(臨時版)今、ドル買いをお勧めする理由他

2020年03月15日

守れ日本・破綻寸前 自分のお金はこうして日本・破綻寸前 裏表紙

1.「ドル不足、新興国に懸念」

私がドル買いをお勧めするのは、一つには株下落で債務超過、ちょっとの金利上昇で債務超過となる日銀は世界一弱っちい中央銀行だからだ。弱っちい中央銀行が発行する通貨は弱っちい。そして2番目の理由は基軸通貨のドルは世界で奪い合いとなるからだ。ロイター通信にいうように「株も債券も金も仮想通貨も、どの資産も売られる『現金化』のステージに移りつつあるのなら、次はどの通貨を保持するか?の選択となる。それは、世界の基軸通貨のドルだ。ドルは唯一の避難通貨なのだ。基軸通貨を持っていれば世界中で何でも買える。持ってないと輸入もできない。https://www.nikkei.com/article/DGXMZO56780750T10C20A3EA2000/

 2.大型経済対策はXデーの引き金にならないか?

私も米国では、大型経済政策を取るべき時期だと思うし、日本も歓迎すべきことだと思う。米国の財政赤字の対GDP比は日本の237%に対しまだ104%で多少の余裕があるからだ。ただ米国長期金利はさらに上昇し、日本の長期金利もそれに引きずられて上昇、日銀の債務超過のリスクはある。しかし世界最大の赤字を抱える日本での大型経済対策は何とも言い難い。国債発行増をともなえば、今こそ大きく膨らんだバブルへの一刺しにもなりかねないからだ。政権にとっては大きなカケだと思う。これも今までMMTを実践し、財政出動で赤字を膨らませて(そして異次元緩和で財政破綻を先送りしてきた)いざという時の手段をなくなったツケだ。最も、どうせハイパーインフレでチャラにするから、財政出動!!という話なら別だ(いやみ)特に「どの資産も売られる『現金化』」のステージに移っているのなら(金曜日の日本国債先物も動きはその可能背は大いにある)これをきっかけにヘッジファンドの大掛かりな国債先物売り(=長期金利急騰)が入るかもしれない。そうなると日銀が完璧にアウトだ、

https://www.nikkei.com/article/DGKKZO56814340V10C20A3MM8000/

  

3.黒田総裁は右顧左眄?

米国ではグリーンスパン米連邦準備委員会(FRB)議長やルービン財務長官が、マーケットの巨大な力を充分認識しつつ、自信満々の経済運営を進めている。一方、わが国の政策当局は市場の見えない陰におびえ、右顧左眄を繰り返しているように見える。この差は何に由来するのか。FRB議長や財務長官などの米当局高官はマーケットの現場で、プレーヤーとして実務に携わった経験を持っている。これに対して日本の当事者は最初からレフリーであって、プレーヤーだった体験が無いことが大きな原因ではないか。(中略)。マーケットというまさに実学を考慮せずに日本の経済運営が立ち行かなくなってきた現在、多くのに本尾大学の経済系各学部で、市場のプレーヤーを講師として招聘するなどの英断が望まれる(一月三舟)」実は一月三舟とは私のペンネームで、1999年1月19日の日経金融新聞(日経ヴェリタスの前身)に書いた記事だ。JPモルガン勤務時代で、部下のナカガワ君に「支店長、求職活動ですか?」と揶揄されたものだ。その後、私は一橋大学経済学部非常勤講師に採用された’笑い)。「一橋大学講師、JPモルガン非常勤在日代表&非常勤支店長」の方がかっこ良くない?」と大西先輩に言われた。マーケットの経験者ではない黒田日銀総裁は、市場の怖さを知らずに、値動きの激しい長期国債や株を爆買いして日銀を世界一弱っちい中央銀行とした。 

4.日銀は債券に簿価会計を適応しているから大丈夫か?

「債券の評価損は満期保有目的であれば満期か売却まで損益計上されません。この点は黒田総裁も平成29年の答弁で触れています。 それでも債券の評価損が日銀の財務に影響すると考えられるのは何故でしょうか。」という質問が来たので、以下のように答えました。これは国会で、私が質問した時の黒田総裁の答弁ですが、その続きの私の反論を議事録で読んでみてください。統合政府論もそうですが、簿価会計で倒産確率を判断するなど欧米では前世紀の遺物です。JPモルガンでは20世紀に簿価会計の概念など社内から消え去りました。相手のリスクを審査する審査部もそうです。日銀のラインを設定するか否かは日銀ではなく外銀等の審査部が決めるのです。日銀当座預金に外資が口座をcloseすれば日本人は基軸通貨ドルを買うことは出来ません。円大暴落です。簿価で済むなら山一もリーマンも倒産していません。100万円の10年国債が満期で100万円返ってきても物価が20%上昇していれば損だからと考えるのが一番わかりやすいかと思います。マーケットは机上で考えるほど甘いものではありません。自分が損をしないよう必死です。損の可能性があると思えばお金はサーと引いていきます。