(臨時版)トンデモ理論のMMT、財政健全化、議論空虚に他)

2020年01月18日

1.財政健全化、議論空虚に

目標とする25年度の基礎的財政収支(PB)黒字化は一段と遠のいたそうだ。2010年のトロントサミットで他国がコミットした財政再建目標に、世界最悪の日本は当然、達成不可能ということでPB黒字化という5周遅れの目標を認められた。そのせいか当時はPB黒字化は国際公約とまで言われていたのに、今やそんな雰囲気さえもない。そもそもPB黒字化は達成後に、名目成長率が名目金利より高ければ、すなわち税収増が金利増よりも大きければ累積赤字が縮小するという話だが、日本銀行が異次元緩和を辞めたら長期金利は急騰し、その条件は達成は見たし得ない。借金総額はバルーンのように巨大化する。https://www.nikkei.com/article/DGKKZO54501290X10C20A1EA4000/

 2.トンデモ理論のMMT

国家の借金と家庭の借金は違う。国家には徴税権があるから。これが昔の議論。借金は必ず返さねばならない。ここまで借金が大きくなると尋常な増税手法では借金が返せない。ならばハイパーインフレという大増税しか政府に選択の余地はない。異次元緩和はその実行策。インフレを済学ではインフレ税という。大増税はハイパーインフレ。これがハイパーインフレの歴史。ハイパーインフレという大増税で財政は再建されるが国民にとっては地獄。MMTには借金は返さなくてはならないという認識が欠如している。財政バラマキ派には都合が良くても、借金は必ず返さねばならない。だからMMTは「未来MはもっとM大変T」理論と言われる。 

3.白川前日銀総裁の退任会見

「ジリ貧から脱出しようとしてドカ貧に陥る」ことはままある。民意を反映する政治は目の前にあるジリ貧を避ける政策を打ちたがる。、しかし中長期的な経済発展をしたいのならドカ貧を避けなければならない。それが中央銀行の役目で中央銀行の独立性が重要な理由だ。私の言うジリ貧とはデフレのことで、ドカ貧とはハイパーインフレのことだ。

4.円の理論値 1㌦=107円??

本日の日経新聞1面では「円が理論値より割安」と結論付けているが、こういう数字はいつと比べるかで結論が180度異なる。1360円の1972年と比べれば円は超超割高のはず。そもそも「ジャパン アズ NO1」と言われた1980年頃のドル円が240円。あんなに強かった日本がポシャり、超低空だった米国経済が世界No1に回復したのに円は110円。あの当時が正しい為替ならば今は1400円のはず。日本経済がこの40年間で世界ダントツのビリ成長だったという事実が円が割高の証左だ。https://www.nikkei.com/article/DGXMZO54516980X10C20A1MM8000/

5.池田信夫先生のコメントに対しての反論

池田先生が私のSNSに対してコメントをくださったが、以下その回答。「『銀行は預金の何倍も信用創造で貸し出しているので、すべての預金者が一挙に預金を引き下ろすと必ず破綻する』との記載がありますが、個々の銀行の財務諸表を見ていただくとわかりますが、銀行は預金以上の貸し出しは行えませんし行っていません。すべての預金者が一挙に預金を引き下ろすと銀行が破綻するのは「貸し出しの回収は一瞬には出来ませんが。預金の引き出しは一瞬なので、預金者の返済に応じる資金不足になる」からではないでしょうか?