普段は時代小説しか読まず他の方が書いた経済・金融の本はほとんど読まないのだが、勧められて、日銀の頭脳と言われた前日本銀行理事・早川英男さんの「金融政策の『誤解』」を読んでみた。日銀の現政策に極めて懐疑的なのは私と同じだ。「しかし、2%目標が達成された暁には前章で述べた、全章で述べたように日銀が巨額の損失を被るだけでなく、本章で見たような金融システムの不安定化、財政破綻といった深刻な危機を招きかねないのだ」。私が日銀が債務超過になると主張しているのと同じ。早川さんは財政破綻のリスクをおっしゃっているが、私はハイパーインフレから新中央銀行の新設を予想している。日銀出身の早川さんは、それは避けたかったのかも?「実効性のある資本規制がなければ、これは円安―>インフレ率上昇―>国内金融資産の実質金利低下―>さらなるキャピタル・フライトというかたちの悪循環、まさにヴィクセルの累積過程が発動してしまうからだ」「『財政破綻に瀕した日本が金融抑制を行おうとしたことが、世界的な仮想通貨の拡大=中央銀行の没落につながった』などと後世の史書に書かれたくないものだ」私が避難通貨として暗号資産を考えてせめて口座だけでも設立し、千円でもいいから買う練習をしておくといいと言っている理由だ。