$/¥の動き、暗号資産ETF他  (臨時版)

2019年05月29日

1.為替

米国債10年物金利が2.22%まで下落してきた。昨年8月には3.22%をつけているから1%下落している。日米金利差はかなり縮小しているから、本来ならドル円は100円を大きく割ってもおかしくないのに109円で踏みとどまっている。円の避難通貨としての評価が変わって来たせいだと思う。今後、米国金利が上昇しはじめた時のドル円の動きが注目される。

 

2.明日の財政金融委員会

明日の財政金融委員会で暗号資産について質問します。11:36-12:04までです。後日、議事録、you tubeをアップいたします。質問通告は暗号資産取引での損失を年金とは通算できるのに、給料とは通算できないのは高齢者優遇税制ではないのか?②。暗号資産ETFに関して金融庁はどう考えるか? ③信託法第2条や投信法施行規則第19条第3項第1号に暗号資産を明記することによってETFは可能になるのではないか?④ETFが出来たら20%分離課税と理解していいか?⑤現状暗号資産は明らかに支払い手段ではない。それなら資金決済法、消費税での暗号資産の定義を変えるべきではないのか?⑥定義が変わったら「譲渡所得に起因する資産」となるのか?(譲渡所得に変わるか?⑦訴訟になったときは情報第4号の法的根拠が問題になると思うが、国税は充分説明が出来るのか?⑧国益を考え、金融商品の一種として、申告分離課税のグループに入れてあげるのは、一つの手だと思うがいかがか? ⑨法人所有の暗号資産を一律に時価評価としたのはなぜか?保有目的で時価評価すべきか考えていいのではないのか?⑩渋沢栄一1万円札などの紙幣刷新をなぜ今頃することにしたのか?

 

3.銀行がリスクの高い商品に手を出し始めた。

農中など大手金融機関がローン担保証券(CLO)の保有を急拡大していることが財政金融委員会でも問題になっている。CLOとは財務内容の悪い企業への融資債権を証券化した金融商品で、サブプライムローンを思い出す。異次元緩和の弊害だと思う。異次元緩和により国債の爆買いで、銀行の有力投資先商品である国債金利はゼロ。長短金利差が無くなり貸付でも儲からない。おのずとリスクの高い商品に手を出さざるを得なくなる。

以前、私は地銀の生き延び策として全国地銀協会の調査月報に「外貨商品を買え」と書いた。多くの地銀が実行したのだが、ほとんど全部為替ヘッジ付きなのだ。為替のヘッジがつくと理論上、円商品と同じ利廻りになってしまう(先物ヘッジコストが高いので)。だから私はヘッジなしの外貨商品を買えと主張していたのだ。しかし為替リスクを取りたくないと言うのはなんなのだ?大昔の為替持高規制のトラウマなのか?CLOのような商品よりよほどに為替のリスクはコントロールしやすい。流動性も抜群に高い。為替リスクを取らないとより大きなリスク、すなわち「儲からなくて倒産」というリスクが出てくる。JPモルガンは経営陣の判断で全社的にドでかい為替リスクを取っていた。たとえば「ユーロを調達しドルで運用する」などだ。それが4~5兆円のJPモルガンの年間純利益とたったの数千億円に過ぎない邦銀の純利益の差の要因の一つだと私は思っている。

https://www.asahi.com/articles/DA3S14032382.html?iref=pc_ss_date