(臨時版)現金化、ドル化を! 今後の株価の動き他

2020年04月01日

1.現金化、ドル化を!

本日の日経トップ記事。企業は将来不安に備えて手元資金を手厚くしている。現金化の動きだ。企業が内部留保を厚くしていたのは自己防衛策だったともいえる。世界的にはドル不足でドルの奪い合いともいえる。個人にはドルのMMF購入をお勧めする。https://www.nikkei.com/article/DGXMZO57454830R30C20A3MM8000/

 2.今後の株価

本日から新年度。今後日銀の下支えが薄くなり、倒産が出るなど経済実態がこれから悪化していくことを考えると、今後の株価の大幅下落は避けられないと思う。このように経済が動かないと経済実態は空前の悪化となる。株価は日銀の介入もあってそこまで織り込んでいない。長年、相場の最前線にいた者の感覚だ。バブル崩壊の時は38915円から2年で60%を失い(1992年末で16,924円)、10数年かけて5分の1になった。市場は非情だ。今NHKNYダウはこの2か月で23%のダウンとやっていた。ただ本日は米株価の下落もあり露骨に介入を減らせば日銀の本音は公式発言に反し「株価維持」と非難されるから、これから数日は大規模介入が続く可能性がある。破綻しないためにも日銀が買ってくれる今のうちの撤退を私ならお勧めする。逃げろ!逃げろだ! 

3.(まだだいぶ先だが)買い場探しなら米株

まだ今は買い時だとは全く思わないが、買う時期が来たら買うのは米株だろう。どうしても株を保有したい方は今、日本株を売ってドルMMFに資金を寝かし、米株の底値を探る方が良い(まだだいぶ先だとは思うが)。何度か書いてきたが米国の強さの一因は完全な時価会計にあると米銀に勤めた経験から言える。。底を打ったと思ったら急速に回復する。9.11の時もリーマンの時も回復が日本株より、よほどに早かった理由でもある。完璧な時価会計だと昨日までの損は昨日までに計上しているから、今日から上がると思えば今日から買う。機動性がある。ところが簿価会計や(中途半端な時価会計である)減損会計を採用している日本では下落中に株を売れば突然巨額の損失計上だからなかなか売る決意が出来ない。ずるずると評価損を大きくしてしまう。ましてや社長が変わったときなど「この損の大半は売却が遅れた前社長の責任ではないか?なぜ俺が損失を被るのだ?」となる。株価が底値を打ったと思ってもBuy & holdで評価損を抱えたままとなる。株価が大きく上昇して評価損がなくなるまでは買い出動ができないのだ。 

4.終身雇用制の弊害

日本ではアナリストは、ほぼ皆、サラリーマンアナリストだ。所属企業に都合の悪いことは書けない。本音では悲観論であってもだ。だから私のような悲観論者なコメントが出てこない。「もうそろそろ底値ですよ」とか顧客を安心させるような楽観的な予想・願望分析ばかりで、、顧客は危機感を感じず損失カットを先延ばしする。しかしマーケットの動きは所詮、ファンダメンタルズには抗せない。だからある時点で「もうダメだ~」となる。セリングクライマクスの発生だ。一方、米銀のアナリストは、どんなに耳に聞こえが悪くとも本音を書く。顧客も「損したくないから本音」を聞きたい。所属企業よりも顧客の評価が重要だ。所属企業に嫌われても他社に高額で雇われるからだ。終身雇用制の弊害がこんなところにもある。日米両方の企業に勤めた経験から感じていることだ。 

5.「各国はコロナ禍が収まった後の膨大な借金をどうするのか」

昨日の拙稿を言論プラットホームアゴラが「各国はコロナ禍が収まった後の膨大な借金をどうするのか」というタイトルで載せてくださっています。

http://agora-web.jp/archives/2045159.html