばらまきます、の総選挙では、連立与党に限らず、どこの政党が勝とうとも、株、為替、国債のマーケットはクラッシュする可能性が高いだろうということです」
5.「当選する議員の中に『危機に対応する経済金融の理解力がある人がどのくらいいるのか』、不安」
以下、元日経新聞記者磯野氏のX記事。「27日の総選挙で当選する衆院議員は、任期中に長期金利急上昇や円の暴落、インフレの高進などに直面する可能性が大きい。こうした危機に対応する経済金融の理解力がある人がどのくらいいるのか、不安だ。また、仮に理解できても、必要となりそうな厳しい増税や歳出削減を提起し、実施できる胆力もある人となると、ほとんどいないのかも知れない」
6.「オプション『株下落備え』 衆院選後の急変動警戒」
本日の日経新聞の記事「オプション『株下落備え』 衆院選後の急変動警戒」には「投資家の不安心理を反映するとして注目が集まるのがオプション市場だ。参加するのは基本的にプロの投資家のみで、様々な材料を機敏に織り込む。足元で盛んになっているのが株価下落に備えた取引だ」とある。
プットオプションの買いが広がるということは、どの市場に限らず、(市場が恐れている)方向にマーケットが動き出すと売りが売りを呼ぶ、すなわち売りにターボがかかっていくということ。下落がすさまじい勢いになる可能性があるということ。
プットオプションは値が下がっていくと諸^とポジションのデルタが大きくなる(売りポジションが自動的に大きくなっていくということ)。プットオプションを売ったマーケットメーカーはデルタが大きくなった分だけマーケットでヘッジのための売りを強いられるからだ。これはマーケットが暴落す一因となりうる。
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO84381760V21C24A0DTC000/
7.「トラスショックの再現はあるか?」
本日の日経新聞の記事「オプション『株下落備え』 の記事の中でゴールドマン・サックス証券の石橋隆行ヴァイス・プレジデントが「海外勢は自民党の総裁選の時ほど盛り上がっていない。過半数を割って政治情勢が混沌とし、初めて重大さに気づく可能性がある」と指摘している。これはなにも株式市場だけの話ではなく「日本のバラマキ」に気が付くきっかけとなる可能性がある。その場合はトラスショックの再現。
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO84381760V21C24A0DTC000/
8.「異次元緩和の罪と罰 山本謙三著」
本日の日経新聞に私が一押しの元日銀理事「『異次元緩和の罪と罰』の書評が載っている。「元日銀理事が冷静な筆致で今春まで11年続いた『異次元緩和』の問題点や今後の金融政策の正常化の難しさを丁寧に説く」「脅かされかねないのは、日銀が最も重視すべき『通貨の信認」だという』と評す。納得のいく書評だが、一か所だけ、もうちょっと正確に書いて欲しかったところがある。「金融緩和を重視する人々からは反発も出よう」ではなく正確には「金融を全く知らないド素人からは反発も出よう」が正しい記述だと思う。
ちなみに、この本は、私の知る限り 黒田日銀の事務方を務めたOB以外の日銀OBからは絶賛されている。
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO84352650V21C24A0MY6000/