(臨時版)長期金利急騰のリスク。現金化(ドル)で備えよう!他

2020年03月23日

1.長期金利急騰のリスク

(主要国、新型コロナの経済対策拡張 GDP比10%も)

さすがに各国これだけの財政出動があれば長期金利は世界的にかなりの上昇だろう。すべてではないにしても各国©中央銀行が買ってくれるだろうから、彼らが買えるうちに早く売りつけておくことが肝要。保有資産の期限短縮が必須(=現金化)https://www.nikkei.com/article/DGXMZO57085230S0A320C2MM8000/

 2.財政出動すれば長期金利が上昇するのは大原則

世の中、特に政治家は「財政出動をすれば長期金利が上昇し、景気の足を引っ張る」という大原則を忘れている。それを抑えるのは日銀のような長期国債の爆買いという先人が「禁じ手中の禁じ手」とした財政ファイナンス。その結果は今日本が直面する中央銀行の倒産の危機。大胆な財政出動が必要なら不急不要の歳出カットが不可避。財政トリアージが必要。

3.現金化(ドル)で備えよう!

私はプロのディーラーとして11%の長期金利が0%近くに下落したのも1㌦240円だったドル円が70円台に下落したのも、38,915円だった日経平均が8,0000円台に下落したのも経験した。それに比べれば今回のマーケットの動きは今までのところ軽微だ。しかし、経済実態の深刻さは(騒ぎすぎだとは思うもの)すさまじい。だからこそマーケとの下落はまだ始まったばかりだと思うのだ。テレビ報道を見ている限り、経済悪化の悲惨さを世間はまだ理解していない。ワイドシヨーが経財悪化のニュース一色になったとき、市場の大暴落が始まると思う。だから怖い。ドルを買い、長期債を短期債に買い替えて(=現金化)の自衛が必要だ。財政出動は長期金利急騰の引き金となる可能性もある。個人にはドルMMF を推奨する。

4.クレィジー・ジャパニーズ、

今でこそ、一部の方に「曲り屋フジマキ」と言われているようだが(笑)ディーラー現役時代には、当時の世界3番手(?)のヘッジファンド・ムーアキャピタルのオーナ―のルイス・べーコンに「あのクレィジー・ジャパニーズは今、どんな勝負をしている?」と聞かれた、とNY の米人セールスマンが連絡してきたことがある。、あのクレィジーな勝負をするルイスにそう言われたのは名誉(?)なことだが、そんなクレィジーな私が今、現役のディーラーだったとしても、日本株・国債・円の買いポジションを持つ度胸はない。買いは気をつけた方がいい。

5.財政均衡を重視してきたドイツだけは長期金利急騰なしでの緊急時の財政出動が可能

一橋大学元学長、政府税調元会長で財政学の専門だった故石弘光先生のお言葉は肝に銘じるべきだ。「外国の政治家はもっとしっかりとしていますよ。だからこそ、日本のように巨額な借金を抱えない。そこが大きな違いじゃないかと思います(略)」「日本の政治家は、歳出カットでは選挙に立ち向かえないけど、ドイツはできるんですよ。くだらない歳出は、財政赤字が増えてインフレになると思うからね。外国に行って調査すると、その辺りがすごく違うと思うね。」財政均衡を重視してきたドイツだけは長期金利急騰なしでの緊急時の財政出動が可能。