参議院財政金融委員会 黒田総裁との質疑応答 2019/5/09

2019年05月10日

1.外貨預金の為替益を現在の総合課税(雑所得)から20%源泉分離にすべし。
昨日は銀行協会の方々をお呼びして、外貨預金の為替益を「20%の源泉税」扱いに国税当局に要望を出したら?と提案。現在は総合課税(雑所得)なので最高税率55%(地方税を含む)、損益通算は出来ないし、損の繰り越しも出来ない)

国税当局が仮想通貨税制を20%源泉分離にすると外貨預金との平仄が合わないという。ではセットで変えれば、という話。どちらも租税法の大家・金子弘先生が譲渡所得とおしゃっているのだから。雑所得とは他の9分類の所得区分にはいらないものと法律で定義している以上、金子宏先生の譲渡所得説が間違いというのを立証するのは国税当局にあるはずだ。当局にとって、これは難しいぞ~。

参議院財政金融委員会_藤巻健史2

 

2.「日本は計画経済だと言っている経済学者はいない」との黒田総裁答弁

昨日の財政金融委員会で、日本では株式市場も国債市場も市場原理の働かない日銀が跋扈している。資本主義の根幹である市場経済を封印しており消費者物価2%達成のために日本をソ連のような計画経済国家にしていいのか?と聞いたら、黒田総裁の答えは「日本を計画経済という学者は誰もいません」でした。
「誰も言っていなくても私は言ってます」と返しておいた。
私が1990年代後半最初にはインフレが必要だ(のちに資産インフレが必要に修正)論を唱え始めたときも、バブル崩壊がちかいぞとポジションを閉じたときも、日本に19のメガバンクは多すぎ3行くらいに集約するぞ、といった時も、そういうことをいう学者は一人もいませんでしたけれど。経済学者と名乗られても?? と思う人もいるが、経済学者のみが正しいと言うのも間違い。

 

参議院財政金融委員会_藤巻健史

 

3.以下、昨日の財政金融委員会の質問通告です。
(質問通告をしたものの時間がなく質問できなかったものは省いています)
回答の議事録は、月曜日以降、手に入り次第、更新いたします。
(1)(円高が進んだら、日銀は米国債を買うしか円高防止の手段は無いのでは?)
これは質問中、ドル円が110円をわったので質問通告をしていなかったにもかかわらず質問したものです。
(2)(暗号資産について)
2013年に当時のFRBのバーナンキ議長は米上院国土安全保障・政府問題委員会にあてた書簡の中で「仮想通貨が1990年代から注目を浴びてきた点に言及。効率性や安全性などが求められるとはいえ、Bitcoin and other virtual currencies “may hold long-term promise”という表現で長期的な価値があることを認めている。「これに関し2013/11/19付日経新聞は「基軸通貨であるドルを発行するFRBにとってもビットコインは無視できない存在になりつつある」と書いている。現時点での黒田総裁の暗号資産への認識をお聞きしたい。
(3)MMTについて
MMTに関してどう思っているか?
(4)計画経済化について
日銀が株式市場と債券市場でモンスターになっている現状を計画経済と言わないか?
(5)財政規律について
日銀の国債爆買いで長期金利が上昇せず財政赤字に対する危機感を喪失させているのではないか
(6).ステルステーパリングについて
相変わらず年間80兆円の長期国債増を掲げている。どこまで購入増額を落とすつもりか?
(7)利上げに伴う債務超過の可能性について