「日米会談は円安ドル高を決定づけた」「IMF の警告は無視していいものではない」「『短期調達、長期運用』をとんでもない規模で行っているのは日銀」他

2025年02月09日

(ここに述べる意見/分析は日本維新の会の公式見解でも分析でもありません
私の個人的見解・分析であることをご理解ください)

1.「日米会談は円安ドル高を決定づけた」
トランプ氏が多額の対日貿易赤字に触れた。日米首脳会談でトランプ氏がドル安政策を表明することを期待していた向きは一種、大喜びをしたであろう。
しかしトランプ大統領はビジネスマンだ。今、ドル安政策を取れば、今の米国の最大問題のであるインフレ再燃のリスクがあることも百も承知のはずだ。
ベッセント財務長官もドル高政策論者だ。
そこで、トランプ氏は「対日赤字は石油とガスで簡単に解決できる」と発言した。日本が米国産原油とガス輸入を急増させることで解決せよと迫ったわけだ。当然前ドル高要因。
さらには対米投資を1兆ドルまで増やすといしばそうりは約束した。これも明らかなドル高要因だ。

2.「円調達、ヘッジ無しのドル投資がベスト」
1兆ドルまでドル投資を増やすなら「円調達、ヘッジ無しのドル投資がベスト」。私が真でモルガンに勤めてオタら間違いなくNY にそう提言する。きわめて低い金利の固定金利で円調達。高い金利でドル投資。経済力と中央銀行の財務状況の差で大変な円安が進行しているから、本のわずかなドルを売って円債を償還できる。
同じような発想をする機関が沢山出てくれば円債の大量発行で円金利急騰。日銀破綻の危機、円はますます安くなる。

3.「IMF の警告は無視していいものではない」
国際通貨基金(IMF)が7日、日本の財政悪化に懸念を表明したそうだが、これに関し、単に財務省の意見を反映しているだけだから無視していいなどと言っている人もいるようだが、軽視しない方がいい。日本人がたとえ無視しても、格付け機関や日本を分析する外国人はその分析を重視する。外国人の日本に対する見方がますます厳しくなる契機となる可能性は大いにある。

,「『短期調達、長期運用』をとんでもない規模で行っているのは日銀」
農林中金はFRBの利上げにより保有債券に含み損が拡大した党の理由で通期の最終赤字が1兆5000億円から2兆円規模になりそうだとのこと。
同じ日に流れた「日産の再建には5000億円以上の損失が不可欠」とか「明治安田が米個人保険買収のため英社出資含め約5000億円使う」などのニュースの金額と比べてみれば以下にドでかい損失額かが分かるだろう。
金利上昇期に「短期調達、長期運用」で破綻したSVB (シリコンバレーバンク)と同じポートフォーリオのせいだ。
なお、金利上昇期なのに「短期調達、長期運用」を世界でもとんでもない規模で行っているのは日銀。金利を上げれば、とんでもない損失が計上されるだろう。インフレがいかに進んでも金利を上げられない。日銀はもう摘んでいると私が言う理由。そんな中央銀行を外国人は信用しなくなる。

5.「ドル債発行を下日本企業が為替ヘッジをする理由」
先ほど以下のリツイートが私のX にきた。
「日本政府や企業が$で資金調達する場合、将来円高になれば償還資金の$をより少ない資金で手当できるので差益になる筈。先物でヘッジするのはご指摘通りですが、それは円高でなく円安リスクに備えてでは?」
以下のように回答した。
「日本政府や企業がドルで資金調達をする場合、ドル金利が高いので円債発行より高コストになってしまいます。円債発行と同じ利回りにするためにドル債発行と同時に為替の先物ドルを買って(先物ヘッジをして)ヘッジ利益でドル金利の高い分を埋め合わせするのです」

6.「儲ける方法」
本日、以下のようなリツイートが私のXにきた。
「藤巻先生!そんなに言うなら、儲ける方法教えてくださいよ!!」
以下のように回答した。
「『ルを買っていればいい』、何千回言っているのか?70円から150円になっても儲けられない人が不思議でならない。もっとも私は儲けるためではなく、自分の家族と自分を守るための保険としてドル購入が必須と言っていますが」

7.「日米金利差が開いている現状があればドル投資が優勢」
本日、以下のようなリツイートが私のXにきた。
「からすみませんが、今円キャリーは起きてないんですよね🥺
去年解消されて今は円買いが積み上がってます」
以下のように回答した。
「日米に金利差があれば通常はドル買いが起きる。例えば今米国の30年債は4.65%、日本の30年債は2,27% 。米国債投資の方が毎年3.68% 儲かる。30年間で3.68%×30年、米国債投資の方が68%、より多く儲かる。複利ではもっと米債投資の方が儲かる。30年後にドル円で68%以上円高、すなわち1ドル40円台になていないと思う人はドル債投資をする。これが基本。」
以下、追伸
「個人は信用リスクの問題で先物取引の相手に銀行はなってくれないが、プロは金利差に関しては為替先物で勝負をする。皆さんが考えているキャリートレードではない。日米金利差が大きく開くと、1年の先物ドルの購入値段は安くなる。たとえば、現在1ドル150円のドル円の1年先物値段が140円とする(日米金利差で決まる)。先物取引とは約束だけ。1年後のドルを140円で買う約束だけで決済(ドルと円の実際の交換)は1年後。このケースの場合、今後1年間で円高が進み139円になればドルの先物を買った人はたしかに損をするが、1年後のドル円が142円なら、1年後のドル先物を買った人は2円の儲け。このように日米金利差が開けば、儲かるチャンスが大きくなるが多少縮小しても、ドルの先物を購入していても儲かる確率は多少小さくなってもやはり儲かる確率は大きい。したがってドルの先物を買うプロは日米金利差が縮小しても多い」