(臨時版)現金化ステージ? 黒田さんの心境他

2020年03月14日

1.リスクオフは「現金化ステージ」に、株式と債券の同時安

「金融市場でリスクを回避しようとする動きが次のステージに入ってきた。株式から債券など安全資産に資金をシフトさせる段階から、どの資産も売られる現金化の段階に移行しつつある。」仮想通貨にまで売りが及んでいることを考えると、正しい分析かもしれない。昨晩のNYの動きは違った(国債は売られたが株は買われた)ものの、もしこの記事の分析が正しく、株と国債の同時下落が世界的に始まれば、ヘッジファンドが先物で日本国債の売仕掛をしてくる可能性は大きい。今までは何度も失敗してきているが、この地合いでは今回も失敗するとは断言できない。日本国債が売られれば日銀は完璧にアウトだ。ほんの少しの金利上昇で莫大な評価損が発生するからだ。株の比ではない。(他の中央銀行は、少しの金利上げでは評価損など全く生じない。現時点でのFRB(正確にはわからないが)の保有国債の利回りは2%以上はあるだろう。日銀保有の国債の平均利回りはその10分の1程度しかない。すぐに評価損発生だ。現金化ステージに入ったら、債務超過に即陥るような財務の日銀が発行する円など誰も欲しがらない。円暴落(=ハイパーインフレ)だ。私が保険の意味を兼ねてドル買いをお勧めしている理由でもある。https://jp.reuters.com/article/analysis-stock-bond-idJPKBN20Z3S3

2.黒田総裁の心境

NY株の急騰で黒田日銀総裁は、少しは心穏やかな週末を送れるだろう。真の資本主義国・米国は(比較的とはいえ)やはり強い。株式市場でも昨日のように自立反発が起きる。下落がまだ今後続こうとも昨日のような自立反発が時々起き、下落はマイルドになる。一方、、日銀が主導する官制相場の日本市場では自立反発が起きない。日銀の介入により「かさ上げ分の剥落」を恐れるからだ。反騰は日銀の介入を伴わないと起こりえない。市場原理の働かない日銀が「株・長期国債・不動産市場」のモンスター(特に国債)となり官製市場にした罪は大きい。そして、それがゆえに日銀が債務超過、倒産リスクにさらされているし、国民はハイパーインフレのリスクにさらされることとなった。 

3.今、株市場で逆張り(=株買い)が出来るか?

私はディーラー時代「逆張りのフジマキ」と呼ばれた。その私でさえ、今、世界の株式市場で買い持ちにする勇気はない。逆張りはギャンブルではない。市場が一時的に、ファンダメンタルズに反していると思う時にだけ行う。逆張りは相場の流れに反するから当初、損が膨らむ。自説によほどの自信がないと精神的に耐えられない。これから逆資産効果の影響もあり、倒産、失業等の経済悪化事象が具現化していくと思うが、この相場水準が、そのすべてを織り込んでいるとは過去の経験からしてmどうしても思えない。私は日本株の下落はまだ全く終わっていないと思う。日銀が買ってくれるうちに逃げた方がいいと思う(注:ポジショントークだと誤解されると嫌だから述べておくと、私は今、日米株とも買い持ちにも売り持ちにもしていない。正直言うと、下落が始まった時、日経225の先物を売ろかプットオプションを買おうかと思ったのだが、持っているのがドルばかりで証拠金にする円が無かった。もっとも、いつも言うように「今は資産を守る時期で、儲けを考える時期ではない」のだからそれでいい)

4.Yahoo ニュース

昨日お昼前にYahooニュースが 朝日新聞出版社のホームページAERAdotの記事を引用してくださいました。藤巻健史が警告「コロナショックで日銀が危ない」株暴落で揺らぐ健全性〈週刊朝日〉https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20200312-00000081-sasahi-bus_all

5.「コロナショックで『中央銀行バブルの崩壊』が始まった」(朝日新聞原編集委員)

昔から私と同様、異次元の量的緩和に大反対だった朝日新聞編集委員の原さん(元日経新聞勤務)が「コロナショックで『中央銀行バブルの崩壊』が始まった」というタイトルの文章で今の相場を的確に分析されています。是非一読を。https://webronza.asahi.com/business/articles/2020031100002.html

 6.「株が評価損でも債券評価益があるから日銀財務は健全なのか?」

昨日の拙文を現ロインプラットフォームアゴラが「株が評価損でも債券評価益があるから日銀財務は健全なのか?」というタイトルで載せてくださいました。http://agora-web.jp/archives/2044830.html