(臨時版)今後の市場は現金化か?私が今ドルのMMF買いをお勧めする理由

2020年03月17日

1. 今後の市場は現金化か?

さすがに今日の日経平均は悲惨の一言だろう。FRB も日銀も無駄球を打った。無駄球どころか「玉打ち尽くし」を市場に印象づけた点で、逆効果だった。やらない方が良かった。今後、市場は現金化に向かうだろう。「株だけでなく長期国債も金も売り」でなる現金に近いMMF 等の流動性の高いものへのシフトだ。 

2.本日の日経平均は売りが売りを呼ぶか?

本日は、12兆円に増額したETF枠を使いの買い支えに動こうが、「まだ買ってくれる相手がいるうちに」で売りが売りを呼ぶだろう。為替介入と同じだ。それに現物での介入は規模からして先物の売りに対抗できない。安倍首相はこのETF 購入枠増額を絶賛したそうだが「中央銀行の株購入は極めて毒性の強い毒薬だとわかっているのか?値段が下がれば中央銀行倒産のリスクがあるからだ。株が下がったり国債価格が下がることにより過大な評価損が生じる中央銀行など誰も信用しなくなる。通貨暴落の危機を背負ってしまうからだ。それがわかっているから、こんな緊急時でも他国は禁じ手の株購入など開始をしない。 

3.長期国債に一番怖い流動性の危機が発生するか?

昨日の30年米国債市場では売値と買値の差が驚くほどかけ離れたそうだ。これは私が30年間のディーリング生活の中で一番怖かったことだ。危ないと思い売り逃げようと思っても市場が無くなるから逃げられない。値段90の時、危険を感じ、確実に売れるはずの85で売り注文を出したのに、市場が無くなり売れたのは30という。だからこそこのような危機には流動性を求めての現金化が起こる。。FRB のパウエル議長が15日に「米国債を含むいくつかの市場で流動性に強いストレスがあった」と述べたのはこのことだ。「米国債を含む」との言葉に注意しなければならない。長期国債もいざという時に売れなくなる可能性がある。長期債から短期債への流れ。イールドカーブは立て行くと思う。その意味からもドルのMMF 購入が良い。 

4.私がドルMMF 購入をお進めする理由

私が「ドル買い円売り」をお勧めする理由の第1は「市場の動きに対し世界中で一番弱っちい中央銀行の発行する通貨は信頼喪失のリスクがある」だが、日経新聞に書かれているように世界中でドル不足が起きているからでもある。 邦銀もドル調達が難しくなっている。そんな貴重なドルを売って暴落するリスクのある円を買うなど信じられない。 「米国経済も弱いではないか、なぜドル?」とおっしゃる方がいらっしゃるかもしれないが、通貨とは相対的なものだ。通貨が世界中から無くなってしまえば物々交換しかなくなる。どの通貨が生き残るかと言えば基軸通貨のドルだ。日経新聞曰く「邦銀のドル調達コストは上昇し、邦銀などが外貨を調達するのに利用する「ベーシススワップ」市場では、代表的な期間3カ月の取引で邦銀が米銀に支払う上乗せ金利が上昇している」。ドルの流動性に問題がある以上、ドルの価値は上がる。https://www.nikkei.com/article/DGKKZO56870150W0A310C2EA2000/

(↓ 明日発売予定「日本・破綻寸前 自分おお金はこうして守れ!」の内容

日本・破綻寸前 裏表紙