(ここに述べる意見/分析は日本維新の会の公式見解でも分析でもありません
私の個人的見解・分析であることをご理解ください)
(1)米国選挙後の米国マーケット、日本のマーケット」
①米大統領選挙では予想に反し共和党の圧勝だ。いかにインフレに対する国民の不満が蓄積したのかがわかる。最近では米国に限らずインフレを起こした欧米各国の政権が困難に陥っている。要は経済をきちんとコントロールできなければ政権などもたないということ。それは国民生活に直結するからだ。ばらまきをファイナンスするために通貨を刷りまくった日本は今後円安が進み、国民生活は大変なことになる。当然政権も長くは持たない。ばらまけばいいという経済のわからない政治家ばかりで、かつインフレを抑える能力を失った中央銀行を持った国は全く頼りにならない。自分で自分を守らなければならない。最低限やるべき事はドルを保有しておくこと。
ちなみに、このリツイートに対し、以下のリツイートが私のX にきた。
「予想に反して?それで相場感が見える?」
以下のように回答した。
「当たり前でしょう。私は米国政治のプロではない。ド素人にすぎない。ド素人の分野での思い込みはいけない。出てきた結果を冷静に分析するだけ。
ちなみに予想に反して、と言っていたのは私の予想ではない・マスコミの予想。私は米国政治のプロではないから、このことで予断は持っていなかったし、持とうとも思わなかった」
② ビットコインの急上昇も凄まじいがトランプトレードが始まって以降の米国長期金利の急上昇も激しい。これはトランプ大統領の経済政策によるインフレ再燃懸念と財政状況悪化を懸念しているせいだ。債券自警団が活発に活動を始めた、すなわちマーケットがそのような過大財政出動に警告を与え始めていると言う事である。さすが強腕トランプ大統領でもマーケットを牛耳ることはできないから、その声を聞かざるを得ない。そのような仕組みで、米国はある程度暴走を避けられる。 一方、日本にはそのような自警団がいない。政府、日銀が自警団を解散させてしまったからだ。日銀が世界に冠たる規模で国債の爆買いを始め、ばら撒きをして長期金利が上昇しないようにしてしまったためだ。日銀が国債を爆買いした結果、日本で長期金利が急騰するようなことがあれば、日銀自身が膨大な債務超過になり存続不能となる。それなのに、総選挙を経て、日本ではさらなるばらまきが行われようとしている。日銀と円、そして経済はは詰みつつある。財政規律を無視し、バラ巻きを続け世にも稀なる財政ファイナンスをしたツケは途方もなく大きいものになる。
③ 昨晩ニューヨークダウは1500ドルの急騰をした。いつも言うように不動産、株、絵画等の資産価格の上昇は資産効果(保有している人たちが金持ちになったつもりになって消費を増やす)により強烈な景気刺激となる。1985年から1990年までに日本のバブルで起こっただ。まして、当時の日本に比べ、今のアメリカは株式を持ってる人が桁外れに多い。その意味で、今のアメリカの資産効果は凄まじいだろう。 ただ、当時の日本は毎年30円から40円への円高が進んでいたから、それでも消費者物価指数は極めて低く安定(0.3から0.5%)していた。当時の澄田総裁は退任時にCPIばかり見ていて、資産価格の高騰を見落とし、引き締めが遅れたと反省された。その結果の失われた30年である。当時の日本に比べ現在の米国ではドル上昇率がはるかに鈍い。従ってこの株価の急上昇が継続していけば、とんでもないインフレが加速していくと私は思う。当時の日本のバブルは過剰流動性で起きた。今のアメリカは当時と比べがないほど過剰流動性でジャブジャブである。(日本はそれ以上に格段に凄まじい) 私が1979年から80年のボルカーショックの再来があるかもしれないとずっと言っている理由である。当時のボルカーFR B議長はインフレを抑えるためには金利を上げることではなく、過剰流動性を解消しなければならないと言って、金利を放置マネーサプライを政策ターゲットとした。その結果、長期金利は20%、短期金利は24%まで上昇した。
④ 米大統領選をきっかけに、世界中のマーケットで財政赤字が1つの大きなトピックになる可能性が強い。その場合世界最悪の財政状況(対GDP比)である日本が世界から集中攻撃を受ける可能性はある。そのような状態にあるにもかかわらず、政治の世界では激しい財政出動が議論されていることを世界が知ればとんでもないマグニチュードのトラスショックが起こる可能性も高い。極めてきつくシートベルトを閉めておいたほうがいい。円をドルに変えることが保険の意味でも最低限必要なことだと私は思っている。今では助走期間だった円安はいよいよ本格的に始動し始めるのではないか?
⑤ トランプはドル安思考だから、ドル安円高に戻ると主張する人がいるがそのような幻想は捨てたほうがいい。前に何度も書いたが、ドル安思考は選挙期間中限定の民主党を引きずり下ろすための有力な主張である。ドルを安くしてインフレを加速させれば、国民は民主党政権見放すことがわかっていたのはずだ。トランプ氏が大統領になった後までドル安を志向したらインフレ再燃でトランプ人気は急落する。インフレのせいでハリス人気が急落したのを経済人であるトランプは充分わかっているであろう。弊害の多いドル安の代替として、同じ効果のある関税引き上げを考えているとも考えられる。
(2)「円安はピークか?」
昨日、以下のリツイートが私のX に来た。
「先日ある方が、円安はほぼピークと言っていた」
以下のように返信した。
「投資やディーリングをするときは、床屋談義など参考にしない方がいい。基本、私は昔から自分の説しか信じないが、参考にしたことのあったのはヘッジファンドのオーナー達と激論して得た考え方だけ。自分の全財産をかけて、寝ててもさめても財政、経済、金融のことを能汁が絞り出るほど考え抜き勉強してきた人たち’特にグローバルマクロのオーナー達)に(それもブゥドゥー経済学、金融論を信じる人は皆無だった)ドドド素人が何言っても勝てるわけがない」
ちなみに円安は、今までの助走期間を経て、いよいよこれからが本番だと思って
いる。