1.マスク、消毒液不足はなぜ解消しない
マスクの在庫は十分だというのにちっとも薬局やドラックスストアに出てこない。昨日のニュースで、関東の病院でも1か月以内に不足するところが多数あると言っていた。経済学では需給は値段によって調整される。マスク1枚50円であれば、不安に駆られた国民は必要以上の在庫確保に走る。結果、病院や重症患者など本当に必要な人に回らない。ならばドラックストアはマスクを(例えば)1枚2000円に値上げすればよい。一人何枚ずつとか数制限をさせる必要も、寒い中、外で並ばせコロナにかかるリスクを高める必要もなくなる。マスク1枚2000円になれば命のリスクと値段を比べて、各自、在庫量を考える。マスクが並べば(安いのだから)とりあえず買っておけ、という行動は無くなる。マスクを1枚2000円で売るドラックストアはけしからんという風潮がまずい。転売禁止の法律の時も思ったが、政府は値段による需給調整に任せるべきだ。こういう時期だから、皆が欲しがるものの値があがるのは当たり前。値段を押さえつければ需給はいつまでたてもバランスしない。政府のするべきことはマスク1枚2000円になって困る真の生活困窮者を助けることで市場に直接介入すべきではない。私が日本は大きな政府で社会主義国家だという一つの理由でもある。オリンピック時に高速道路を値上げして需給調整をすると決めたのだから同じ発想が必要だ。、
2.本日予算成立
本日、参議院で予算が成立するようだ。話題になっていないが、3月31日までに予算を成立させることは政府にとってはマストだ。特例公債法案の5年延長が今年3月末で切れるからだ。3月末までに予算を成立させないと赤字国債を自動的に発行できなくなり、きっと首相の首が飛ぶ。特例公債法案は昔は毎年ごとに成立させ、それを3年後ごとにのばし、そしてついに5年にのばし、その満期が今年末にやってくる。この延長のおかげで首相は財政再建に無頓着になり、財政赤字拡大はとどまることを知らず、財政最悪の状態のままコロナウイルスに立ち向かわなければならなくなった。今回こそは、財政赤字の額が市場の許容限界を超え、長期金利急騰のリスクは大いにあると思っている。なお特例公債法案とは、財政法第4条で禁止されている赤字国債発行(=先人の知恵)を可能にするための特別法。特別法は普通法の上位だから、この特別法で先人の知恵を殺してきた。私は新しい日本にはドイツやスイスのように財政均衡を憲法に組み込まなくてはいけないと思っている。憲法の上位に位置する法律はないのだから。