(臨時版・本日第3弾)高橋洋一先生理論(地方政府の休業補償の財源は地方債の日銀引き受けで)で日銀はどうなる?他

2020年04月11日

1.高橋洋一先生理論(地方政府の休業補償の財源は地方債の日銀引き受けで)で日銀はどうなる?

普段は高橋洋一先生のツイッターは見ていないのだが、偶然私のツイートの直前に載っていたので読んだ。大阪府の休業補償金の財源についてのコメントのようだ。高橋先生いわく「国へ。国が100兆円を作りその一部を地方へ配分すること。それがイヤなら、日銀が地方債を引受・買取し、地方公共団体が日銀への利払費は日銀納付金となって国庫に入るが、その分を地方に回わし、地方公共団体の利払い費をチャラにする(償還費は日銀乗換で対応)。これなら政府は痛みなしでしょ」

高橋先生は「統合政府論」の時もそうだが、政府の痛みばかり取り上げ、日銀に生じる痛みには触れていない。日銀倒産やむなしの議論に他ならない。日銀は地方債を買わされて利息をもらうが、それをそのまま納付金として政府に返上したら、地方債購入で増える日銀当座預金に支払う金利はどうなるのだろうか?金利引き上げ時その分日銀の損の垂れ流しは膨らむ。

それ以前の問題として、日銀の昨年9月末の保有国債平均利回りは0.26%だが、高橋論だと購入する地方債の理廻りはゼロだから、日銀保有国債利廻りはさらに下がる。長期金利が(国債供給過多で)ほんの少し上昇したら、日銀の債務超過はすぐに起きる。日銀の債務超過がいかに怖いかはこれから書く。いずれにしても借金は返さなければならない。奇策はない。 

2.なぜオオカミ少年だったか?

20年前は財政破綻、今は日銀破綻、日本はハイパーインフレになるという主張は変わらず。ブレない姿勢はすごいが、ここまで相場を間違え続けたら、自分の主張の何かが構造的におかしいと疑わないのだろうか?投資家としては失格」というリツイートがありましたので以下のように答えておきました。政府の借金を中央銀行が紙幣を刷ってファイナンスしたため、(財政破綻という)危機はいったん回避できたのかもしれません。ですが、危機の先送りにすぎず、日本人得意の「飛ばし」なのです。ハイパーインフレを起こした経験から世界中で禁止されている政策を、まさか日銀が開始するなどとは、当時の私も、橋本元首相も、朝日新聞も思いもしなかったのです。金融をかじったものならば、悪夢を呼ぶ「禁じ手中の禁じ手」をまさか理性ある中央銀行が実施するとは想像だに、しなかったはずです。もっとも長男ケンタに「自分の時にXデーが起きて欲しくないから、常識的に「『とんでもないこと』でも当事者は行ってしまうものだ。自分の時代にコトが起きるのを避けたかったら、『危機の先送り』をすることは、ままある。それを見抜けなかったんだからお父さんはディーラーとしては失格だ」と言われてしまいました。確かに言われてみるとそのとおりです。いまだディーラーだったら大損をして、即、首だったでしょう。しかし、責任たる立場にいる人が、ここまで無責任なことをするとは思わなかったのです。「日本・破綻寸前」(幻冬舎より)