1.トリシェ元ECB総裁の危機感
一昨日の日経のインタビュー記事だが、欧州中央銀行元総裁のトリシェ氏は「債務膨張でただでさえ脆弱だった世界経済に打撃を与える「起爆装置」」とおっしゃっている。私に言わせれば「債務膨張でただでさえ脆弱だった日本銀行に打撃を与える「起爆装置」」だ。トリシェ元総裁は、さらに「これまでに見たことのないレベルの不確実性が市場の崩落をもたらしている」と述べた。その結果としての景気後退は「鋭く、急で、深いもの」になるという。「(危機後の回復の勢いが)V字(になる)とはとても言えないほど長く続くかもしれない」と述べ、強い懸念を表明した。」このトリシェ元総裁の発言を聞くにつれ、日本の株式市場は平和ボケなのではと思ってしまう。https://www.nikkei.com/article/DGXMZO57516420R00C20A4FF8000/
2.投信の資金流出最大 3月、世界で55兆円
これでは株や長期国債が当面上昇しない。世界では手許現金を手厚くしようという現金化が起きているということ。今は現金化という世界の流れに乗るのが賢明。この記事にあるように流出額の中には「現金に近い性格を持つMMFを除く」とある。そしてドルは世界の基軸通貨。だから私はドルのMMFをお勧めしている。
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO57575430S0A400C2MM8000/
3.時価会計の必要性
金融庁は企業がコロナで悪影響を受けないように「企業がただちに工場や店舗の資産価値の切り下げを迫られないようにする方針」だそうだ。減損会計などという中途半端な制度を採用しているから、こんなご都合主義が起きる。米国は完全な時価会計だ。努力して本業で稼いだと思ったら地価の時価評価による下落でボーナスがパーでは、やってられない。だから銀行など本店も支店も自分で持たず、賃借なのだ。賃貸しを本業とするところのビルを借りている。それが本来の企業活動であり企業が強くなる方法ではないか?
4.日経平均終値
前回に日経平均が9円くらい上昇した時、日経新聞が「**日ぶりの反発」と書いたので「お気持ちは十分わかるが違うだろう。正しい表現は「変わらず」と書いた。本日は1円の上昇。今日の日経は「日経平均終値、1円高の1万7820円 週末で様子見姿勢」と感情の入らない正しい表現に戻った。ロイターは「日経平均は小幅に5日ぶり反発」。小幅にが入っているから、マ~いいかと思うが、やっぱりちょっと抵抗感があるな~。元ディーリングとしては「1円高と前日と変わらず」が正しい表現。https://jp.reuters.com/article/tokyo-stx-close-idJPKBN21L0RT