(ここに述べる意見/分析は日本維新の会の公式見解でも分析でもありません
私の個人的見解・分析であることをご理解ください)
1.「国民民主の『年収の壁』対策は巧妙なまやかし」
選挙中に多くの新聞が「財源の無いバラマキ政策は無責任だ」と書いた。その対応として、国民民主は税金の増収分をそれに充てると書いた。しかし政府試算によると7.6兆円の減収になるという。
今年度の税収概算では所得税収は17,9兆円である。それが10.3兆円になるのなら税収はどうなってしまうのだ?税収で一番大きいのは消費税の23.8兆円、次が所得税の17,9兆円、そして法人税が17.0兆円。これが税収の3本柱で、税収を増やそうと考えると(良い、悪いは別として)消費税率上げか課税最低限の引き上げ(=皆さんにもっと所得税を払ってもらう)しかない。その後者を増税するのではなく減税るなら消費税を上げないと十分な税収は上がらない。
また税収が増えるのは、GDPが大きくなるか、インフレが加速して、名目税収が増える時である。GDPが多くなったり、インフレが加速した場合、政府の歳出も当然増える。社会保障に回す歳出、地方公務員(警官や清掃員)や自衛隊員の給料も増える。金利も上昇し国債費も増加する。増加した分を国民に還元した羅政府はまたまた国債を増額しなければならなくなる。そうでないなら、社会保険の大幅なカット等を受け入れねばならない。増税分を財源に、などはマヤかしである。
税金を少なくしたいならば、小さな政府しかない。「大きな政府(=ばらまき)」で「低い税金」などは夢の又夢。私は「小さい政府&低い税金」論者。民間で出来ることは民間に任せろ!政府は出しゃばるな!
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA30CSD0Q4A031C2000000/
2.「バンク・オブ・アメリカCEO、米国の債務膨張懸念」
本日の日経新聞朝刊によると「バンク・オブ・アメリカ(BofA)のブライアン・モイニハン最高経営責任者(CEO)は日本経済新聞のインタビューで、米国の公的債務の膨張に懸念を表明し、米大統領選後に発足する新政権に財政の信認維持に向けた対応を求めた」そうだ。
「米国の国内総生産(GDP)比の公的債務はかなり高く、新政権が発足すればこの問題に焦点が当たる」
「財政悪化を放置すれば長期金利の急上昇(債券価格は急落)や米国債の格下げといった形で金融市場の混乱を招きかねず、米経済にも打撃になるためだ」
――>米国の債務の対GDP比は120%なのに対し、日本は250%。米国でさえ、いろいろな人から借金膨張への警戒警報がでるのに格段に悪い日本はマスコミも政治家もわかっておらずに脳天気。それどころか「日本は緊縮財政」だとの珍説を信じる人もいて救われない。
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO84559180T01C24A1EA2000/
3.「米大統領、勝者誰でもインフレ懸念」PIMCO公共政策担当」
少し古い日経新聞記事(2024年8月31日)だが米運用大手のPIMCOで公共政策担当を務めるリビー・キャントリル氏によれば
「2025年の米国の財政赤字は誰が大統領になっても拡大する。人口の高齢化に伴うメディケア(公的医療保険)や社会保障費などが増加するためだ。市場は財政支出の増加とその結果としてのインフレ進行を予想し、米金利の利回り曲線では『タームプレミアム(期間に応じた上乗せ金利)』が上昇すると考える」
――>米国のインフレや長期金利に対する考え方は私と同じ。米国をはじめ欧米諸国では「財政出動を刷れば長期金利が上昇する」と考えるのは常識。それが警戒警報となって「財政規律」がそれなりに守られる。
しかるに日本は「財政出動により国債が莫大に発行されてもそれをほぼ全部を日銀が買い取っている(山本元日銀理事によれば異次元緩和開始後、日銀は新規国債発行額の約95%相当額を市場から買い上げた)からだ。これでは長期金利は上がらず、借金増額の警報はならない。その結果、国債を買い取った日銀は通貨をバラマキ、円の価値は棄損していく。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB279W20X20C24A8000000/
4.「日本は財政健全化を、新たな支出への国債発行回避すべき=IMF高官(ロイター)」
1日のロイター通信によると「 国際通貨基金(IMF)アジア太平洋局長のクリシュナ・スリニバーサン氏は1日、日本が追加的な支出を行う場合、国債を発行するのではなく、予算内で予算内で賄うべきとの見方を示した」そうだ。
要は税収&税外収入で賄えと言っているわけで現在、完全に無視されている「財政法第4条を守れ」といっているわけだ。当たり前の話だ。
しかしながら、ここまで財政規律を無視し、バラマキと財政ファイナンスを継続してきた日本には時すでに遅し、だ。毎年30兆円から40兆円の赤字を垂れ流し借金総額が、1311兆円。10兆円ずつ返しても131年かかる(金利が上昇しないとして)までに膨れ上がっている。
それでも2024年度予算(補正予算前)では77.2兆円の「税収+税外収入」なのに112.5兆円の歳出予定。77.2兆円の税収で(131年で借金返済のために)10兆円返すとすると67.2兆円しか歳出に使えないことになる。112.5兆円の歳出を半分にしなければクリシュナ・スリニバーサン氏の提言は達成できない、ということ。消費税を明日から35%くらいにするしかない。日本の政治では無理だろうから、究極の財政再建策であるハイパーインフレでの解消しかない。国の借金は国民の資産だから、国民の資産か減り、国の借金も減ることで解消される。大増税と同じ。国民生活は悲惨。バラマキと財政ファイナンスを行ったツケ。人災。
https://search.app/LUdd21QwrFWmK5fa8
5.「大幅な借り入れと財政刺激策を警戒し英長期金利上昇」
10月31日のBloombergニュースいわく「31日の欧州債市場では英国債が急落し、今後数年間の大幅な借り入れと財政刺激策を労働党政権が明らかにして以降の下げを拡大した」
今回の日本の総選挙では「ばらまきます、ばらまきます、ばらっま来ます」の大合唱で、バラマキ程度の高い政党程議席を伸ばした。
欧米ではばらまけば長期金利が急上昇する。日銀の爆買いで人為的に長期金利上昇を抑え込んでいる日本は近いうちにものすごいしっぺ返しを食らうだろう。その時期は刻々と迫っている。史上を馬鹿にしない方が良い。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-10-31/SM7RINDWLU6800
6,「日本、戻らぬ財政規律 支出抑制はG7で最小」
少し古いニュースだが、10月17日の日経新聞記事。「(財政出動を)各国比較した。国内総生産(GDP)比でみた政府支出をみると、2020年から足元まで米国は17%減ったのに対し、日本は5%減だった。日本は米国の3分の1の減少ペースにとどまる。他国に比べ財政ルールの実効性が低い」――>そもそも2020年の段階で日本は他国に比べて、途方もないほどの財政赤字(対GDP比)を抱えていたのにコロナでさらに出動し、それをそのままで放置している。他国は財政赤字が財政破綻又はハイパーインフレ(=財政出動をした場合)になるかを知っているから、財政出動の縮小を図っているのに日本は回収が遅れているのに、総選挙の結果、又バラマキが加速しそうで、終わっている。
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO84154530W4A011C2EP0000/