為替の重要性 暗号資産のETF(臨時版)

2019年05月25日

1.日銀は株をいくらでも買う“モンスター”

今週の週刊朝日「虎穴に入らずんばフジマキに聞け」は 「『日銀は株をいくらでも買う“モンスター”』フジマキが日銀頼みの危うさを超解説」というタイトルで週刊朝日のホームページで全文無料で読めます。

https://dot.asahi.com/wa/2019052300027.html

 

2.為替政策を使用できないギリシャの悩み

ギリシャが緊縮財政に堪えられなくなり再度の財政拡大とのこと。袋小路だ。本来、観光立国ギリシャの経済立て直し切り札は、自国通貨安政策だ。景気が悪くなればと自国通貨(ドラクマ)安で海外からの旅行客が増えた。ユーロという地域同一通貨参加後はそれができないから悲惨。

https://www.nikkei.com/article/DGKKZO45261640U9A520C1FF8000/

 

3.EU離脱と為替の関係

メイ首相がEU離脱に苦しんでいる。それでも英国は通貨ユーロを使っていないから離脱ができる。通貨ユーロ参加国は離脱が極めて困難。ギリシャ危機の時、JPモルガン時代のギリシャ人同僚に「離脱したらどうか?」と聞いたら、「離婚は結婚より難しい」と言われた.。ちなみに六本木ヒルズに事務所を構えていた時、秘書に「モウ牛山ビルに行って来て」と言ったら「社長、わかりやすいとは思いますが、それ違います。メイ牛山ビルです」メイ牛山ビルとは美容界の大家メイ牛山さんの所有ビルだ。

https://www.nikkei.com/article/DGKKZO45217240U9A520C1EA1000/

 

4.人民元安は関税引き上げへの対抗策

1980年に1人民元を買うのに160円したものが今はたった16円で買える。この人民元安が中国を経済強国にした1ドル360円時代に日本経済がグイグイ成長したのと同じだ。日本の政治家は為替の重要性を理解していない。私が30年近くにわたり穏やかな円安政策で景気回復、デフレ脱却を主張していた理由だ。

この記事には重要な記述がある。「中国が米国の関税引き上げ分を相殺するため、元安を容認しているとの見方も浮上する」。TPP11等で関税が上がる農家への補助金も一法、同率の円安誘導するのも一法。私は長年,税金投入を不要とする円安誘導論者だが国会でも農水省はわかってくれない。円安誘導策はいくらでもある。マイナス金利政策(黒田日銀のマイナス金利政策とは違う)、日銀の米国債購入、日本国債のドル建て発行、ドル預金の為替益を「総合課税から20%の分離課税へ」等。異次元緩和はハイパーインフレに追いやるから最悪。

https://www.nikkei.com/article/DGKKZO45217240U9A520C1EA1000/

 

5.暗号資産のETF

昨日、JPモルガン時代の同僚エリック(JGBオプショントレーダーだった)が仲間数人とともに事務所にきて暗号資産のETF導入に力を貸して欲しいとの要請を受けた。今、何が問題になっているのかよく分かった。マーケットの厚みを増す点、ハッキングの被害を最小限にできる点、税金の面からもETFは望ましいと思っていた。昨日の会合で、何が導入の障害になっているのかを理解した。今週木曜日の財政金融委員会で聞くこととする。