(臨時版)日銀は大丈夫か?政府・日銀はシムレーションをすべし

2020年03月10日

 1.今こそドル買い

先ほど、TBSラジオの「生島ヒロシのおはよう一直線」で「今、円しか持っていないのは倒産しそうな会社に勤めながらその会社の社内預金と自社株しか持っていないようなものだ。保険の意味でもドルを買った方がいい」と話してきた。1か月前には1.71%あった日米長期金利差が(10年)、もう0.75%しかない。日米長期金利差とは経常収支と並ぶ為替のレベルを決める二大要因お一つだ。それ以上に円には大暴落のリスクがある。ドルを買うにはいいチャンスだし、最後のチャンスかもしれない。

2.日銀は大丈夫か?

日経平均は夜間取引で19000円を割ってきた(18,860円)。本日の日経平均も大変で長い1ひとなるだろう。日銀は金融政策で株を買っている先進国唯一の中央銀行だ。それも今年中には日本最大の株主になるほどの爆買いだ。株下落で経済を心配するのはわかるが、中央銀行の心配をしなくてならないのは日本だけだ。「18年9月時点の株保有額で日銀が株の評価損を抱え始めるレベルは18,000円」と副総裁が国会で回答した。。その後、さらに高い値段で購入しているからブレークイーブンポイントは、それより高いだろう。本日、それを割り込む可能性もある。そしてこの調子で日経が下落を続ければ日銀は債務超過だ。

3、政府・日銀はシミュレーションをするべき時

債務超過とは民間で言えば倒産状態。政府・日銀は日銀が債務超過になったときのシミュレーションや対策を考えておかなければならない段階に入ったと思う。日銀は簿価会計を採用しているから大丈夫などとのんきなことを言っている場合ではない。マーケットは厳しい。時価で評価する。債務超過の中央銀行が発行する通貨など誰も信用しない。ドル決済の原油を買おうと石油精製会社が円をドルに変えようと思っても大量の円を渡さないとドルを売ってくれなくなる。ひょっとしたらどんなに円を積んでもドルを売ってくれなくなるかもしれない。

4.邦銀もコンテンジィーシープラン作成の時期

今、世界の金融機関の審査部門は融資先(国債購入を含む)の信用リスクの判断で大忙しだろう。自社を倒産させないためだ。外資系企業は、国であろうと中央銀行であろうと倒産するとの前提で、信用枠を設けている。私が勤めていたJPモルガンにも当然あった。彼らは当然、時価評価で判断する。もし日銀が債務超過になれば日銀や国への信用枠は急速に縮小するか廃止だろう。外国勢の国債投げ売りや先物での仕掛けが入ることも予想される。日銀への信用枠が縮小‣廃止となれば、金融システムが揺らぐとして邦銀への信用枠が急速に縮小する可能性は大だ。ドルを借りて、ドル融資をしたり米国債を購入している邦銀はピンチである。ドルを借りられなくなったり、ジャパン・プレミアムが高騰し、とんでもない金利を要求される可能性があるからだ。政府・日銀だけでなくグローバルにビジネスを展開している邦銀も、倒産したくなかったらコンテンジィーシープラン作成の時期だと私は強く思う。

5.太陽黒点説??

大変申し訳ないが、「太陽黒点節」で経済を語り始めた段階で私的にはアウトである。その方の主張は以後信じない。

http://www.msn.com/ja-jp/news/money/%e3%82%a2%e3%83%b3%e3%82%b0%e3%83%ab%e6%96%b0%e5%9e%8b%e3%82%b3%e3%83%ad%e3%83%8a%e3%82%b7%e3%83%a7%e3%83%83%e3%82%af%e3%80%81%e5%a4%aa%e9%99%bd%e9%bb%92%e7%82%b9%e3%81%8c%e7%a4%ba%e5%94%86%e3%81%99%e3%82%8b%e3%83%96%e3%83%a9%e3%83%83%e3%82%af%e3%82%b9%e3%83%af%e3%83%b3%e3%81%8b/ar-BB10W3IO?ocid=ientp

6.エ、日経平均急落よりプロ野球開幕延期のニュースが先?

昨日夕方のTVニュースは、各局、経平均急落よりプロ野球開幕延期のニュースが先だった。え、この国のマスコミはどういう感覚しているの?という感じだった。