1.昨日の米紙NYタイムズ に私の発言(MMTに関して)が載った。
“Mr. Abe says that Japan should not be made into a testing ground for M.M.T.,” said Takeshi Fujimaki, a Japanese lawmaker and an M.M.T. critic
who is a director of the Upper House’s Committee on Financial Affairs. “But from my perspective, I’m thinking, ‘Aren’t you experimenting already?’”
Thanks to Mr. Abe’s unintentional experiment with M.M.T.-based policies, the Japanese economy is already in crisis, Mr. Fujimaki warned.
Going any farther down that road will only lead to sharp inflation, he said.
2.地銀は大丈夫か?
本日の日経新聞に「地銀決算 有価証券頼みに限界」という記事がある。
記事には「13年に始まった日銀の異次元緩和を受け、国債の利回りはゼロ%近辺まで低下した。地銀の利益の源泉だった長短の金利差はほぼ消滅した。だめ押しが『お宝国債』の消滅だ。」とある。
異次元緩和が継続すれば地銀に限らずメガも信金にも危機が訪れ、大混乱が起こるだろう。預金保険機構に準備された資金では足らず、預金が返ってこないケースも考えられる。日銀が長期国債を購入して強引に長期金利を抑え込む(=国債マーケットや株式市場で日銀がモンスターになる)「計画経済」の終焉が近いということだ。膿が溜まりすぎた。リフレ派による人災だ。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO45717860V00C19A6EE9000/
3.計画経済はいつまでうまくいくのか?
現在、日銀は株式市場と国債市場でモンスターである。政府は「%の賃上げをせよ」「携帯電話の代金を値下げせよ」と民間活動に介入する。これを計画経済と言わずになんという。
景気対策は本来「民が主導するか」0r「官が主導するか」の選択だ。財源が限られているからだ。財政出動は税金を多く集め、「官」が景気刺激策を打つ。税金が高いから「民」は使える金が減り景気回復の活力にはならない。
「財政出動せよ」論者は「民の代わりに国が景気回復を担え」という主張だ。計画経済論者、社会主義論者で計画経済がさらに進む。
「計画経済深耕は問題だ」とのクレームが日本で起こらないのは、リフレ派が「足りない分は日銀がお金を刷ればいい」と喧伝するからだ。新しいお金(=原資)がどんどん刷られてくるから、「民もやれ、官もやれ」となる。そして借金がたまる。
計画経済でたまった膿の一つがこの地銀問題だ。紙幣を刷る(=正確には日銀当座預金の積み増し)のための国債爆買いー>長期金利急低下―>地銀の収益の根幹の長短金利差喪失。地銀の体力の消耗時が計画経済の終焉のきっかけの一つとなる。大ショックを伴いながら。リフレ派政策は人災を引き起こす・。
(イラストは妹の岡久美子)
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO45739070V00C19A6MM8000/