「円高が進むと株価が落ち日銀の保有株の評価益が縮小する」「現在の生保国内債の含み損は19兆円程度か?」「現在の生保国内債の含み損は19兆円程度か?」他

2025年02月20日

(ここに述べる意見/分析は日本維新の会の公式見解でも分析でもありません
私の個人的見解・分析であることをご理解ください)

1,「円高が進むと株価が落ち日銀の保有株の評価益が縮小する」
今日は、円高により株価が落ちている。円安が止まると金利を引き上げなくて済むと日銀はホッとするかもしれないが、今後は円高のせいで株価が下落しては、せっかく純資産を保持している株の評価益が減っていく。
「通貨の信用のために中央銀行たるもの、価格が上下する資産を買ってはいけない」との大原則を大やぶりしている日銀は、万事休すに近づいている。

2.「生保国内債含み損11.7兆円」
本日の日経新聞の中の一文「少数与党の石破茂政権は歳出拡大を求める野党への配慮を迫られ、財政規律は緩みやすい。大手生保の関係者は『何かの拍子で金利が急騰する事態も想定しなければならない』と指摘する」。まともな経営者なら当たり前の発想。今の長期金利のジリ高はこのせいだろう。
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO86843620Z10C25A2EE9000/

3.「現在の生保国内債の含み損は19兆円程度か?」
先ほど載せた日経新聞「生保国内債含み損11.7兆円」の記事によると2024年12月末時点で生保の国内債含み損は11兆7060億円とある。10年債金利は1.08%で現在は1.44%だ。
となると損は相当含膨らんでいるはず。私の単純計算では 約19兆円、
すでに軽視できる数字ではない。これ以上の長期金利上昇があればどうなるのか?
計算根拠は以下の通り。
過去のマスコミ報道を紐解くと2022年12月の評価損は3600億円。この時の長期金利は0,5%。昨年12月(10年金利1.08%)で11.7兆円の含み損だから0.58%で11,4兆円の損失発生ならば、1.08%から1.44%にさらに0.36%上昇しているならさらに7.2兆円もの損の拡大。もっとも実現損を抱いていないとか最近大きく買いましていないとの前提。

4.「農中保有の国内債に含み損はないのか?」
外国債ので大きな損失を出した農中はポートフォーリオマネジメントがあまりにプアだと言わざるを得ない。外国債の管理がプアでデ国内債のポートフォーリオマネメントは素晴らしい、とも考えにくいので、国債債でもそれなりに大きな評価損をかかえている可能性はないのか?
生保も地銀も農中もかなりの評価損を抱えていると考えられる。さらに、日銀はすでに凄まじい評価損だ。
長期金利の上昇が止まるとは思えない。これ以上の長期金利は、日本の金融システムに大きな悪影響を与える可能性も?
そうなれば当然御トリプル安(株、債券、円の暴落)だ。気を付けたほうが良い。

5,「現在の債券下落理由は需給要因」
私は大学卒業後、三井信託銀行に就社した。社内留学制度で米国ビジネススクールに留学し、1980年帰国し、本店外国部資金為替課に配属になった。1980年尾ことだ。当時は三井信託井のディーリングルームに、今では各トレーダーに何台かずつ置かれている情報端末スクリーンが、資金課長席に1台、為替課長席に1台しかなかった。ディーリングするにはいちいち、そのスクリーンを見に行かなくてはならなかった。当時、国際シンジケートローン分野で都銀に立ち遅れていた信託銀行はディーリング益で国際業務の利益を上げようと銀行業界の中では最も積極的にディーリングに励んでいたのに、その程度の設備だった。それから国会議員になるまでずっとマーケットに携わっていた私は「銀行員はジェネラリスト」の日本に於いては稀有な履歴を持った日本人だ。その私は長年のマーケットで、相場の決定要因はファンダメンタル是腕あり需給は綾、と信じ為替、国債、株のトレーディングを行ってきた。
その私が初めて「この相場は需給で決まる」と信じているのが現在の「日本国債相場」である。今の長期金利上昇は景気上昇だからだとか、日銀が利上げしそうだからだとか、物価上昇だから、というのが主たる理由ではない。
それまで全く参加していなかった日銀が長期国債市場に参加し始め(禁じ手中の禁じ手の財政ファイナンスの結果)、2013年間から10年間で政府発行新発債発行額の95%をも買い取るようになったからだ。
どんなマーケットまで、それまで市場参加者でなかった機関が突然現れ供給量の
95%も買えば価格は爆謄する(=長期金利は暴落)、インフレ過熱が威嚇になった日銀は国債の買オペ(=お金のバラマキ=お金の価値の希薄化=インフレ)を継続できなくなる。最大の買い手がいなくなった市場で替わりの買い手が出てくるには相当の価格暴落を待たねばならない。特にインフレが深刻化すれば日銀の国債購入は極端に減らさざるを言えない。
子の需給のバランスの崩れとそれへの恐怖が、今の長期金利上昇の主因である。その金利上昇のスピードに綾を加えるのがCPI とか景気動向等の段ダメンタルズである。

6.「現在の10年金利1.44%などまだまだ超低金利」
先日も書いたが現物債よりはるかに大きな規模の国債先物市場では10年6%クーポンの架空国際を取引している。なぜ1985年の創設時に6%クーポンを採用したのか?当時10年金金利の平均は6%と関係者が思っていたからだ。
ところで私は1988年だったか初めて住宅都市公団から借金をした。私が国債トレーダの時だ。その時、大蔵省理財局の係長だったか課長だったかの宮沢洋一君(現自民党税調会長)と話をした。「フジマキ、お前、借金したって?うまい時にやったな~、我々が生きている間で最低の金利かもしれないな~。さすが名トレーダーだ」と言われた。
宮沢君は国債発行の現場責任者。私は当時売り出し中の国債トレーダー。国債の買い手と買い手の中心人物同士が我々の生きている中で一番低いと思ったときの10年物金利が4%後半・大外れだったわけだが、今の1.44%など歴史的に超低金利なのだ。マーケットが大きく変わった時、いつも聞く言葉は、地代が変わった。しかし、「時代が変わった」で原因を説明できるマーケットの動きはそうはない。
(ちなみに宮沢君とは小学校・中学校9年間のクラスメートで同じ歳)

7.「どうすればハイパーインフレになるのか?」
昨日、以下のようなリツイートが私のX に来た。
「植田氷見野内田etc 逆にどうやったら今の日銀でハイパーインフレになるのか教えて欲しい」
以下のように回答した。
「答えはきわめて簡単。中央銀行が信用を失うこと。金融マンにとっては常識でわざわざ触れていただく必要もないことではあったが、雨宮元総裁副総裁も日本金融学会でおっしゃってますわ。中央銀行が信用失う1つのきっかけが債務超過」。

8.「伊勢丹で獺祭フェア」
昨日から2月25日まで、伊勢丹新宿店で獺祭フェアが開催しされている。獺祭フェアといってもただの催事ではなくその週の伊勢丹の顔になるもの。なので中心となる展示場は「ザ・ステージ」と呼ばれるスペース。
ショーウインドウの多くも獺祭。社長の櫻井さんもいらしたので、一緒に写真撮影をした。獺祭がブレークする前から、会長とお付き合いがあったので、岩国での現社長の結婚式にも出させていただいたことがある。当時若かった櫻井社長も今や白髪の落ち着いた好紳士。
私の弟の幸夫(生前、伊勢丹のカリスマバイヤーと言われていた。その後福助社長)が生きていればどんなに喜んだことだろうという話をした。

dassai dassai b3 獺祭2