1.1万9500円が日銀の損益分岐点
日銀が存続しうるか?紙幣価値がなくなり国民が地獄をみるかを判断する一里塚として、1面トップに相当する記事だと思うが、小さくでも記事を載せただけ日経にはまだ見識が残っていたといえるのか。なにはともあれ1万9500円が日銀の損益分岐点ということ。https://www.nikkei.com/article/DGXMZO56628930Q0A310C2EE8000/
2.非常に厳しい危機が起きた際の対応
山口広秀氏は現役の日銀副総裁だった頃、冷静にモノを見る非常に優秀な方だったとの記憶がある。現在は日経平均19614円で評価損が発生する19500円に接近中だが、山口氏のおっしゃる「その先の非常に厳しい危機」とは「日銀の債務超過―>ハイパーインフレ発生―>鎮静策としての日銀倒産(円紙幣は紙くず)、新中央銀行の設立」までを考え、その対応策を考えよとおっしゃっているのではと邪推してしまう。他人の心の中は覗けないが。山口氏いわく「10日の株価上昇をみても、市場にはある種の楽観論が残っている。ただ今後そうした楽観論を裏切るハードデータが出てくるだろう。ますます市場や企業、消費者心理が悪化すると懸念している。当面の政策もさることながら、日銀はその先の非常に厳しい危機が起きた際の対応を同時に考える必要がある」https://www.nikkei.com/article/DGXMZO56634050Q0A310C2EE8000/
3.多少なりとも余裕のある米国、何もできない日本
米政府の減税等の景気対策期待で米国株が上昇した。財政、金融政策を極限まで発揮してしまい、もう手が無い日本と違い、米国には多少なりとも余裕がある。減税すれば国債増発となる(だから米長期金利が上昇)が米国債は「世界の基軸通貨であり避難通貨」だから買い手は世界の政府、民間等いくらでもいる。一方、日本の場合、今、国債を買い増しているのは日銀と(ジャパンプレミアムを利用してマイナス幅の大きい円を作り出せる。しかし需要としては極めて不安定)外国人のみだ。しかも株価下落で日銀の財務内容が悪化すれば購入枠がなくなり強烈な売り手となる。目一杯財政出動をしてきてしまった日本は、さらなる大規模財政ファイナンス(中央銀行が政府の借金を紙幣を刷ってファイナンス)しか手法は無いが、ここまで借金が大きいと、それも難しい。平時にも財政、金融政策を極限化させてきたツケである。https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2020-03-10/Q6ZU51T0G1KY01?srnd=cojp-v2